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シェールガス革命や更なる生産性・イノベーションの上昇によって、米ドルが底打ちを果たすという意見が増えてきました。これまでのドルの推移を振り返り、今後の動向について見てみます。

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2012年までのドルインデックス

変動相場制への移行後、ドルインデックス(実効為替レート)は、レーガノミックスの時期と1995~2001年の時期を除くと、大局的には下落基調となっています。実効為替レートとは、関係が深い貿易相手国に対して貿易量でウエイト付けした数値を加重平均した指数です。

ドルインデックス

米ドルの下落は、経常赤字の拡大と軌跡を共にしています。米国は経常赤字が続いてきました。経常赤字が拡大し続けても、米国債購入等の米国への資本流入によって外国からファイナンスされる構図が続く場合は問題ありません。

世界各国は膨大な米国債と米ドルを保有しており、売ると自国通貨高になって自らの首を絞める状況になってしまうこと、米ドルが基軸通貨であること、米国債は格段の流動性を誇ること、米国が資本流入対象として魅力があること等によって、これまでは米国の経常赤字は安定的にファイナンスされてきました。

こうした状況下では、米国にとっては基本的にはドル安が望ましいと言えるかもしれません。ドル安が望ましい米国の意図、経常赤字、しっかりとしたインフレ率等に沿う形で、大局的にドル安が続いて来ました。

しかし、経常赤字が拡大の一途を続けたり、債務の持続可能性への疑念が生じたり、米国が投資対象として魅力がなくなったりしたら、米国とドルの信認が薄れると、外国が米国への投資を減少させる可能性が出てきます。

したがって、米国の首脳は口だけだとしても、「強いドル」を標榜し、債務問題がこれ程までに激しく議論され、かつ経済成長を続けるための方策が打ち出されています。

ここらへんは日本も同じですね。やがて経常赤字に転落したとしても、その分を海外からの資本流入によってファイナンスされれば問題ありません。マイルドな円安は望ましいですが、円と日本政府の信認が毀損されることによって生じる円安は望ましくありません。


2013年移行のドル相場

IEAによると、2015年には米国が最大の天然ガス産出国になり、20年には天然ガスの純輸出国になるとの見通しです。シェールガス革命によって、物価が下がり所得が上昇することが期待されます。製造業の米国内回帰や資本流入が期待されます。

シェールガス革命によって、米国の貿易収支が将来的に改善に向かうという意見が出てきました。貿易収支は為替レートに一定のインパクトを及ぼすと考えられます。

また、財政の崖問題をめぐって紛糾していることに象徴されるように、債務の持続可能性や財政への意識については、相対的には安定感があります。インフレ率についても、世界の中では比較的落ち着いています。

2001年以降に続いてきたドル安トレンドが一服し、揉みあいからドル高トレンドに向かうような気がします。FRBの金融緩和が打ち切られたら、そのトレンドが強まると思います。

投機筋の短期的なポジション動向を示唆すると言われているリスク・リバーサル・レート(オプションのドルを買う権利コールと売る権利プットのボラティリティ格差)は一時マイナスになっており、ドル安を示唆するデータも出ました。しかし、ここから下落することがあれば、押し目買いでいい気がしています。

ただし、過度なドル高は米国の利益に沿わないため、あまりにもドル高となったら、反転を警戒すべきでしょう。まだその段階には遠いと思います。

ドル円相場

私達にとって重要なのは、ドル円のレートです。昨年11月から円安が続いて来ましたが、米財務省が為替報告書で「競争的な通貨切り下げを慎むよう引き続き迫っていく」と明記したことから、ドル円は98円近辺まで一気に下落しました。

これまで米国が円安に文句を言わなかったのは、牛肉の輸入規制の緩和、TPP参加、TPPでは米国側の自動車関税の維持、かんぽ生命の新商品発売の禁止などとのバーター取引だと思っていました。

今後の更なる円安容認のためには、何か新たなバーター取引が必要になってくるような妄想も出てきます。

この点で考えられるのは、米国の日本関連の防衛費の削減&日本側の増加かもしれません。米国では財政再建問題・歳出削減が喫緊の課題となっており、防衛費も大きく削減される予定です。ここにインプリケーションを感じます。

短期的には調整があるかもしれませんが、中長期的には、日本の事実上の財政ファイナンス・インフレ率上昇・貿易収支の悪化、米国のシェールガス革命によるインフレ率安定・貿易収支の改善などから、長期的なドル円の円高トレンドが転換する可能性が高くなってきたかもしれません。

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    2013.04.15 Mon l マーケット雑感・運用状況 l コメント (2) トラックバック (0) l top
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