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■河本準一氏の生活保護受給問題が広まりました。本件では、現行のルールの範囲では違法性があるわけではなく、道義的な問題です。河本氏以外にも同様に受給している人は多々いるはずです。彼だけがクローズアップされている点は、お気の毒な側面もあります。

河本氏だけが返金しても、大局的な問題の解決にはつながりません。彼だけをバッシングしても仕方なく、これを契機に問題がある制度を改善していくことが何より重要でしょう。

さて、本件に関連して、一部の論者から「生活保護の不正受給やモラルハザード受給は、大した問題ではない。他にやることがたくさんある」旨が述べられています。

しかし、生活保護のモラルハザード受給が広まると、冗談抜きに財政悪化や増税にもつながりかねない危険性があると思います。「大した問題ではない」ではなく、大きな問題だと思います。

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■最近増えているとされるモラルハザード受給は、結婚して子供ができたらペーパー離婚して、母親と子供は母子家庭として生活保護を受ける手法です。実質的にはこれまでと生活の実態が変わらないにもかかわらず、生活保護を受給できてしまいます。悪質なら返納が求められていますが、別居の実態を把握しづらいケースが多いそうです。

また、2009年の生活保護基準緩和以降は、働けるのに働かずに生活保護を受給する人が増加しているとされています。ネット上では生活保護は「ナマポ」と呼ばれており、一定の収入に満たない場合は、働くのがばかばかしいという風潮が広まっています。2009年の受給要件緩和が、ルビコン川越えだったのかもしれません。

「労働は困難」という医師の診断書があれば、申請はほとんど受理されるそうです。医師と結託して診断書を偽造するケースもあるそうです。そこまでいかなくても、そのように診断されるノウハウ等が出回っており、就活マニュアルのごとく生活保護受給テクニックを収集できます。

マック等で普通にバイトするよりも生活保護の方が収入は高く、かつ医療費が無料となり、NHK受信料は免除され、自治体運営の交通機関の無料乗車券がなどが追加される自治体もあります。医療費が無料であることから、積極的に受診して薬をたくさんもらい、それを裏ルートで売却して収入を得ている受給者もいます。

生活保護はギリギリ最低限の生活ではなく、普及率7割を超える商品は保有できます。ケータイもエアコンも保有できます。海外旅行に行く人もいるそうです。

挙句の果てには、海外旅行中の期間の生活保護費が支払われなかったことに腹を立てて、福祉事務所相手に裁判を起こした事例もあります。最高裁判決(2008年)では、「住居が国内にある限り、支給対象となる」として渡航期間中の支給減額をした福祉事務所に支払いが命じられました・・・。

生活保護制度は、ご近所さんがみんな知り合いで他者の目が厳しくて、誰かが変なことしてたらすぐに町中に噂が広まり村八分になるため、相互抑制が働いた時代の制度を引きずっている感があります。そうした社会状況は大きく変わっており、もはや性善説で生活保護を運用するのは困難な情勢です。


■まだ、生活保護制度が成り立っているのは、日本人の大多数がモラルハザードを起こしていないからです。 しかし、既に生活保護費は税収の10%近くまで上昇しています。

現状の生活保護制度を維持したままでは、子供がいる世帯の一定割合がモラルハザードを起こして、ペーパー離婚して妻が生活保護を受給するようになり、且つ本来働けるような人がテクニックとマニュアルを駆使して大挙として生活保護に押し寄せたら、冗談抜きに財政に見過ごせない悪影響が出てしまう事態となるでしょう。

生活保護法の改正が検討されているようですが、そこでは以下のような対策が必須だと思います。
1.基礎年金と生活保護の支給額を同じ金額にする。
2.不正受給・モラルハザード受給を防ぐために、受給資格を厳格化する。
3.制度を悪用した者に対する処罰を厳罰化する。

高度成長が続いており、財政的にまったく問題がないのであれば、モラルハザード受給を放置してもいいのかもしれません。しかし、現在は一般会計の予算の半分以上を借金に依存しており、政府債務は拡大の一途で、10年後20年後はどうなるか分からないという状況です。

財政破綻してハイパー円安になったら、諸外国に日本企業と日本の不動産を買い叩く絶好の機会を与えることとなります。アングロサクソンや中国勢が、舌なめずりして日本企業と不動産を買い漁ることになります。第2の敗戦、マネー敗戦は断固として避けなければならないでしょう。

現在の生活保護は、「(1)本当に困っている人への支給+(2)悪意がある人だけが受給できるベーシックインカム」です。(1)の本当に困っている人への支給は必要です。重い障害や病がある方は、社会全体で扶助すべきでしょう。しかし、悪意がある人だけが受給できるベーシックインカムとなっている運用は、改善すべきだと思います。

現在は悪意のモラルハザード受給者が押寄せていることで予算が圧迫され、本来なら受け取れるはずで受け取るべき真の弱者が、水際作戦で跳ねられることもある状況です。形式が整えられて強面の人や弁護士を連れてきたら通りやすくて、弱気の人は追い返すという運用はあってはならないでしょう。

繰り返しになりますが、日本の居住者の一定数がモラルハザードを起こしたら、財政に深刻な打撃を与えるような生活保護制度が放置されています。真面目にバイトするのが馬鹿らしい状況です。こうした惨状は、「大した問題ではない」ではなく、大きな問題だと思います。

ところで、コンビニとかスーパーで真面目にバイトしているフリーターや主婦は、本当に偉いと思いました。正直、今までは何とも思わずに普通に接していましたが、これから感謝の気持ちで接しようと思いました。

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    2012.05.27 Sun l 経済・社会・金融動向 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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