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キプロスの議会では、国際支援を受ける条件である銀行預金課税法案が否決されましたね。最終的には、2万ユーロ(約247万円)以下の預金は課税対象外となり、2~10万ユーロの預金に対する税率は6.75%となっていました。日本でかつてあった預金封鎖・財産税はどうだったかを振り返ります。

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日本の財産税の課税率

第二次世界大戦後の財産税は、累進課税方式でした。税率は以下の通りです。
財産税の課税率

キプロスの例、かつての日本の例では、小口預金は保護されました。仮に今後わが国で同様の事態が発生した場合でも小口預金は保護される可能性があるでしょう。

500万以下は課税なし、500~1000万は5%、1000万~2000万は10%、2000万~3000万は15%といった具合に累進的に課税率が上昇していきそうです。


日本の膨大な債務残高はやはり問題がある

日本の財政の持続可能性については諸説ありますが、2020年代は決して楽観できる状況ではないことは確かです。

たまに「債務残高が低くても破綻した国家はある。債務残高と破綻は関係ない。したがって日本の債務残高が高いのは問題ない」という意見があります。確かに、国がデフォルトするのは、国債を返済できない場合、返済の原資となる国債を市場で売れない場合であり、債務残高が低くても破綻することはあります。

しかし、「債務残高が低くて破綻した国家がある、だから債務残高が高くても問題ない」というのは、論理の飛躍があります。信用が低い国家の場合は、自国通貨建ての国債が発行できず、外貨建てで調達せざるを得なく、債務残高が低くても国債が売れずにデフォルトするケースが多いだけの話です。

日経の経済教室に掲載されていた岩本東大教授の論説によると、政府の債務残高のピークがGDP比で60~100%の場合、先進国では破綻は4例、再建は14例、新興国では破綻は12例、回避は2例です。

債務残高が100%を超えると、先進国では破綻は9例、再建は10例であり、新興国では破綻13例、回避0例となっています。債務残高が増えると破綻の可能性は高くなります。金利上昇に弱くなり、脆弱性が高まるのは間違いありません。

日本の場合は自国通貨建て国内債務がほとんどなので、形式的なデフォルトではなく、高インフレによる実質的な債務棒引きになるでしょう。金利上昇で経済がハチャメチャに陥るか、日銀による国債買い支えで金利を抑制する代償としてインフレが加速するかのどちらかであり、後者が選択されると思います。

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対策1:外貨建て資産

たまに「高インフレは戦争のように供給力が破壊された場合しか発生しない」という意見もありますが、残念ながら日本はエネルギー自給国家ではありません。

財政危機時には強烈な円安と、それに伴うインフレが発生することはほぼ確実です。日本はエネルギー・食料の多くを輸入に頼っており、円安に伴い強烈なコストプッシュインフレが発生します。ギリシャやキプロスでインフレが起きていないのは、ひとえにドイツと同じ通貨・ユーロを使用しているからです。

円安による購買力喪失に備えるならば、資産の一部を外貨建てにしておくことが重要です。アベノミクスが成功して、マイルドインフレで落ち着いたとしても、諸外国とのインフレ格差は縮小します。長期的には為替レートは購買力平価で動くため、2012年までのように原則として円高となる基調が転換する可能性もあります。

購買力平価が恒常的に円高方向に動いてきたのが終焉し、円安方向に動くようになる可能性が出てきました。外国株式や外債・外貨を一定程度ポートフォリオに組み込んでおくことは、リスク分散の観点ではわるくないことだと思います。

以下は韓国ウォン/米ドルのチャートです。上に行くほどにウォン安です。通貨危機時はウォンが暴落しました。暴落前に米ドルにしておき、暴落時にウォンに換えたら、大きな成果を上げることができました。

ウォンドル

日本の財政危機時にも同じ動きになる気がします。危機の収束が見えるまでは激しい円安となりますが、「止まない雨はない」「明けない夜はない」です。


対策2:株式

第二次世界大戦後の日本の財産税は、株式は対象外でした。したがって、財政破綻対策として、日本株、特に円安がメリットとなる輸出企業の株を持つことも考えられます。

しかし、2008年に財政破綻したアイスランドでは、株価指数は暴落しました。破綻直前の約3900から約380まで10分の1以下に暴落しています。

アイスランド株価指数

やはり財政破綻のような非常事態には、株価は下落する可能性が高いでしょう。しかし、アイスランドもその後は順調に回復しています。足元では約800まで上昇しており、底値からは2倍を超えています。

アイスランド株価指数2

もし仮に今後わが国が財政危機に陥って株価が暴落したら、不謹慎ですが、もしかするとそこが千載一遇の買いチャンスかもしれません。このアイスランドのチャートは頭に刻み込んでおきます。

財政危機に陥る前には資産を外貨シフトしておき、危機で株価が暴落した後は日本株買いが、有効なストラテジーかもしれないと考えています。

もちろん財政危機に陥らない可能性もあるでしょうし、為替益やキャピタルゲインに対して重税が課せられる可能性もあるでしょう。

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    2013.03.21 Thu l 資産運用の考え方 l コメント (4) トラックバック (0) l top
    コメント
    No title
    いつもながら参考になります。
    m ( _ _ ) m
    やはり対策としては、
    外貨建てのアセット購入、
    具体的には米国債の購入といったところでしょうか?
    しかし、それとて財産税実施となれば、
    蟷螂の斧ですから、
    いまいち安心材料とは言い難いですねえ・・・・・・。
    r(-◎ω◎-) 考え中.....

    2013.03.21 Thu l mushoku2006. URL l 編集
    いつも勉強させてもらってますが、初めてコメントいたします。現在の日本では財政破綻が最大の問題と思っております。お伺いしたいのですが、ウォンが暴落した際は、韓国政府は実際為替差益に重税を課したりしたのでしょうか?
    2013.03.22 Fri l Taro. URL l 編集
    Re: No title
    > mushoku2006 さん

    ありがとうございます!(^^)

    「預金封鎖かインフレのみで、外貨建て資産や株式には手は付けられない」という意見と、「それまで突っ込む危険性がある」という意見がありますね。

    ただ、日本だけに固有の問題ではなく、海外も同様ですから、グローバルの時代といえども、国家の重みはあると思います。

    まだまだ先の話であり、足元ではいいところまで円安が進んでいるので、ここから円高方向に行くことがあったら、少しづつ買いましていきたいかなと思っています。



    2013.03.23 Sat l まつのすけ. URL l 編集
    Re: タイトルなし
    > Taro さん

    IMFの介入によって、支援と引き換えに財政再建、財閥解体・金融機関等の構造改革、通商障壁の自由化、外国資本投資の自由化、企業ガバナンスの透明化、労働市場改革が行われましたね。

    個人に対する課税強化が行われたことは聞いたことがないです。おそらく日本の危機時も米国・IMFの介入によって、徹底的な財政再建、社会制度改革が行われ、危機は終息するというのがメインシナリオだと思います。

    2013.03.23 Sat l まつのすけ. URL l 編集
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