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首都高から見た日銀

私は2012年8月から金融抑圧について言及していましたが、ここ最近は河野龍太郎氏や高田創氏などの著名エコミストも言及するようになってきました。FRBの出口戦略で世界の金融市場が動揺しています。米国は出口まで辿り着きつつある状況です。しかし、日本と日銀には出口は訪れないと思います。

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既に事実上の財政ファイナンスは発動されている。

今後も社会保障の費用は増加の一途を辿りますし、国土強靭化による公共事業など財政支出も拡大していく懸念があります。それら費用をどう賄い破茶目茶な財政危機を防ぐかが、今後20~30年の重要な課題となっています。

現在は異次元緩和によって、国債発行額の7割近くを日銀が買入れて、ネットでは新規国債発行額を超えて購入することになります。日銀の事実上の財政ファイナンス(マネタイゼーション)で賄う形になりつつあります。

インフレが加速しても、放置&人為的低金利しかない。

問題はインフレ・円安が進んで止まらなくなることです。そうなったらゲームオーバーであり、放置&人為的低金利しかないと思います。いわゆる金融抑圧です。

2%のインフレ・ターゲットがあるのだから、高インフレになったら金融引締めすればいいという意見もあります。しかし、今の日本の状況では金融引締めはできないと思います。

日本は債務残高がGDP比で250%近い巨額であり、短期国債での調達比率が高く、借換債の名目GDP比が50%を超えています。

したがって、いったん市場金利が上昇局面に入った場合、速いペースで利払い費が急増してしまうため、金利上昇が始まれば、財政危機を引き起こすリスクが高く、税収が増えても追いつきません。バブルの絶頂期でも日本の税収は60兆円に過ぎません。

長期金利が5%を超えると、大手金融機関でも自己資本不足に陥るところが現れ、金融システムは危機的様相に陥ると見込まれまています。6%まで上昇すると、大多数の金融機関が自己資本不足となり、金融危機に陥ると言われています。

つまり、インフレが加速しても、日本が出口戦略を発動して金融引締めに転じるのは至難の業です。高インフレ&人為的低金利しかありません。第二次世界大戦後の米国のように、諸々の規制を導入することで金融機関が低金利国債を強制購入させ、事実上の金利の上限を設ける政策です。

インフレ率が2%以下で収まれば酒池肉林

リフレ政策によって何が何でもインフレ率を2%に持っていこうと異次元緩和が発動されていますが、インフレ率は上がらない方がいいと思います。厳密には、2%までは上がった方が望ましいですが、それ以降は上がらない方がいいです。

なぜなら、インフレが加速しない限りは無限に金融緩和をでき、日銀による実質的な財政ファイナンスによって、膨張する社会保障費などの歳出を賄うことが可能だからです。

財政ファイナンスを露骨に発動してしまうと、日本脱出や資本逃避が加速することが懸念されるので、表向きは「デフレ脱却」「経済再生」などのための金融緩和という看板を維持することが重要です。

大雑把に計算したところ、膨張する社会保障費を増税で賄い債務発散を防ぐためには、単純計算で消費税30%程度まで上る必要が出てきます。

しかし、こんな大増税には察するに余りある大きな苦衷が伴い、困難を極めます。また、経済に大きな悪影響が及んで景気が減速してそれ程税収が上がらない恐れもあります。

インフレ率が上昇しない限りは、筆舌に尽くし難い苦難を伴う増税をすることなく、膨張する社会保障費を日銀によるファイナンスによって賄うことが可能です。

無限に金融緩和をしても、インフレが加速せずに、増税することなく膨張する歳出を賄うことが可能になったとしたら、酒池肉林の桃源郷となります。

「2年で2%」と期限を区切らないほうが良かった

異次元緩和には賛否両論あるでしょう。増税は経済減速を伴うため、一か八か財政ファイナンスを発動せざるを得ない状況に日本は追い込まれつつあったため、やむを得ないという考え方もできます。

しかし、「2年で2%」と期限を区切ったのはエラーだったかなと思います。日本はなかなかインフレ率が上がりづらい体質なので、「2%まで大規模な金融緩和を続ける」としておけば、なかなかインフレ率が上がらずに、無限に緩和が可能になったと思います。

「デフレ脱却」という大義名分がある限りは金融緩和が可能です。異次元緩和によってインフレ率が上がらなくても、増税せずに歳出をファイナンスできる状況が続きます。

まとめると、金融緩和の副作用はインフレ・円安・バブルです。それが起きない限りは、膨張する歳出を日銀が賄うことが可能になり、国民は低負担で経済生活を送ることが可能になります。日本の状況では、副作用が起きてしまっても、金融引締めに転じることは困難を極めます。その場合は高インフレ&人為的低金利の金融抑圧で債務棒引きとなるでしょう。

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    2013.06.27 Thu l 経済・社会・金融動向 l コメント (8) トラックバック (0) l top
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