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■「世紀の空売り」という本を読みました。

原書の名前は「THE BIG SHORT」です。「THE BIG SHORT」を「世紀の空売り」と翻訳したのは上手いです。

「ザ・ビッグ・ショート」とそのままカタカナにするのは無難ではあるものの、面白味に欠けます。洋画のタイトルもそのままカタカナにせずに、面白い邦題をつけてほしいなと思うところです。

同書はサブプライム問題のヤバさに2005~2006年に気づき、それらを大々的にショートした男達の物語です。生々しい記述は読み物として面白いです。

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サブプライムをショートした男で有名なのは、ジョン・ポールソンですね。本書ではそれ以外にも、多くの男が登場します。

日本の証券会社も登場しました。「最後のカモ、みずほ証券」というタイトルでページが割かれていました。

モルガンスタンレーがサブプライム関連で本格的に炎上し始めた日のたった数日前に、みずほ証券がモルスタからサブプライムに裏づけされたCDOを10億ドル買ったそうです。

「(大損を出して首になった元モルスタ社員にとって)慰めとなるのは、サブプライムのテーブルを囲んだ愚者たちの中で、自分が最後のカモではなかったという事実だった。」
「みずほ証券は、いまだにみずほにしか分からない理由で、アメリカのサブプライム債券を扱う賢いトレーダーという体裁を身にまとい、モルガン・スタンレーの手から、サブプライムに裏づけされたCDOを10億ドル分受け取った。」(同書から引用)

モルスタ大炎上のわずか数日前に「いまだにみずほにしか分からない理由で」サブプライムCDOお買い上げ・・・。

ここらへんは貫禄のみずほ劇場。


■本書を読んで改めて感じたのは、次の3点でした。

1.市場が不透明だったり、複雑な証券への投資は慎重になるべき
今から振り返ると、株式市場に比べて債券市場は規制がユルユルであり、政府の規制を心配することなく、複雑な新型証券を作り出せました。様々なデリバティブが次々と生み出されました。不透明で複雑な商品は、ウォール街の大手投資銀行に大きな利益をもたらしました。

「市場の透明性が失われれば失われるほど、そして証券が複雑になればなるほど、大手投資銀行のトレーダーたちが弁説を振るって稼ぐ金は増える」(同書から引用)

2.投資はタイミングが重要
“世紀の空売り”を実施した男の一人、マイケル・バーリは、2005年夏にサブプライム関連のショートを開始しました。2007年に本格的に下落し始めるまで約2年の年月を要しました。

この2年は損失が積み重なってかなり辛い時期だったはずです。S&P500を買い持ちしていればそこそこのリターンだった時期に、マイナスというのは相当にきつい。

たとえ見通しが正しくても、投資のタイミングを間違えると苦しむことになります。特に許容リスクを超えている場合は、苦しみが増します。レバレッジをかけすぎていた場合は、自分の見通しが実現する前にゲームオーバーにもなりかねませんよね。

3.トレーディングは難しい。
同書で登場人物の一人がサブプライムのヤバさに気づいたものの、「われわれより頭のいい誰かが、どうしてこれ(サブプライム関連のショート)をやらないんだろう?」という疑問を抱いたシーンがあります。この言葉がとても印象的でした。

いかに正しい考えをとり、自分を信じてポジションを取れるか、ポジションを取った後に逆に動いた時にどこまで自分を信じて我慢できるか、逆に誤っていたら迅速にポジションをてじまってドテンに転じられるかなどが問われますね。トレーディングは本当に難しい。

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    2012.08.03 Fri l 経済・社会・金融動向 l コメント (2) トラックバック (0) l top
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    このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2012.08.04 Sat l . URL l 編集
    Re: No title
    アクティブ・トレーディングは難易度大・期待リターンも大であり、インデックス分散投資は難易度小・期待リターンも小ですよね(^^)

    トレーディングで継続的に収益を上げられるのが理想ですよね!
    2012.08.04 Sat l まつのすけ. URL l 編集
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