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国会議事堂


厚生年金基金制度を10年かけて廃止する案が報道されました。 財政難で自助努力で公的年金部分の積立不足を自助努力で解消できない場合、厚生年金保険料で穴埋めするとのことです。

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自助努力をした企業が馬鹿を見る

「母体企業の自助努力で穴埋めしきれない場合」は、全く無関係の他者の保険料で穴埋めしてしまうという点がやはり気にかかります。過去に公的年金部分を返上した厚生年金基金は自己負担で損失を補填しており、連鎖倒産した例もあります。それとの整合性はどうするのでしょうか。自助努力で積み立て不足を解消してきた企業は一体全体何だったのでしょうか。

これは例えば、「銀行がお金を貸した企業が資金繰りに困って無理に返済を迫ると破綻しかねないので、銀行の預金者の預金を薄く広く減額して、それで穴埋めしお!」という無茶ぶりと同じです。

もしくは、「生保の貸付金が焦げ付きそうになり、回収しようとすると相手先が破綻する懸念があるので、生保の年金保険加入者の積立金を薄く広くカットして、それで穴埋めでおじゃる!」という無理筋と似ています。

訳の分からない話であり、厚生年金保険料で穴埋めするのではなく、母体企業へ超低金利で公的に貸しつけるという形をとるのが筋でしょう。

こういうことを平気でできるという事実を改めて見ると、やはり個人の時代だグローバルだと言っても、国の力は凄いなと再認識します。わが国は、官公庁が「弱者」と認定した企業・人はウマーであり、官公庁の予算で潤う企業・人もウマーです。もちろん日本だけがダメではなくて、他にもっととんでもない国はたくさんあります。


年金は国民の権利・社会保険ではなく、思し召し

「助けねばならんと官公庁が認定した企業の損失の穴埋めをどうするか」という問題では、かつては金融機関の債権放棄が専売特許であり、徳政令を迫られていました。ついにそれが公的年金にも及ぶのかと思うと、感慨深いものがあります。

ここから導き出される帰結は、「官公庁は年金を国民の権利とも社会保険とも思ってなく、思し召しという位置付けであり、官公庁の意思によってどうにでもなる」ということです。

将来わが国の財政が危機的状況になったら、公的年金の積立金は国有化されるというアルゼンチンのようなことが起こると想像してしまいますね。F巻のような日本破綻芸人にまた騒ぐネタを付与してしまうかと思うと、切なさが込みあげてきます。


今後の年金制度について

なお、厚生年金基金廃止の方向性はいいと思います。役人や企業の天下りポストを確保するという観点では◎でしたが、有象無象の小さな基金が乱立しているのは非効率この上ありません。

個人的には、厚生年金と共済年金・各種3階建ての年金を全廃して、全国民同一の制度(国民年金+確定拠出年金・個人型)に移行するのがいいと思います。人が一生涯同じ仕事を続けることを前提とした今の制度は、中世のギルド的であり、時代の変化に追いついてなく、制度疲労に陥っていると思います。

これまで積み立ててきた2階建て・3階建て部分については、確定拠出年金の残高に反映させるという形を取れば、財産権の侵害には当たらないと思います。また、企業が従業員に充実した福利厚生を提供したいというのであれば、確定拠出年金(個人型)の残高に企業が拠出できる仕組みにすれば、問題ありません。

「会社はオワコン」などという妄言はHorseDeer丸出しですが、個人の年金制度までが会社に組み込まれて、転職・独立が不利になったりしてしまうのは、徐々に雇用が流動化してきている現代社会にそぐわないと思います。

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    2012.11.07 Wed l 経済・社会・金融動向 l コメント (1) トラックバック (0) l top
    コメント
    電波芸人万歳
    日本は弱者認定された人にやさしく強者認定されると厳しいという点は大賛成です。年金がこれなら、将来資産税を弱者保護を名目にされる日も近いでしょう。
    f巻さんは本がさらにうれそうですね
    2012.11.08 Thu l ペンギン. URL l 編集
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