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Cadillac

各党が公約でTPPに言及していますが、選挙の争点からは外れつつある感があります。TPPで非常に重要なのは、日本に有利な条件を勝ち取らなければならない点だと思います。

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定量化は難しいと思いますが、参加によるメリットと不参加によるデメリットを比較考慮して、総合的に国益に資するかという観点で参加の是非は決定する必要があるでしょう。

また、わが国に有利な条件を勝ち取れるように、交渉するのが重要。日本は外交力が弱く、ことごとく不利な条件を飲まされることが多いです。

今も思い出されるのは、医療保険などの第三分野保険の自由化問題です。

1974年、米国のアメリカンファミリー生命保険(アフラック)が日本での営業を開始しました。第三分野保険は外資に独占させるという政策の下で、第三分野の保険を日本の生損保が取り扱う事は、規制によって禁止されていました。

時は流れて1996年、諸々の規制緩和がされた新保険業法が施行され、生保と損保の相互参入が可能となりました。同法は日本の保険会社による第三分野保険への参入も可能とするはずでした。

しかし、外資系保険会社の既得権益の保護に血眼になっていた米国との協議の結果、第三分野における外資の独占は、2001年まで延長されてしまいました。

2001年には、外資独占撤廃の期限を迎えたにもかかわらず、米国の要求によって大手損保の市場参入については更に半年遅れとなりました。

この問題に象徴されるように、米国は他国に自由化・規制緩和を要求しておきながら、自国に不利な点に関しては自由化・規制緩和を遅らせるという2枚舌なわけです。

今回のTPPでも自国に有利なルールを勝ち取ろうと熾烈なせめぎ合いが起きています。

・米国は、乳製品や砂糖を関税撤廃の例外扱いとすることを主張。また、日本に対しては、「自動車の税制や流通慣行が非関税障壁となり、輸入車が不利な扱いを受けている」などとして対応を要請
・カナダは、高関税で国内農家を保護している乳製品や鶏肉を関税撤廃の例外とするよう主張。
・乳製品の輸出国であるニュージーランドは、「北米に輸出する農産物の関税が撤廃されない限り、TPPに署名しない」と主張

米国の日本に対する「自動車の税制や流通慣行が非関税障壁となり、輸入車が不利な扱いを受けている」キタコレという感じです。永遠に同じ事言ってますね。1990年代半ばには、米側が日本に米車販売の数値目標を要望し、要求の一部を受け入れたことがあります。

メルセデスやBMWやアウディ、フォルクスワーゲンなどは日本でもよく売れてるとしかいいようがないですし、それを言うなら、米国に対して他国は「米国の流通慣行が非関税障壁となり、輸入乳製品や砂糖が不利な扱いを受けている」と言えてしまいます。

TPP熱烈歓迎だった自動車業界が、米国のゴリ押しで煮え湯を飲まされる事態になったら、ブーメラン君としか言いようがありません。同情の余地なし。米国が日本に強く要求している事項は実現する可能性が高い傾向にあります。かつては年次改革要望書を見たら、日本の未来を予測できました。今回はどうなるか。

もしTPPの交渉に参加するのであれば、わが国に有利なルールを勝ち取れるように戦略を立て、結果が芳しくない場合は撤退もありでしょう。こういう国際交渉はまさに民にはできず、官にしかできない分野であり、政治家・官僚の方々には頑張っていただきたいと思います。

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    2012.12.12 Wed l 経済・社会・金融動向 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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