TOP > マーケット雑感・運用状況 > ご覧のページ
Bank of Japan


米国経済の復調や金融政策正常化に対する思惑や、新日銀の次元が異なる金融政策に対する思惑などによって、目下のところ株式市場は絶好調であり、為替は円安が進んでいます。

黒田新総裁のもと、新日銀はどのような政策を打ち出すか、マーケットはどう変動するか。
スポンサーリンク

1.買入等基金の残高目標の引き上げ・自動緩和の前倒し

まずは量で勝負ということで、残高目標を引き上げることが考えられます。岩田理論によると、「日銀残高が80兆円になったらインフレ率2%になる、今のペースだと後3~5年かかる」とのことですが、今のペースだと2013年半ばに80兆円に到達します。

このように数ヶ月を3~5年と間違えるような人物が日銀副総裁というのが、現在の日本です。円の信任を毀損させて円安に導くという点では、効果がある人事なのかもしれませんね。

それはともかくとして、2014年から予定されている自動緩和の前倒しや買入金額の引き上げが考えられます。

世界の中央銀行の最先端の議論では、単純な量よりも質で勝負、すなわち単純な量的緩和ではなく、長期債の購入やMBSの購入、南欧国債の購入などの質が重要という議論になってきています。

しかし、見栄えはありますし、マネタリーベースとマネーストックの区別が付いておらず、単純な量が全てと考えている市場参加者もいますので、そういう参加者への期待に働きかける効果はあるのかもしれません。


2.国債買入年限の延長

これまでの金融緩和において、日銀が市場から買い入れている国債は、満期3年以下の国債です。買い入れる国債の満期を延長することが考えられます。

日銀が買い入れる国債の満期を延ばすと、より長期の金利が下がる効果があります。また、アナウンスメント効果・センチメンタル効果があるかもしれません。


3.社債・ETF・REITの購入額の拡大

これまでの金融緩和において、日銀は、国債以外に社債、ETF、REITなどのリスク資産を買い入れています。これらの購入金額を拡大することが考えられます。

市場の残高の問題もあり、派手に拡大することは難しいと思われます。また、日銀がリスク資産を買い入れると、将来的に損失が発生した場合は、結局は国民負担となり、金融政策ではなく財政政策の領域です。

国会・財務省による損失補てんの容認が必要となるでしょう。安倍首相と自民党は次元の異なる金融緩和を推進する姿勢を見せており、損失補てんを許容する可能性はあります。


4.日銀券ルールの撤廃

現在、日銀は包括緩和とは別枠で、成長通貨の供給の趣旨で、年間約20~22 兆円程度の長期国債の買い切り(輪番オペ)を行っています。この輪番オペについては、日銀券発行残高の範囲内に収める「日銀券ルール」が適用されています。

これは「財政ファイナンスは行わない」という趣旨ですが、インフレ率2%達成が最優先でそのためには何でもするという観点から、日銀券ルールを撤廃することが考えられます。

現在でも、基金オペと輪番オペの残高を合わせると日銀による国債の保有は既に日銀券発行残高を超えているため、日銀券ルールは有名無実化しつつあるのが現状ですが、アナウンスメント効果・センチメンタル効果はあるかもしれません。


5.無限資産膨張

米国のFRBが実施しているQE3は、満期到来債券は再投資することになっているため、打ち切りまでは保有資産の残高が際限なく膨張していきます。

これに対し、現在の日銀の政策は、満期到来債券の再投資を行わないため、2014 年から自動緩和(毎月約13 兆円の国債購入)が始める予定ですが、基金の残高が無制限に増加するわけではありません。

インフレ率2%達成まで、満期が来た債券も再投資して、更に毎月買い入れて、無限に資産残高を膨張させるという手法の導入が考えられます。これはインパクトがある政策だと思います。


6.外債購入

一時は外債購入も議論されていましたが、国際会議でも露骨な自国通貨安誘導の政策は批判されており、難易度が高まっています。

欧州が再炎上して「欧州債を買ってニャ」となったり、米国で戦争やテロが発生したり、債務問題等で米国債の消化が難しくなって「米国債を買えゴルァ」とならない限りは、外債購入は難しい情勢でしょう。


7.当座預金付利の引下げ

現在は0.1%ついている当座預金付利を0%、あるいは0.01%、0.025%、0.05%、0.075%に引き下げることが考えられます。

しかし、0%にするのは、短期金融市場が壊滅してしまうという批判も多く、基金残高の積み上げが難しくなり、無限緩和と両立しなくなるという問題点もあります。あのリフレ帝王・バーナンキFRB議長も否定的な政策です。


