TOP > 経済・社会・金融動向 > ご覧のページ


※「ブラックジャックによろしく」より (著者:佐藤秀峰、サイト:漫画 on web、URL:http://mangaonweb.com)

ダイヤモンド・オンラインと、最近「いつかはゆかし」がネットで絶賛話題になっているアブラハムの「海外投資新聞」に、新日銀副総裁の岩田規久男氏が登場していました。話を見ていると、少々頭がクラクラして来ました。

スポンサーリンク

岩田規久男氏の言説は驚異的に芳醇な香りを放っており、圧倒的なAAA格のゆかしでした。あまりに昂然たる荘厳な威風にリンクを張るのも畏れ多いため、URLのみとさせていただきます。

【特別インタビュー】岩田規久男・学習院大学教授「日銀は2%インフレ目標にコミットすべし。わが金融政策のすべてを語ろう」
http://diamond.jp/articles/-/32697

インフレ率2%は来年半ばに達成可能=学習院大学岩田規久男教授
http://media.yucasee.jp/offshore-news/columns


経済の潜在成長と物価は無関係??

岩田規久男氏:『政府の成長戦略には、経済の潜在成長率を押し上げる効果があっても、物価を上げる効果はない』

いやあ、成長戦略で潜在成長率が上がることで、物価も上がるというのが常識だと思います。岩田規久男大先生によると、潜在成長率と物価は無関係であり、成長率が上がっても物価は上がらないようです。

普通のリフレ派は「物価が上がったら成長率も上がる」と主張しているわけで、そのために物価を上げようとしてるわけです。「成長率が押し上がっても、物価は上がらない」という主張は異次元ですね。

1980~1990年の日本の実質成長率は概ね4~6%程度であり、インフレ率はオイルショック後を除くと概ね1~3%程度でした。バブル崩壊後から2012年までは、実質成長率は概ね0~2%程度でありインフレ率は概ね-0.5%~1%程度でした。

経済成長とインフレ率はある程度は相関しています。問題は因果関係であり、「経済成長→インフレ率上昇」と主張している総合政策派と「インフレ率上昇→経済成長」と主張しているリフレ派が対立している構図です。

しかし、岩田規久男大明神によると、経済成長とインフレ率は関係ない・・・。次元が異なる日銀副総裁になりそうです。

実質経済成長率の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳


インフレ率(年平均値)の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳


妄想が止まらない

岩田規久男氏:『消費者物価の上昇を引き起こす要因の大部分は賃金の上昇によるものなので、そもそも賃金が上がらずに物価だけが大きく上がることは考えにくい。一方、デフレ下では、物価よりも賃金の下落のほうが激しい。』『格差の最大の要因は、雇用を減少させるデフレです。』

以前に述べたように、「デフレ下では、物価よりも賃金の下落のほうが激しい」は誤りです。賃金とインフレ率には相関はありません。インフレ率と失業率も無関係です。


壮大な事実誤認 or 無能

岩田規久男氏:『インフレ率を2%にするためには、日銀当座預金を昨年末の約40兆円の倍、70~80兆円にすべきだ。 今の日銀の当座預金の増やし方のペースをみると、インフレ率が2%になるには早くても3年程度かかる。予想インフレ率と当座預金との関係には時期によって違いがあるので推測には幅があるが、今のペースでは遅ければ5年程度かかるだろう。』

岩田氏によると、当座預金残高80兆円でインフレ率2%が達成できるようです。その一方、今のペースでは3~5年かかると言っています。

しかし、今の金融緩和が目標通りに行くと、当座預金残高は2013年末までに80~90兆円程度には到達します。残高80兆円でインフレ率2%になるなら、今のペースで自然体で進むと2013年末にはインフレ率2%になってしまいます。

岩田規久男氏は、日銀の今の金融政策を根本的に事実誤認しているのか、もしくは理解する能力がないか、算数の計算に不自由なのかのいずれかです。どれにしてもヤバイとしか言いようがありません


もはや意味不明

岩田規久男氏:『インフレ期待が生じたときには、民間は長期国債をもっていると価格リスクが大きくなるので持ちたくなくなる。そういう時にこそ、民間が持てなくなる長期国債を買ってあげるのが流動性を供給する中央銀行の役割だ』

FRB等が長めの債券を買い入れているのは、デフレ期待が生じていて、デフレに落ち込むのを回避するために長期国債を買い入れて金利を抑えて、経済成長を促してインフレ期待を生じさせるのが趣旨です。

つまり、デフレ期待を回避してインフレ期待を生じさせるために長期国債を買うというのが正解です。米国のQEは金利を引き下げるために行われていますけれども、むしろQEの実施によって金利は上がっています。金融緩和が成功して経済活性化・インフレ期待が生じた結果として、金利が上昇した場合は特に問題ありません。

インフレ期待が生じた時に中央銀行が長期国債を買い入れたら、インフレ期待が更に高まって「火に燃料投下」となって炎上を加速させることになると思いますが、ここら辺の認識が非常に危ういです。


岩田規久男・日銀総裁は悪い冗談。日本は救われた。

話を見ていると、岩田規久男氏は到底日銀総裁の器とは言えず、もしそれが実現していたら、正真正銘の悪い冗談でした。副総裁でも、論外の外だと個人的には思います。

岩田規久男氏のような人物が「俺様はリフレ派」とドヤ顔をしているせいで、リフレ政策の信頼性が毀損してしまい、反リフレ派のツッコミを呼んでしまいます。岩田規久男氏の言説はリフレ派にとっても好ましくないと個人的には思います。

日銀総裁に岩田氏ではなく、真っ当なリフレ派の黒田氏が就任したのは非常に良かったと思います。黒田新総裁がどのような金融緩和を行なっていくのか、非常に注目ですね。

スポンサーリンク

Google+で売買報告や限定投稿を配信しています!


関連記事

    2013.03.04 Mon l 経済・社会・金融動向 l コメント (6) トラックバック (0) l top
    トラックバック
    トラックバック URL
    http://thegoalnext.blog.fc2.com/tb.php/839-eda274be
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)