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次期首相が、日銀が来年1月の金融政策決定会合で2%の物価目標を導入しなかった場合、日銀法を改正すると述べました。2%の物価目標が現実的になっています。では、2%のインフレとはどのような状況なのでしょうか。
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物価下落寄与は、主にたまにしか買わない家電製品

たまたま手元にあった半年ほど前のデータですが、日本の消費者物価指数(2012年7月)を見てみると、物価下落寄与のトップ10は以下の通りです。

1.ガソリン
2.持家の帰属家賃
3.電気冷蔵庫
4.携帯電話機
5.テレビ
6.灯油
7.パソコン(ノート型)
8.カーナビゲーション
9.インターネット接続料
10.外国パック旅行

物価下落寄与で目立つのは電気製品であり、10位以下もエアコン、ビデオレコーダー、パソコン(デスクトップ型)などが上位に来ています。

トップ20のうち9つが電気製品です。 これは性能の上昇、グローバル化による裁定の結果であり、これを上昇させるのは至難の業となります。ただし、家電類は依然として米国に比べると高いです。昔は諸外国に比べて圧倒的に高かったのが調整してきているという状況です。


「品質調整」でインフレ率は低めに出てしまう。

インフレ率の下落寄与での留意点としては、消費者物価指数は「品質調整」を行なっていることです。これは新旧の商品の間にある容量や機能・特性などの品質の違いが、物価指数に入り込まないようにする調整です。

製品サイクルが短い製品については、「ヘドニック法」によって、品質調整済みの物価変動を直接求めています。ヘドニック法では、多数の販売データ(POS情報)を利用して、製品価格と性能の関係を計算しています。

つまり、製品の性能が上昇した場合、価格が変わらなくてもインフレ率はマイナスに出てしまいます。デフレとは物価が下落することですが、性能が上昇して価格が変わらなくても物価はマイナスとされます。

スマホやパソコンの新製品が出た場合、価格が変わらなくてもデフレ寄与になります。この品質調整がインフレ率の低さに大きな影響を与えています。


物価上昇寄与で目立つのは生活必需品

今年7月の物価上昇寄与のトップ10は次の通りです。

1.電気代
2.都市ガス代
3.自動車保険料(任意)
4.国産米B
5.うなぎかば焼き
6.国産米A
7.プロパンガス
8.いくら
9.電球・蛍光ランプ
10.普通乗用車

物価上昇寄与で目立つのは、食料品、電気・ガス、保険料、日用品、保育料などです。生活必需品は物価が上昇している品目が多いです。


この状況でインフレ率2%にするには、生活必需品+10%

以上のように家電品などの性能が著しく上昇する中で、インフレ率2%を達成しようとなると、クレディ・スイス証券チーフ・エコノミストの白川浩道氏は、「食料品など生活必需品が2ケタの勢いで上昇しないと目標達成できない」と述べています。

新政権と日銀のアコード(政策協定)には2年程度の達成期限が盛り込まれるという末恐ろしい主張が与党から出ています。

経済成長の実態があって意義のある物価上昇で2%を達成するには、潜在成長率が少なくとも米国と同程度の水準(2.5%程度)まで高まる必要があります。金融政策では、潜在成長率を引き上げるのは限界があります。これは、リフレ派が敬愛する、偉大なる親愛なるバーナンキFRB議長が度々述べていることです。

したがって、2年以内にインフレ率2%を達成しようとなると、無理やりに為替に働きかけて輸入物価を上昇させるしかなく、交易条件・購買力が悪化する悪い物価上昇となりそうです。

国は税収が上昇して、円安の恩恵を受ける企業や交渉力がある大企業にとっては望ましい展開です。しかし、ほとんどの中小企業・自営業者・フリーランス・会社員・リタイア層にはきつい展開かもしれません。


交易条件悪化による物価上昇での選挙民の反応

こういう状況でインフレ率2%に進み、生活必需品の上昇が10%を超えていったら、デフレ脱却となるのはいいとして、結構いろんなところでムキャーという声が出てくる気がします。

給料はほぼ確実に2%増えませんし、大企業から中小企業への支払いも2%増えないと思います。わが国を支配する高齢者がどういう反応をするか。

原油バブルが発生してインフレ率2%を達成した2008年前半期の状況ですね。あの時の世の中の反応は、「デフレ脱却でハッピー」ではなく、「物価が上がって困る」だったと思いますが・・・。

首に青筋を立てて口泡飛ばして日銀を攻撃していた政治家とマスメディアがその時にどういう反応をするか、今から楽しみだったりします。

まさかとは思いますが、有権者からの陳情大合唱を受けて、とたんにドテンに転じて「日銀のせいで国民や中小企業が苦しんでいる」と言い出したりしませんよね。

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    2012.12.26 Wed l 経済・社会・金融動向 l コメント (2) トラックバック (0) l top
    コメント
    No title
    いやはや、まったく同感です。
    どんな手のひら返し、もしくは言い訳が見られるか?
    今から楽しみです。
    いや、こんな不幸な予想は外れた方が吉か・・・・・・。><
    2013.01.05 Sat l mushoku2006. URL l 編集
    Re: No title
    外れてほしいですね!
    時期日銀総裁は武藤さんという話も出ているらしく、
    武藤さんだと安定感あっていいなと思いました!
    2013.01.06 Sun l まつのすけ. URL l 編集
    コメントの投稿











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