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質的量的緩和以降のドル円
※楽天証券マーケットスピードFXより

日銀の金融政策決定会合で質的量的緩和が発表されて以降、為替レートは大きく円安に動きました。代表としてドル円は、直前の約93から97.48まで一気に約5%の円安となりました。今後、さらなる円安があるか、それともここらへんがピークなのか。

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購買力平価

為替レートは長期的には購買力平価に沿って動くと考えられます。例えば、ドル円は1980~2007年の間、年平均で約3%円高となりました。この期間の日本と米国の日米のインフレ率の平均差は約3%であり、概ね一致しています。

現在のドル円97.48という数字は、概ね企業物価の購買力平価と一致しています。概ねフェアバリューからそれ程離れていない為替レートと言えるかもしれません。

ドル円購買力平価
※公益財団法人国際通貨研究所Webサイトより。クリックで拡大


実質実効為替レート

実効為替レートとは、対象となる全ての通貨と日本円との間の2通貨間為替レートを、貿易額等で計った相対的な重要度でウエイト付けして計算する指標であり、一言で言うと「相対的な通貨の実力を測るための総合的な指標」です。

実効為替レートを物価上昇率を調整した後のものが、実質実効為替レートです。この実質実効為替レートを見ると、既に2007年頃の円安バブルの頃と同じくらいの水準まで低下しています。

実質実効為替レート
※日銀Webサイトより

ここからの円安余地はさほど大きくなく、平常であれば後10~20%程度という目安です。円高で調整されるか、インフレ率上昇で調整されるかのどちらかです。


今後はどう動くか。購買力平価と経常収支

購買力平価、実質実効為替レートからはいいところまで円安が進んでおり、それ程円安余地はないようにも考えられます。

しかし、中長期的には円安方向に行く要素が揃っています。何が何でもインフレ率を2%に持っていく国策が採られており、これまでは恒常的に円高方向に進んできた購買力平価が、今後は横ばい、やがてはもしかすると円安方向に動くようになる可能性も出てきました。

購買力平価は長期的な為替レートの方向性を決めるため、長期的な円安要因です。

経常収支についても、2011年に31年ぶりに貿易収支が赤字になり、数年間続く可能性が高そうです。所得収支も伸び悩む傾向にあり、いずれは経常赤字への転落も可能性もあります。

経常収支
※日銀Webサイトより

円安は所得収支の改善方向に働くので、今後は改善されるかもしれません。もっとも、経常黒字が続いたとしても、安心はできません。配当や利子などの投資収益は、外国で再投資されるケースも多いです。統計上はこうした再投資も所得収支に計上されています。

仮に所得収支の黒字が続いたとしても、「所得黒字が必ずそのまま円相場に反映される」という考え方にはリスクが伴います。

貿易赤字についても楽観はできません。円安で原料・エネルギーの輸入額が膨らみます。輸出が増えることが期待されますが、13年2月の鉱工業生産指数は前月比-0.1%と低下しており、輸出・生産などの実体経済の回復は緩慢となっています。

生産計画の修正状況を示す実現率(2月)は-3.6%、予測修正率(3月)は-3.0%と大幅なマイナスとなっており、ほとんどの業種で生産計画が下方修正されています。円安が大きく進んでいるにもかかわらず企業の想定通りに輸出が回復していない状況です。


大規模な外貨シフトが起こる可能性

円金利が盛大に潰されることによって、収益を求めて外債投資が活発化する可能性があります。銀行は当座預金の付利があるのでまだマシですが、保険会社は涙目としか言えない状況であり、慄然とせざるを得ません。

もっとも、諸規制に鑑みるとなかなか金融機関がオープン外債を積極果敢に積み増すというのも難しいのかもしれません。

ただし、個人はそのような規制がなく、自分の財産は自由に移せます。インフレに脆弱な高齢層を中心に円資産が溶ける恐怖が広まり、大規模な外貨シフトが起こる可能性は否定できません。ミセス・ワタナベ再びですね。

ジョージ・ソロスも、「日本の人々が円安が持続しそうだと認識して海外に資金を移すことを望めば、円の下落は雪崩のようになる可能性がある」と述べたと報道されましたね。

日本政府と日銀は、円・日本国債から資産保全機能を奪おうとしており、消費や投資を強烈に促しています。一部は消費に回るかもしれませんが、大部分は投資に回ります。日本株と不動産への流入とともに、外株・外債・外貨への流出の可能性はあるでしょう。

底からは大幅な円安になって過熱感があり、イタリアの政局などで欧州の再炎上の可能性もあります。短期的には円高の可能性もあるでしょう。

しかし、ここからの円高は押し目買いスタンスでいいような気がします。

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    2013.04.07 Sun l 為替・外債・FX l コメント (2) トラックバック (0) l top
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