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ホワイトカラー・エグゼンプションが再び検討

政府の会議において、解雇自由化やホワイトカラー・エグゼンプションの話が再浮上しています。現時点では、解雇自由化は見送りとなり、ホワイトカラー・エグゼンプションの導入は具体化していません。選挙対策で参院選前は出ないでしょうけれども、参院選後はしばらく選挙がありませんので、導入される可能性があります。

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ホワイトカラー・エグゼンプションとは

ホワイトカラー・エグゼンプションとは、労働法に規定されている、勤務時間や時間外手当・休日手当に関する規制緩和です。

会社員と経営者間で合意した成果を達成することを前提として、勤務時間を自由に決められるようになりますが、時間外勤務・休日出勤の残業代・割増手当はなくなります。一言で言うと、経営者と合意した成果を達成する限り勤務時間が自由になりますが、残業代や休日手当がなくなります。

2006~2007年の議論を振り返る

第一次安倍政権において、ホワイトカラー・エグゼンプションの導入が図られました。日本経団連が導入を強烈に推進し、年収400万円か全労働者の平均給与所得以上の者に対する導入を主張しました。

これに対しては、「時間外勤務に対しては割増賃金を支払う義務があり、労働時間が過剰に増えることに対する一定の歯止めがあったが、それらの歯止めが無くなる。特に日本の慣行だとタダ残業が合法されることによって、長時間勤務が膨張する」という批判がありました。

メディアでは、「残業代ゼロ法案」、「過労死促進法」と呼ばれました。最終的には、2007年1月に厚生労働省は対象者の範囲を「年収900万円以上&企画・立案・研究・調査・分析の5業務」と当初出ていた400万円からは対象を限定しましたが、批判の大きさから法案可決は断念されました。

ホワイトEと解雇自由化のコラボで、日本総ブラック化

「規制改革会議」において、ホワイトカラー・エグゼンプションが再び検討されています。個人的には、解雇自由化とホワイトカラー・エグゼンプションが同時導入されると、日本が総ブラック化する恐れがあると思います。

仮に解雇自由化とホワイトカラー・エグゼンプションが導入されたらどうなるかというと、解雇で社員を絞り込み、残った社員を深夜(23~24時前後)まで働かせる企業が増えるようになる気がします。

例えばこれまで100人が21時まで働いていたような職場では、20人を解雇して残った80人を24時まで働かせれば、これまでと同じ総労働時間を確保しつつ、経費を大幅に削減できます。日本全体では10兆円以上と試算されている割増賃金が削減できます。

「ホワイトカラー・エグゼンプションで勤務時間が自由になるため、さっさと仕事をすれば早く帰れるようになる」などという意見もありますけれども、経営者と合意した成果を達成することが前提であるため、夜の24時くらいまで働けばようやく達成できるような成果が課せられるようになることは明白です。

もちろん、「外資系金融やコンサルティング会社ではそのくらい働くのは当たり前」という意見はあるでしょうが、それに見合う待遇や成長できる環境がついています。待遇が良くて成長できるからこそ、1日16時間勤務に耐えられるわけです。年収400万円以上だと・・・。

もし導入されたら、毎日24時近くまで働く必要があるような企業が激増し、若年層からは子育てするような余裕は失われ少子化はますます加速し、10兆円の所得が失われることで需要は減少し、デフレ・ギャップは増加するでしょう。

家族揃って夕食を食べることは不可能になり、一家はそれぞれレンジでチンしてバラバラに食事し、顔を合わせるのは滅多にない生活に陥ります。

多くの人が会社員から脱落し、勤務時間が決まっているバイトや派遣スタッフ、ノマドになり、貧困層は増加。心身を壊す人が増加して、生活保護受給者は加速するでしょう。

グローバル化で先進国の国民には厳しい状況

解雇自由化については、追い出し部屋での不毛なやり取りや、法に触れない範囲で陰湿に退職に追い込む陰険な解雇の実態に鑑みると、導入も検討し得ると思います。

しかし、解雇自由化の上で、更にホワイトカラー・エグゼンプションを導入するのは日本総ブラック化を招くおそれがあるため、それが妥当かは慎重に検討する必要があると思います。

もっとも、「グローバル化によって、日本人は新興国の安い労働力と競争する必要が生じている」、「企業誘致・対日投資の促進の観点から必要」という観点もあるのはわかります。

私は独身ということもあり、24時近辺までの勤務もOKであり、解雇自由化もホワイトカラーエグゼンプションもどちらも構いません。本エントリは、ポジショントークではありません。

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    2013.05.01 Wed l 経済・社会・金融動向 l コメント (4) トラックバック (0) l top
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