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「70歳にそれまでに支払った保険料から給付金等を差し引いた金額が戻ってくる」という目新しい医療保険が登場しました。東京海上日動あんしん生命が発表した「メディカルKit R」(メディカルキットアール)という終身医療保険です。目新しい保険というのは、大いなる突っ込みどころを内在しているケースが多いので、分析してみました。

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メディカルKit Rの特徴

メディカルKit Rは、東京海上日動あんしん生命の通常の終身医療保険、「メディカルKit」と比べると、保険料が高くなっています。30歳女性は月額+1,480円、30歳男性は+1,145円、40歳女性は+1,835円、40歳男性は+2,005円、保険料が高くなっています。

メディカルKit Rは「70歳にそれまでに支払った保険料から給付金等を差し引いた金額が戻ってくる」という点を最大限に強調しています。

しかし、「全額リターン」で実質無料を強調していますが、支払った保険料は70歳のときに戻ってくるからタダというのは、時間価値を全く考慮していない恐るべき単純計算です。

はっきり言ってしまうと、消費者を馬鹿にすらしている宣伝だと思います。「全額戻ってくるって言われると釣られるだろ」という目線を感じます。

メディカルKit Rの健康還付金のNPV(正味現在価値)

男性が30歳加入・70歳まで一度も入院等給付金を受けなかったケースで、エクセルでNPV(正味現在価値)を計算すると、割引率2%で-331,606円です。「全額リターン」で実質0円ではなく、時間価値を考慮すると、約33万円の損失と評価できます。

インフレ率が上昇したら、超長期国債の利回りも上昇します。そうなると、正味現在価値はさらに悪化します。また、メディカルKit Rのリスクとして、以下2点が挙げられます。

メディカルKit Rのリスク(1)中途解約リスク・死亡リスク

健康還付給付金は70歳まで解約・死亡せずに契約を継続した場合に受け取れます。途中で解約したり、死亡した場合は、解約返戻金となります。解約返戻金は払込保険料の合計額より少ない金額になり、特に短期間で解約された場合はほとんどありません。

メディカルキットR解約返戻金

メディカルKit Rのリスク(2)信用リスク

東京海上日動あんしん生命が破綻した場合、責任準備金等の削減、契約条件の算定基礎となる基礎率(予定利率、予定死亡率、予定事業費率等)の変更が行われる可能性があり、全額戻ってくるはずの健康還付給付金がカットされ、補償が減少する恐れがあります。

70歳になれば健康還付給付金が全額戻ってくると思っていたら、東京海上日動あんしん生命が破綻してアチャーとなり、更に保障をカットされるリスクがあります。

メディカルKit Rのリスク(3)終身医療保険リスク

メディカルKit Rは終身医療保険ですので、終身医療保険特有のリスクがあります。

メディカルKit Rは自己矛盾を孕んだ保険

メディカルKit Rを契約した場合、一度も入院等給付金を受けることなく、70歳まで契約を継続した場合、普通の医療保険に比べて最も得することになります。

給付を受ければ受けるほど、70歳のときの健康還付給付金が減少するので、保険料が安い分、普通の医療保険の方が得になります。

したがって、70歳までにあまり給付金を受けない自信がある人ならば、普通の医療保険ではなく、メディカルKit Rを契約する意味が出ます。

しかし、そもそも論として、給付金を受けない自信があるならば、医療保険に契約すること自体が非合理であるので、そうであれば医療保険そのものを契約しないのがベストです。この点で、メディカルKit Rは自己矛盾を孕んだ保険です。

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    2013.08.02 Fri l 保険 l コメント (3) トラックバック (0) l top
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