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金融緩和で懸念される副作用はまだ遥か先

日銀が2ヶ月連続で追加緩和を行いました。資産買入等の基金を11兆円増額しました。増額の内訳は、長期国債5兆円、国庫短期証券5兆円、CP1000億円、社債3000億円、ETF5000億円、J-REIT100億円でした。

また、貸出増加を支援するための資金供給の枠組み(貸出支援基金)を発表しました。「金融機関の一段と積極的な行動と企業や家計の前向きな資金需要の増加を促す観点から、金融機関の貸出増加額について、希望に応じてその全額を低利・長期で資金供給する。資金供給の総額の上限は設定せず、無制限とする」そうです。

金融緩和で懸念される副作用としては、インフレ・通貨安・長期金利上昇・バブル生成などが挙げられます。現在の日本は、デフレ・通貨高であり、バブルのバの字も見えない状況です。したがって、現在は金融緩和を積極的に進めることが可能な状況だと思います。インフレ・通貨安・資産バブルになるまでは、無限に金融緩和できると思います。長期金利が上がった場合は、金融抑圧ですね。

問題は、次にインフレ率が1~2%になった時に経済が良い状態になっているか、スタグフレーション的な状況になってしまうか。また、これ以上の金融緩和がテクニカル的に難しくなってきている点。


ETF・REIT増額は◎。ただ、残高の問題

ETF・REITの増額は高く評価できると思います。米国は不動産、欧州は南欧国債がネックになっており、何としてもこれらのリスクプレミアムを縮小させて、資産価格を上げて、経済に波及させたいという状況だと思います。

日本では特定のリスク資産がヤバイという状況ではありません。むしろ、リスクテイク全般に問題を抱えているような印象があります。株価が上昇したら、社会・経済の血液である金融機関の体力が上昇しますし、リスク資産の価格上昇で消費・投資意欲も上昇します。

したがって、リスクテイクの象徴である株式・不動産の価格を表しているETF・REITの購入というのは、良い策だと思います。「中央銀行がそんなもん買い入れていいのか」というのは100%正論ですけれども、今の状況下では大胆な策を執るのはわかります。

しかし、ETFとREITは残高が限られているという問題があり、無限に増額していくというのは難しいです。基金拡大は、国債がメインとならざるを得ません。

では国債の増額はどういう状況かというと・・・

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なんと国債買入れ増額が難しいという悲鳴。それで増税?

長期国債の買入れ額が増加の一途を辿っており、購入対象の残存期間3年以内の国債をこれ以上増額するのは難しくなる事態になり得ます。事実上の購入対象である2年新発債の発行は毎月2兆7000億円であり、ここが上限となってしまう可能性があるそうです。長期債の増額は後5兆~10超弱が限界という意見があります。

南欧からするとなんとも嬉しすぎる悩みですね(笑)
これ以上更に国債買い入れを増やすとなると、やがて買入対象の国債の年限を5年等に伸ばすことも検討せざるを得なくなりそうです。

「事実上の財政ファイナンスでないか」という意見が出るところであり、それは否定出来ない領域に徐々に進みつつある気がします。ただ、現在はデフレ&通貨高であり、無理矢理にでもそれから脱却しようとするならば、バンバン行くしかないでしょう。

こういう状況で、「財政破綻寸前」という理由で復興増税・消費税増税というデフレ政策・通貨高政策を繰り広げておきながら、「デフレ脱却だお!円安だお!日銀は国債もっと買えゴルア」っていうのは、正直よくわからないところです。


インフレ率2%まで無限にデフレ脱却給付金

そんなにデフレ脱却したくてインフレ率1%ではダメで2%マストなら、インフレ率2%まで無限にデフレ脱却給付金を支給するなんてのはどうですかね。例えば、国民一人あたり毎年30万円を、インフレ率2%まで無限に支給するという政策です。

貯蓄されてしまうと乗数効果が下がる懸念があるので、その給付金の有効期限を1年とすれば、確実に消費されます。経費回復・デフレ脱却に強烈な効果があると思います。ただ、それを実施するための経費が多くかかりすぎるという問題はあるでしょうね。

少なくても、デフレ脱却・通貨安を叫びながら、デフレ・通貨高をもたらす政策を盛大に繰り広げる論理矛盾は止めて頂きたいと思います。

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    2012.10.30 Tue l 経済・社会・金融動向 l コメント (2) トラックバック (0) l top
    コメント
    No title
    日銀による金融緩和には、
    とっくに限界が来ていると思っています。
    それなのに、日銀に責任を押し付けるのは、
    「逃避」でしかないと。

    かと言って、財政を見れば、
    増税は避けられないところだと思います。

    私が勝手に思っていることなんですが、
    今の状況は全然不況でもなんでもない。
    今までが良すぎたので、
    日本人全体の目線が上がり過ぎて、
    実力以上のものを望んでいるのではないか?と。
    2012.10.31 Wed l mushoku2006. URL l 編集
    Re: No title
    趣旨に同感です。インフレ率を上げればすべてがバラ色になるというのはどうかなと思います。また、インフレになったら、デフレ下で安定消化されていた国債の需給にたいする懸念もあるるかもしれません。

    ただ、日本の社会制度はマイルドインフレを前提としており、デフレだと辛いのも確かで、そこのせめぎあいですね。

    2012.10.31 Wed l まつのすけ. URL l 編集
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