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最近、「マイナス金利政策を採るべき」という意見がメディアで目につきます。8月にはデンマークでマイナス金利政策が導入されましたね。

オールド・ノーマルでは金利の下限は0%であり、インフレ率がなかなか上がらない場合は、実質金利が高止まってしまうため、経済活発化のためにマイナス金利が提唱されています。

趣旨はわかります。しかし、これには副作用があり、場合によっては資本逃避が加速し、国債市場に大きな影響を及ぼしかねないため、慎重な議論が必要だと思います。

日本の準備預金制度では、金融機関(銀行・信託銀・預金残高が多い信用金庫等)は、預金×準備率の金額を日銀当座預金に積み立てることが義務付けられています。

日本でマイナス金利政策が採られた場合、この民間銀行が預ける日銀当座預金の金利がマイナスになることで、国債金利・貸出金利・住宅ローン金利などを更に押し下げ、銀行預金に手数料等が発生する可能性があります。

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マイナス金利で具体的にどうなるか

毎月分配型投資信託がメチャメチャ売れていることに象徴されるように、日本人は直利に対する感応度が高い傾向にあると思われます。

したがって、銀行預金のマイナス金利・口座手数料・租税など何らかの形でマイナス預金的な制度が導入されたら、資産が目減りすることに対する抵抗は凄まじく、全国で大々的に対策が講じられることになるでしょう。メディアやネットでも対策が具体的に報じられるのは確実です。

銀行預金から流出する先の候補としては、以下のようなものが挙げられます。


流出先(1)消費

マイナス金利になったら貯蓄がバカらしくなり、預金が消費へと向かうという言論もあります。しかし、日本人気質を考えると、そう単純には行かない気もします。

マイナス金利は株式・不動産などのリスク資産への価格には追い風ですが、リスク資産を保持していない国民の方が多数です。抵抗がある人も多いです。

そうした中で安全資産の投資利回りが低下すると、その分だけ老後の必要資金が高まるため、これまでよりもより一層、貯蓄を増やす可能性が出てきます。負債の割引率が低下すると負債の実質価値が高くなり、その分だけ資産を積み増す必要が出てきます。

生保・年金基金で例えると、安全資産の運用利回り低下によって、予定利率を下げて、保険料・掛金を増やさざるを得なくなるのと似たようなイメージです。


流出先(2)タンス預金・貸金庫

最も手っ取り早いのはタンス預金ですが、震災・窃盗・強盗などによる滅失リスクが増加するため、それ程は増えないでしょう。それよりも、貸金庫の需要が増加するかもしれません。

マイナス金利による預金手数料次第では、信頼性が高い業者の貸金庫へのシフトが起こるかもしれません。これによる副作用は銀行預金の減少に伴い、国債購入原資が減ることで、日本国債の安定消化に悪影響が出ることです。

国際需給に悪影響が及び、長期金利が上がってしまっては元も子もありません。


流出先(3)個人向け国債

個人向け国債は最低金利(0.05%)が保証されているため、これが最も有力な候補かもしれません。変動10年の場合は、金利上昇にもついていけるため、変動10年へのシフトが大々的に発生する可能性が高そうです。


流出先(4)株式・外貨建て資産・不動産

マイナス金利は素直に考えると景気刺激効果・リスク資産価格上昇効果・通貨安効果があり、銀行預金の一部がこうしたリスク資産にシフトする可能性もあるか。

昨今の根強いFXブームを見ていると、外貨・外債へのシフトが増えるかもしれません。住宅ローンの金利次第では、住宅の購入が増える可能性もあるかもしれません。


流出先(5)キャピタルフライト

とうとう日本政府は狂い出したかということで、資本逃避が進んでしまう恐れもあるでしょう。これが最も憂慮される事態です。日本国内で外貨投資をする分には日本の金融機関の収益になりますが、海外に逃げてしまったらそれもありません。

インターネットの普及によって、海外の金融機関へのアクセスの壁は格段に低くなっており、バンク・オブ・ハワイやHSBC香港、ファーストレード証券などは日本でも比較的メジャーです。

ハワイ旅行に行ったついでにバンク・オブ・ハワイに口座開いてドル預金でもするかというのは、決してハードルが高い訳ではありません。

銀行預金のマイナス金利なら、個人向け国債などの逃げ道があるためまだいいかもしれませんが、財産税が導入されたら、キャピタルフライトは加速するでしょう。したがって、財産税は導入するべきではないと考えています。インパクトの大きさを考えると、財産税ではなく、運用収益への課税強化(税率アップ)に留めるべきでしょう。


私自身の対応

私自身は、マイナス金利が導入されても、やることは今と変わりません。インデックス投信・ETF、優待投資、異業者間FX両建て、IPO、短期トレーディングなどです。

金融資産のほとんどは証券会社の口座にあり、銀行預金はあまりありません。

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    2012.10.07 Sun l 経済・社会・金融動向 l コメント (5) トラックバック (0) l top
    コメント
    新時代突入ですかね
    こんにちは。
    マイナス金利なんていう案も浮上しているんですね。
    知らなかったです。
    安全なはずの預金が「お金を取る商品」に完全に移行し、大抵の人が嫌う「お金が減る」という現象が起こる。
    マイナス金利が実現すれば、混乱から不合理な選択をして損をする人が増える。
    また、そういう混乱を利用して金儲けをしようとする人も増える。
    いろんな懸念はあるでしょうが、状況を正しく理解して行動する必要があるでしょうね。
    無駄に混乱して、無駄な損失を招く。
    そんな人が出ないことを祈るばかりです。
    2012.10.08 Mon l ケントマン. URL l 編集
    Re: 新時代突入ですかね
    今までの常識が覆るので、冷静に状況を把握して、クールな判断を下したいところですよね。
    恐怖心を煽って、変な商売をする輩も出てきそうです。
    情報収集と適切な判断をできずに、損をするような人が多くないといいですよね。
    2012.10.08 Mon l まつのすけ. URL l 編集
    No title
    マイナス金利、言われてみれば、
    そんなプランも耳にしたこともあるような・・・・・・。
    正直言って、
    流石に現実的ではないだろうと、
    深く検討したことがなかったです。
    ちょっと頭の片隅において、
    シュミレーションしておこうかな?
    しかし、私の預貯金が半年分くらいの生活費ぐらいだから、
    直接的な影響ではなく、
    間接的な影響についてですが。
    2012.10.14 Sun l mushoku2006. URL l 編集
    Re: No title
    影響が大きいので、導入はまだまだ先だと思います。
    ただ、フジマ○などの色物系の方が唱えていました。日経はフジマ○なんて使わないほうがいいのにと思いました^^;
    2012.10.14 Sun l まつのすけ. URL l 編集
    No title
    まつのすけさんの危惧が、
    どうも現実になりそうな感じがしてきましたよ。
    私もこんな記事を書かせていただきました。m(_ _)m

    2012.11.16 Fri l mushoku2006. URL l 編集
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