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Tokyo Stock Exchange

ジブラルタ生命の米国ドル建リタイアメント・インカムに関するエントリーで、「ドルコスト平均法や積立投資と同様の弱点があり、最初上昇して最後下がるパターンに弱い」と述べました。この点について、具体的にどういうことかというご質問がありましたので、エントリーにします。

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積立投資の特徴

一般的には積立投資とは、タイミングを意識せずに、毎月一定金額の投信を購入していく投資方法を指します。いわゆるドルコスト平均法と同じです。

積立投資はタイミングを意識しない投資方法であり、普通の人が買うのをためらわれるような低迷局面でもコツコツと購入できる点がいいと思います。反面、加熱期でも買ってしまう側面もあります。

長期的視野にたって、積立投資が最終的に成功するかは、途中の値動きに大きく左右されます。最終的には同じ株価になっても、途中の値動き次第でパフォーマンスは大きく異なります。

以下、毎月5万円(年間60万円)を30年間積立てた場合について、具体的に数字を見てみます。簡略化して、「(前年までの残高+当年の積立額)×利回り」で残高の推移を計算します。

具体例1:基本的に右肩上がり

まずは基本的に右肩上がりのパターンです。1年目+15%、2年目+10%、3年目+15%、4年目+10%、5年目-25%を繰り返すケースです。

当初の基準価格を10,000円とすると、30年目は29,885円まで上昇します。約3倍になります。この結果として、1800万円の積立に対して、最終的な資産額は約2,841万円となり、+58%となります。

具体例2:最初上昇・最後急落

次に最初は順調に上昇して、最後に急落してしまうパターンです。最初はひたすら+10%で上昇し、最後の5年間は-40%・+10%・-40%・+10%・-40%のパターンです。

当初の基準価格を10,000円とすると、30年目は28,318円まで上昇します。約3倍であり、具体例1とほぼ同じ水準です。この結果として、1800万円の積立に対して、最終的な資産額は約1,837万円となり、+2%となります。

最終的な30年後の基準価格はほぼ同じにもかかわらず、途中の値動きによって、結果は大きく異なります。

具体例3:最初下落基調・最後急上昇

次に最初は下落基調で、最後に急上昇するパターンです。最初は-10%・+5%を繰り返し、最後の5年間は40%・-10%・40%・-10%・40%のパターンです。

当初の基準価格を10,000円とすると、30年目は10,146円です。ほとんど横ばいです。しかし、この結果として、1800万円の積立に対して、最終的な資産額は約2,759万円となり、+53%となります。

最終的な30年後の基準価格はほとんど上昇していないにもかかわらず、約3倍になった具体例1とほぼ同じパフォーマンスを誇ります。

具体例4:失われた20年・最後2000-2006年

以上は机上の単純なデータに基づいた計算ですので、実際の株価に基づいて計算します。

日経平均100%と仮定して、スタートの株価は1989年末の38,916円とします。その後、2012年末までの株価の騰落率をなぞり、最後の7年間は2000~2006年末の株価で計算しました。株価は以下の通りに推移します。横軸の数字は年齢です(30~60歳)。

具体例4チャート

当初の株価は38,916円で、30年目は17,226円です。株価は約-55.7%です。しかし、この結果として、1800万円の積立に対して、最終的な資産額は約2,343万円となり、+30%となります。

30年間で株価は半分以下に下落してしまいましたが、最終的なパフォーマンスは大きなプラスです。

具体例5:失われた20年・最後1983-1989年

スタートの株価は1989年末の38,916円とします。その後、2012年末までの株価の騰落率をなぞり、最後の7年間は1983~1989年末の株価で計算しました。株価は以下の通りに推移します。

具体例5チャート

当初の株価は38,916円で、30年目は38,916円です。株価は±0です。しかし、この結果として、1800万円の積立に対して、最終的な資産額は約4,991万円となり、+177%となります。

30年前の株価と全く同じ株価でフィニッシュしたにもかかわらず、最終的なパフォーマンスは圧倒的な良さです。

まとめ

なぜ最終的にほとんど同じ株価でもこれ程までに大きな差がつくのでしょうか?あるいは、なぜ最終的な株価は低いほうが、高い方よりも高パフォーマンスになるケースがあるのでしょうか?

その答えは、30年間のマーケットの変動が、運用のパフォーマンスに及ぼす影響は、均等ではなく、後のほうになるほど大きくなる点です。

同じ10%の変動でも、資産が50万円の時は±5万に過ぎません。しかし、資産が1500万円の時は±150万円になります。

つまり、運用残高が少ない初期の時期(積立て開始後しばらく)のマーケットの変動が、運用の成否に及ぼす影響は、一生涯のトータルで見ると、それ程大きくはありません。

他方、積立て終了前後、運用残高が積みあがった時期のマーケットの変動は、生涯の運用の成否に大きな影響を及ぼします。

積立投資は、最後に上昇するパターンに強いです。逆に、最初は上昇して最後下落するパターンには脆弱です。

今年に入って株価が上昇して円安になっていますが、今後も長期的に積立投資をする場合は、現在の株価高騰は大勢に影響を与えません。むしろ不都合なくらいです。他方、20~30年間積立投資をしてきてリタイア間近という方にとっては、今年の上昇は酒池肉林の桃源郷です。

逆に今後しばらく、株価低迷・円高に陥ったとしても、長期的に積立投資をする場合はそれ程問題はありません。他方、20~30年間積立投資をしてきてリタイア間近という方にとっては、深刻な事態となります。

長期積立投資のパフォーマンスは、途中どのように値動きしたかが重要となります。全く同じ資産に全く同じ金額を積立投資したとしても、「いつ始めていつ終えたか」によって、パフォーマンスは異なります。「From To」が重要となります。

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    2013.06.17 Mon l 資産運用の考え方 l コメント (2) トラックバック (0) l top
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