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■「ブラックストーン」という本を読みました。


ブラックストーン

KKR、カーライル等と並んで世界最大級のPE(プライベート・エクイティ)のブラックストーンとそのトップ・シュワルツマンのノン・フィクションの書籍です。ブラックストーンのスタートから現在までの歴史が記述されていました。

数年前にブラックストーンがヒルトンホテルグループを買収したことは日本でも報道されましたので、日本でも割りと知名度は高いかもしれません。

本の中では、日本の金融機関の名前も出てきました。日興・三菱信託銀行・東京海上など当時の三菱グループの金融機関は、ブラックストーンの初期のファンドに出資していたようです。これは大成功でした。

ブラックストーンのヒストリーで印象的なのは、要所要所での運の良さと市況の重要性と慎重さです。最初の買収ファンドの資金をクローズしたのは、1987年のブラックマンデーの直前。暴落前に契約を固めていなかったら、多くの投資家が出資を撤回した可能性が高いという間一髪のスタートでした。

また、ブラックストーンがIPOしたのは2007年6月であり、信用バブルがはじけるまさにギリギリのタイミングでした。IPOがブラックストーンより遅れたKKRなどは、IPOの延期を余儀なくされました。

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■最大手のPEといえども、市況の影響は大きい。本書によると、ブラックストーンの投資先の財務改善の大部分は、経営の改善ではなく市況の回復によるものという分析があるそうです。

例えば、2001年の同時多発テロのあと、事業の中断などを保障する多額の保険がヒットし、保険会社が突如として何十億ドルもの支払い義務が発生した際の投資が印象的です。

保険契約において同時多発テロのような事態は想定されてなく、保険会社が長年の間に積み立てられてきた準備金は枯渇し、保険会社と再保険会社は大きな打撃を受けました。

その結果として、保険会社は体力が低下し、新たな保険契約を引き受けにくくなり、保険料は急激に上昇しました。 PEはここに目をつけ、ブラックストーン・KKR・TPGなどのPEは多額の資金を投じて新保険会社を設立し、これは大きなリターンを上げました。

2001年から2003年に賭けて市場が低迷する中、ブラックストーンの企業買収ファンドは多額の資金を投資し、大きなリターンに。 絶頂は2006年で大きなリターンを上げ、シュワルツマンの収入は天文学的な数字になりました。ゴールドマン・サックスのCEOがかわいく見えるほどの数字です。

これに対して、2007年に投資した案件は芳しくない。2007年~現在までの業績はそれ以前の数年間と天と地です。

どれだけ優秀な投資家でも、2007年に投資して成功するのは至難の技。やがて回復するにしても、資本を長期間塩漬けにすることになり、利益を年率換算するとごく僅か。「本当にタイミングが全て」(同書から引用)


■シュワルツマンはPEのトップでありながら、出来る限りリスクを避けようとするタイプだったようです。その性質について、シュワルツマン自身も、次の通りに述べていました。

「ブラックストーンは他のプライベート・エクイティ会社よりリスクを嫌うところがあり、それはやや直感的なものだ。私は失敗が嫌いだ。そして、損失を出すことは失敗に他ならない。こうした私個人の考え方が会社の戦略になった。」

このような慎重さは有望な案件を逃してしまう要因にもなります。実際、ブラックストーンもそういうケースあったようです。しかし、1990年代に多くのライバルに膨大な被害をもたらして破滅に導いたような大失敗を起こさずに済んだのは、このおかげだったようです。

スタッフがどれだけ「インターネットブームに乗り遅れてしまう」と言っても、「うちの得意分野ではない」として、ネット企業への投資は小規模に済んだようです。ただ、2007年以降の信用バブル崩壊からは逃げれませんでしたね。

私もリスクを嫌気する側面があり、ある年は+20%・ある年は-20%というジェットコースターは好まず、安定的に長期金利+1~3%程度を積み重ねるのを志向しています。

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    2012.08.17 Fri l 資産運用の考え方 l コメント (2) トラックバック (0) l top
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