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次期首相の可能性が高い安倍氏が、「日銀法改正」、「日銀による建設国債の全額引受け」、「無制限の緩和」、「2~3%のインフレ目標」、「雇用の安定も金融政策の運営目標に位置づける」などの発言をして、円安・株高が進みました。 今後のシナリオとして、大きく分けて2つの展開を想定します。

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メインシナリオ~ソフトランディング

選挙前は歯切れが良く勇ましい発言・公約を述べるのが一般的です。前回の日本の選挙もそうでしたし、諸外国でも、選挙前に言ってたことがトーンダウンされ、言ってなかったことを始めることはあります。

今は安倍氏は経済・金融政策に前のめりになっていますが、政権奪取後はトーンダウンするのがメインシナリオと考えています。債券市場が大きな反応を見せていないことから、おそらく市場の多数派も同じように考えていると思います。

そもそも論として、安倍氏の得意分野は安全保障や憲法といった分野であり、経済・金融政策については明るくありません。ありとあらゆる分野に精通しているスーパーマンはいないわけであり、知識が乏しい分野では、その道の専門家、いわゆる有識者・政策ブレーンに頼ることになります。

今は安倍氏の側にいるブレーンが"あっち"の方だったということでしょう。安倍氏はこの分野には強い拘り・思い入れがあるわけではなく、TPPや原発に選挙の争点が当たるのを避けるために、一般人がよくわからない分野で、とりあえず日銀を叩いていればOKでやりやすい経済・金融政策について争点化を図ったという説がもっともらしいです。

日銀法改正や日銀の国債引受けまで踏み込まず、更なる金融緩和の強化くらいにソフトランディングした場合は、一時的に株高・円安が進み、それ以降は世界経済の動向・日本企業の業績次第という展開になりそうです。

現在の日経平均は9,222.52円であり、PBR0.97倍、予想PER14.61倍、予想配当利回り2.10%です。これは諸外国に比べて割安というわけではありません。

そう考えると上値余地は限られていそうですが、思惑やボラティリティで短期的に株価が大きく動くことはあります。株価の高値目安のひとつはPER20倍でしょう。

日本は長らくPERが鬼のように高い時期が続いていましたが、先進国では一般的にPER20倍を超えたら、それ以降のパフォーマンスは芳しくない傾向にあります。

もし仮にPER約20倍の12,500近辺まで上昇したら、保有株を売却して日本株のウエイトを落とします。


サブシナリオ~日銀法改正・日銀の国債引受け

安倍氏が現在の主張を撤回せずに本当で推し進めた場合は、大いなる不確実性が生まれます。日本の存亡をかけた政策運営になるでしょう。

日銀の国債引受で無限金融緩和となり、日銀が国債の買い入れを無限に増やしていき、200兆円の国土強靭化等で財政赤字が拡大し、民間に提供される国債+貨幣の総額が増加することになります。財政赤字の拡大に日銀が協力することになり、いわゆる「財政ファイナンス」、「マネタイゼーション」となります。

既に新規発行の国債のかなりの部分を日銀が買い入れている状況です。更に財政赤字を拡大させて、更に日銀の財政ファイナンスが拡大することはインフレ要因となります。

財政赤字・政府債務残高は拡大の一途を辿る可能性が高い状況でインフレ傾向が始まると、それを抑えるのは至難の業となります。インフレ率が3%を超えれば引き締めれば良いという意見もありますが、そうしたら経済に悪影響が出て、1990年のバブル崩壊時の金融引締めのようになってしまうでしょう。

本来のデフレ脱却とは、需要の増加等による経済の活性化や期待成長率の上昇によって、期待インフレ率が高まる結果もたらされるのが正規ルートです。それが難しい中でデフレ脱却を行うのなら、財政ファイナンスをせざるを得ません。

しかし、そうした手段でのデフレ脱却後に待ち構えているのは、スタグフレーション(高インフレ+経済低迷)となる可能性もあるでしょう。長期金利の上昇も懸念されます。

とにかくインフレにしたらすべてが上手く行くというのは儚い蜃気楼であり、好景気にはインフレが伴いますが、インフレには好景気が伴うとは限りません。スタグフレーションという高インフレ・経済ボロボロの現象は、既に歴史的経験がある話です。また、今のイギリスを見てみましょうという話です。

FRBやECBが国債等の大規模な購入に踏み切れて、それでも長期金利が上昇しないのは、財政規律への信認があるからです。日本で日銀法改正・日銀の国債引受・財政支出拡大を本当にやり始めたら、財政規律への信認についてどう評価されるか。

この場合は歴史的な転換点になる可能性があり、外貨建て資産・実物資産へのシフトが重要になってくるでしょう。最初のうちは株高・マイルド円安になるでしょう。

しかし、やがて誰も円を持ちたがらなくなり、円が加速度的に下落し始めて資本が流出し、株式・円・債券のトリプル安になる恐れもあります。いつかのドイツです。成り行き次第では、海外へ資産を移すこと、更には「非居住者」になること等の対策まで踏み込む必要が出てくるかもしれません。それができるのは一部の人に限られます。

中国の富裕層(本人名義で1000万元以上の資産保有者)は資産の19%を国外に保有しており、富裕層の44%は海外移住を検討していると述べているマーケティング企業もあります。日本でも同様の現象が起きるかもしれません。

しかし、消費税を増税で財政引き締めをしつつ、大規模公共事業で財政緩和をするという「股裂き」ないし「両建て」のような策よりかは、消費税や法人税を0%にして、企業の誘致・投資や消費の活性化を目指す方がいいような気がします。

一か八かのギャンブルをするのなら、法人税0%で一発逆転を狙うのはどうなんでしょうか・・・税務署の雇用と国税庁OBの飯の種が大事なので無理ですね。なら法人税10%フラットはどうでしょうか。財源は「無限緩和」で!!

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    2012.11.21 Wed l 経済・社会・金融動向 l コメント (4) トラックバック (0) l top
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