TOP > 経済・社会・金融動向 > ご覧のページ

wall_女将

3月15日の産業競争力会議で、解雇ルールの明文化が提言されました。一定の金銭を払えば解雇できる「金銭解雇」の導入が検討されるようです。参院選前は具体的な動きはないでしょうが、参院選後は動き始める可能性があります。

スポンサーリンク

ネット上では、「解雇規制があるせいで中高年が保護されており、若年層の失業率が高まっている。解雇自由化で若年層の雇用が増える」旨の言説が多いです。

確かに一部の大企業では余剰人員がいて、解雇規制のせいで余剰人員を解雇していない企業があります。そういう企業は、解雇自由化によって、余剰人員を一斉に整理するでしょう。余剰人員の中高年が保護されているのは確かです。

しかし、法に触れない範囲で多様な方策を駆使して退職に追い込む企業は多いです。大企業でもです。私の知り合いでは、実家の近所の某大手カメラメーカー勤務の人が、陰湿な手段で退職に追い込まれました。中小企業は社長の一存で云々という企業が多いようですし、大企業でも偉大なる人事コンサルタント様や大手法律事務所様のご教授によって、合法的に実質的な解雇を行なっている企業は多いです。

したがって、解雇自由化になったところで、多くの企業ではそれほど大きな変化はないと思います。また、解雇自由化によって、就職できない若年層が就職できるようになるかというと、多少はあるかもしれませんが多くは期待できないと思います。

以下は、各国の若年層失業率(15~24歳)、失業率の2010年のデータです。

若年層失業率
出典:IMF - World Economic Outlook Databases、OECD LFS by Sex and age

もし日本が解雇規制が厳しいせいで、若年層の失業率が高いのならば、若年層失業率÷失業率の倍率が解雇が自由な国に比べて高い必要があります。

しかし、データを見れば一目瞭然なように、解雇が自由な米国よりも、解雇規制が厳しい日本のほうが、若年層の失業が相対的に少ないです。

解雇が自由な国ほど若年層失業率が低いという関係はありません。

日本は新卒一括採用・終身雇用によって、若年層を育成していくのに対して、米国では即戦力を採用する傾向が強く、「人材を育てるのではなく、他から連れてくればいい」という考え方が日本より強いようです。

米国では若年層を搾取する企業も多く、「22-22-22」という言葉があるようです。22歳の若者を年収2万2千ドル(約205万円)で雇い、一日22時間働かせるという意味であり、若者に厳しい労働市場を象徴する言葉として使われています。

これが解雇自由の米国の現実です。解雇自由のおかげで若年層が就職しやすいなんてことはないわけです。キャリア・スキルがない若年層は、やはり解雇自由の国でも職を見つけるのは難しく、失業率は高い傾向にあります。

雇用が流動化したら、スキルと経験を持つ膨大な層が就職市場に出てきます。雇用自由化・終身雇用の崩壊によって、若年層はそうした層と競争する必要が生じます。

今仕事を見つけられない若者は、解雇自由化されたとしても、仕事を見つけるのは難しいでしょう。

スポンサーリンク

Google+で売買報告や限定投稿を配信しています!


関連記事

    2013.04.03 Wed l 経済・社会・金融動向 l コメント (2) トラックバック (0) l top
    コメント
    No title
    勉強になります。

    最近感ずるのは、いい学校→いい会社→22時間労働→晩婚→子供ナシ(or 1人) というのと、高校中退→デキ婚→各種社会保障、優遇制度、ただ乗りしまくり→子だくさん→ナマポがっぽり というのは、奴隷と貴族の関係にしか思えません。生物として勝ってるのも残せる遺伝子の数を見れば、一目瞭然ですね。

    恐らくキラキラしたお名前を持つ方々が、もっとこの国を抜本的にキラキラと輝かす日が来るのでは、、、といった、妄想を以前から偶にします。
    2013.04.04 Thu l atsu. URL l 編集
    Re: No title
    中途半端にレールに乗るよりかは、ナマポ長者の方がまったりでいいかもという気がしてしまいますよね(笑)

    欧州は就業義務が厳しくて、国からの就労斡旋を断ったら出なくなる国もあるので、日本も同様の制度の導入は検討し得ると思います。
    2013.04.04 Thu l まつのすけ. URL l 編集
    コメントの投稿











    トラックバック
    トラックバック URL
    http://thegoalnext.blog.fc2.com/tb.php/880-db30877b
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)