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■増税するために「日本はこのままでは財政破綻寸前である」という宣伝活動が日本政府によって行われています。それはもちろん大いに結構ですが、それによって不穏な動きが発生してしまう副作用もあります。最大の副作用は、海外への資本逃避を促してしまうことだと思います。

世界中の多くのヘッジファンドが、日本国債ショート・ポジションを作っていると言われています。これは日本政府が推奨するお墨付きのポジションとなっており、日本にとって要らぬボラティリティ・ファットテールリスクを生み出しているわけです。ヘッジファンドに日本国債のプットオプションを売っているのは、主に日本の銀行のようです。

今のところはヘッジファンドが大損を繰り返しており、日本の銀行が利益を出している結果となっています。当局が財政破綻を宣伝し、ヘッジファンドに日本の銀行からオプションを買うように仕向け、日本の銀行が確実に儲かるようにしているとしたら、恐るべき深謀遠慮です。

また、あのAIJの運用損のうち、日本国債先物・オプションによる損失もそこそこあると言われています。AIJも日本政府の財政破綻キャンペーンを信じて大損したことになります。日本の個人の一部も、財政破綻を恐れて大々的に外貨シフトして、結果として損失の山を築いています。結果論としては、財務省が損失の山を誘発させていることになります。

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■ヘッジファンドによる売り浴びせのリスクはともかくとして、政府が日本国債暴落を煽ることによって、日本の財政に対する危機感が高まり、財産が没収されるのは堪らんということで、富裕層が海外に資産を逃避させる動きが活発化していると言われています。これは日本国にとっては、非常に由々しき事態です。日本国債暴落キャンペーンの最大の副作用です。

また、日本国債暴落を煽ることで、一般庶民もインフレ・円安リスクを意識せざるを得ないようになり、金融機関から預金を引き出したり、生保の終身生命保険や年金保険などを解約して、外貨建て資産に投資する動きが強まる可能性があります。

日本国内で外貨投資をするのは、日本の金融機関のビジネスにつながるのでいいですが、「当局による25~90%の財産税」という第2次世界大戦後に実例があった事態を避けるために、海外に資本逃避してしまうと、日本にとってはマイナスしかありません。

日本破綻を煽り収益につなげる日本破綻ビジネスの壺売り士が、藤巻を筆頭に跋扈しています。財務省の日本破綻キャンペーンが、そのような輩の暗躍に“財務省御用達”のお墨付きを与えて助長させている側面がある気がします。

まだ資産数千万〜1億数千万程度の小金持ちの間では、資産を海外に移す動きは活発化していません。しかし、その動きが加速したら深刻な事態になりかねません。

日本政府は、国債暴落キャンペーンにはこのような副作用があることを認識して、どうせ増税するなら過度な煽りはせずに「ここまで増税すれば大丈夫、日本が破綻する可能性は限りなく低い。マレーシアに資産を移すのは結構ですが、日本とマレーシアのどちらが安全です?」と、国民の不安を緩和させるような方向で宣伝してほしいと思います。

日本破綻マルチ商法の総本家、藤巻がまた「日本は5年以内に財政破綻も、長期金利80%・ドル500円」と電波芸能活動を行っています。

日本国債発行に基づく政府支出が民間部門の超過貯蓄(貯蓄投資差額)を生み、その超過貯蓄が日本国債の購入原資になるという資金循環構造」は完全無視のようです。

藤巻は「著名投資家ジョージ・ソロス氏の投資アドバイザーを務めた経歴を持つ」とセルフブランディングでプロフィールを盛っていますが、1年持たずに電光石火の速攻でクビになったという事実がありますので、その点ご留意ください。

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    2012.06.20 Wed l 経済・社会・金融動向 l コメント (4) トラックバック (0) l top
    コメント
    私も藤巻ウォッチャーです
    今回も面白く読ませていただきました。
    藤巻氏に関しての「日本破綻ビジネスの壺売り士」や「日本破綻マルチ商法」など秀逸な表現ですね。
    彼自身の運用成績をぜひ公表して欲しいものです。

    僭越ながら私も同じようなブログ記事を書いてたところでした。
    あのブルームバーグのプロフィールは公平性を欠いてる気がしますね。というか、あんなコラムを載せる自体、ブルームバーグの良識を疑ってしまいますね。
    2012.06.21 Thu l ひでぼう. URL l 編集
    No title
    いつも、勉強になります。
    また、初歩的な質問をさせてください。

    『財政破綻』 とは、どういった状態をいうのでしょうか?例えば、現状のギリシャ、スペイン、イタリアは、どういう状態なのでしょうか?国債を、市場で消化できない状態 もしくは 国債の金利が名目金利からからX%程上回った状態 などといったことなのか、公務員の給料がストップされたり、銀行で外貨に両替できなかったり、預貯金が封鎖されるのか、、、

    マツノスケさんの雑感程度でいいですが、どういった行程で財政破綻とういうのは進んでいって、どういった状態をもって、これぞ 財政破綻 といえる状態なのでしょうか?

    先日、知人がギリシャに旅行に行ってたのですが、みんな普通に暮らしてて、あの程度で済むなら、日本も財政破綻してスッキリするならいいかもな  などと言ってました(笑
    2012.06.22 Fri l atsu. URL l 編集
    Re: 私も藤巻ウォッチャーです
    彼は自分の財布で運用しているらしいので、相当大損してるっぽいですよね。
    円安を煽って、自分の評価損を縮小させることしか考えてないような・・・。
    ロイターとかブルームバーグとか日経ヴェリタスとか、なんでいまだにこういう人使うんでしょうね。破綻言論の需要も一部であるんでしょうね。
    2012.06.22 Fri l まつのすけ. URL l 編集
    Re: No title
    国債で国家が必要なお金を借りれなくなる時と言えると思います。こうなったら、中央銀行が国債を引き受けてお札をするしかなくなり、待ち受けるのはハイパーインフレと通貨安の可能性が高いです。また、信用を前提とする各種商取引もマヒすると思います。

    ギリシャはもうこの状態ですが、EFSFやIMFから融資を受けることで、必要なお金を賄っています。それが打ち切られたら、ユーロを発行できないため、独自紙幣を導入せざるを得なくなると言われています。そうなるとインフレ・通貨安コースだと思います。

    今は通貨がユーロのため、ギリシャはハチャメチャな事態になっていないのでしょう。

    スペインは銀行に大量の不良債権が出て、それを国家が肩代わりせざるを得なくなり、利払いの増加等で懸念が出ている状況でしょうか。イタリアはプライマリーバランス黒字ですし、売られすぎだと思います。ただ、負債の絶対額が大きいので、利払い費の増加は懸念材料です。

    財政破綻とは、ハイパーインフレ・信用を前提とする通常の商取引のマヒなどで経済が大混乱に陥ることとも表現できるでしょう。その過程で、政府の資金繰りのために、預金封鎖・各種年金の国有化・財産税などが導入されて、国民の資産は政府に移転することになる可能性が生じると思います。
    2012.06.22 Fri l まつのすけ. URL l 編集
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