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Ministry of Finance

物価連動国債の発行再開が報道されました。政府の意図、投資する立場での物価連動国債の商品性、注意点、有利・不利な点についてご質問をいただきました。
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わが国の政府の意図

日本政府の物価連動国債発行の意図は、国債の種類を多様化させて、投資家の多様なニーズに即した債券を発行することによって、国債の円滑な消化を図ることだと思います。

現在の国債利回りは、歴史的な低水準となっています。新政権のもとでリフレ政策が採られており、市場参加者は、今後の金利上昇リスク・インフレ率上昇の可能性を意識していると思います。

こうした状況下、物価連動国債のニーズが今後上昇することが考えられますので、リーマン・ショック後に発行がストップしていた物価連動国債を再発行することにしたのでしょう。


物価連動国債とは

物価連動国債は、インフレ率(参照消費者物価指数)に応じて満期に返済される金額と金利が変動する国債です。表面利率は固定ですが、計算基礎となる元本額が増加するので金利も増加します。

消費者物価指数が上昇すると、受け取る金利も満期償還金も増加します。他方、元本保証はないので、デフレが続いた場合は元本割れもあり得ます。

現時点では、個人が直接物価連動国債を購入することはできません。物価連動国債に投資するとなると、MHAM物価連動国債ファンド等の投資信託を利用することになります。


物価連動国債のリスク・注意点

物価連動国債には、主に3つのリスクがあります。

物価変動リスク

物価の下落があると、物価連動国債の元本や金利は減少します。投信の場合は、基準価額の下落要因となります。将来の物価変動に対する市場の予想の変化も、物価連動国債の市場価格に影響を及ぼします。

ちなみにブレークイーブンインフレ率(10年利付国債複利利回り-10年物価連動国債複利利回り)という指標があり、物価連動国債が織込んでいる物価上昇率(年率)を示します。

それは現在、1%弱まで上昇してきています。ただし、市場規模が大きくない物価連動国債の利回りがベースになっているので、日本全体の物価上昇予測を示しているわけではありません。

財務省Webサイトの図によると、リーマン・ショックがあった時期にデフレ予想になり、2012年初頭にインフレ予想に転じています。ピンクで囲った時期がインフレ予想、茶色がデフレ予想です。

ブレークイーブン・インフレ率
財務省Webサイトより。クリックで拡大)

金利変動リスク

金利が上昇すると債券価格は下落します。これは物価連動国債も同じです。投信の場合は、基準価格が下落します。

実は金利変動の影響は大きく、例えばMHAM物価連動国債ファンドは、基準価格の設定来変動の約71.5%が金利の変動によるものです。

したがって、インフレ率が上昇しても、日本国への信認が失われて国債利回りが大きく上昇してしまう場合は、物価連動国債の価格もインフレによる上昇よりも大きく下落してしまう可能性があります。

流動性リスク

物価連動国債の市場での流動性が失われて、価格が暴落するようなケースでは、投信の場合は基準価額が下落する要因となる場合があります。

実際にリーマン・ショック以降、金融市場の混乱から外国人投資家が物価連動債を投売りしたことによって、流動性が極端に低下した状態がありました。上の図で言うと3~4.5%近くまで上昇した時期です。

この時期は投信の基準価格も暴落しています。もし今後、個人向け物価連動国債が発行された場合は、流動性リスクを意識しなくてよいような商品設計になる可能性もありそうです。


物価連動国債のメリット

物価連動国債に投資するメリットとしては、第一にインフレヘッジ機能が挙げられます。

また、普通の日本国債とは価格の値動きが異なるので、資産の一部に組み入れることで、分散投資によるリスク分散効果を期待できるかもしれません。

現状では個人は投信しか投資手段がなく、信託報酬も高いように感じるため、現時点では妙味が薄いと思います。インフレヘッジが主旨であれば、よりダイレクトな株・REIT・外貨建て資産などでいいと思います。

ただし、今後、個人向け物価連動国債が発行されるようになったら、有力な投資対象のひとつになる可能性があるでしょう。インフレ率が本格的に上昇して、2%前後が定着するようになったら、個人向け物価連動国債の発行があるかもしれませんね。

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    2013.01.30 Wed l 資産運用の考え方 l コメント (6) トラックバック (0) l top
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