まとめ

「ではどうなるか」ですが、1の買入金額の増加、自動緩和の前倒し、2の国債買入年限の延長(5年か10年)、3の社債・ETF・REITの買入金額の拡大は可能性が高いでしょう。

4の日銀券ルールの撤廃は財政ファイナンスを連想させることは否定できませんが、インフレ率2%達成に手段を選ばないというアナウンスメント効果を優先させるために、採用があるかもしれません。

5の無限資産膨張は、黒田氏の主張に親和的と思われますし、「日銀のFRB化」の方向であるため、可能性があると思います。6の外債購入は、欧州再炎上か米国炎上がない限りは、あり得ないでしょう。

7の当座預金付利引き下げについては、0%はないと予想します。0.01%~0.075%に引き下げることはあるかもしれませんが、たとえ行われたとしても、既に短中期ゾーンの国債利回りは極めて低く、金利低下の余地はほとんどないことに鑑みると、大きなインパクトはないと思います。


個人的意見

個人的には、「マリオ・ドラギECB総裁のようなバルーン(別名ハッタリ)をぶち上げて、結果的に1円も使わずに済む」ような方向がベストだと思います。今までの日銀にはこのハッタリ力(緩和策を実態よりも強く見せる見せ方)が足りなかったのは事実です。

ECBは現在のところは、「Believe me」で「OMT導入」という水戸黄門の印籠を発動することで、1ユーロも使わずに危機を沈静化させることができています。ナンパ上手のイタリア男といった感じですね。

クロちゃんが「信じろでおじゃる!」と絶叫して、目新しい枠組みをぶち上げて、「JMK」(Japan Muteki Kanwa)のような名称をつけて、「最大ではとてつもない緩和をするけど、当面はスローペース」として、結果的にそこまですることなく経済がアゲアゲとなってメデタシメデタシとなればいいと思います。そんな上手く行かないでしょうが・・・

シャイで真面目で甘い言葉をささやくのが苦手な日本男から、口からでまかせを駆使して女心をつかむ「イタリア男化」することが新日銀には求められています。約70歳にしてアレ系パーティー・ブンガブンガでやりたい放題というベルルスコーニ・イズムです。


マーケットはどう動くか

海外勢を中心として、新日銀に対する期待が尋常ではない程に高まっている状況を考慮すると、よほど激しい金融緩和を発表しない限り、期待で買われて現実で売られる材料出尽くしとなると思います。

しかし、国債の買入年限の20年への拡大、無限資産膨張の導入、毎月の買入額の大きな増額、株式・REITの時価総額の5~10%の購入など、海外勢が囁いているようなインパクト特大ボンバーマンな緩和策が発表された場合は、更なる株高・円安の可能性もあるでしょう。

注目点としては、国債の買入年限が何年まで拡大するか、無限資産膨張が導入されるか、買入額がいくら増加するか、2014年からの毎月自動買入が前倒しされるか、株式・REITの過激な買入があるかなどでしょう。

4月4日(あるいはそれ以前に臨時会合が開催された場合はその日)の発表には、大いなる注視を払い、その後の市場のトレンドに順張りでついていきたいと思います。壮大な相場になるという意見も増えてきましたね。

スポンサーリンク

Google+で売買報告や限定投稿を配信しています!


関連記事

    2013.03.10 Sun l マーケット雑感・運用状況 l コメント (2) トラックバック (0) l top
    コメント
    No title
    >>「JMK」(Japan Muteki Kanwa)

    Very! (* ̄▽ ̄)db( ̄▽ ̄*) Good!!
    素晴らしいネーミングです。

    >>シャイで真面目で甘い言葉をささやくのが苦手な日本男から

    白川さんは、やってることはまともでしたが、
    生真面目すぎて、
    マーケットとのコミュニケーション的には、
    いまいちでしたもんねえ・・・・・・。
    ( ┰_┰) シクシク
    2013.03.11 Mon l mushoku2006. URL l 編集
    Re: No title
    ありがとうございます!

    白川さんは言ってることは正論なんですけど、「ここでいちいち言わんでええでしょ、そういうのは引退してからたっぷり語って」って場面が多かったですね(^^;)


    2013.03.11 Mon l まつのすけ. URL l 編集
    コメントの投稿











    トラックバック
    トラックバック URL
    http://thegoalnext.blog.fc2.com/tb.php/844-a3bc719b
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)