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■貿易収支の赤字化や直近の円安などによって、早くも通貨安によるインフレを心配する論調が出てきました。「ドル円160円になったら、物価が2倍になる」という極端な意見も見受けられます。

FPや評論家の主張では、「円安による物価上昇リスク・インフレリスクをヘッジするため、資産の40~50%程度は外貨建て資産にすべき」という主張をよく見かけます。こうした主張は、概ね以下のような論理になっています。

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少子高齢化で低成長、財政状況が悪く、経常赤字に転落する日本は、将来的には円安が必至。もし大幅に円安が進むと、エネルギーや食料品の大部分を輸入に頼っている日本では、大きな影響が生じて、日本国内の消費者物価は大きく値上がりしてインフレとなる。

しかし、金融資産の40~50%くらいを外債などの外貨建て資産にしておくと、円安が生じたときに為替差益が出るので、円資産の実質的な目減りを穴埋めしてくれるので、生活のリスクヘッジになる。

逆に円高になってしまうと、為替差損が出るが、その際は円の購買力の増加により、輸入品やエネルギーを安く買えるようになっているため、為替差損を穴埋めできるので問題ない。

したがって、日本国内だけで普通に生活する人も、今後は資産の40~50%くらいは外貨建て資産とすべき。
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■このような論理は一見もっともらしく見えますが、間違っていると思います。円安が日本国内の消費者物価(インフレ率)に与える影響は、為替レートの値動き程にはダイレクトではありません

実際には、輸入品が高騰した場合は、国産品で代替されたり、企業努力で吸収されたり、企業が為替ヘッジしたりすることで、消費者物価には波及しない部分も当然出てきます。諸々の経済活動がバッファーとなるため、為替レート程には物価が動きません。

円高になった場合も同様であり、為替レートの円高ほどには、日本国内の消費者物価は下落しません。1985年のプラザ合意によって、1986年には激しい円高になりましたが、それで消費者物価は下がるどころか、1%程度上昇しました。

2005年安値~2007年高値の間に、円は対ドルで約22%、対ユーロで約30%円安に動きました。では、この間、消費者物価はどれ程変動したでしょうか?

逆に、2007年高値~2011年安値の間に、円は対ドルで約39%、対ユーロで約42%円高になりました。では、この間、消費者物価はどれ程変動したでしょうか?

円高になると、海外での製造・郵送費用は、円換算で下落しますが、日本国内での日本人の給与、広告宣伝費、地代家賃、減価償却費など諸々の円建てコストは、円高のせいで逆に負担が重くなってしまいます。円安の場合は逆です。

円建てコストと外貨建てコストの存在、為替ヘッジ、企業努力、国産品への代替など、企業の経済活動によって、経済には諸々のバッファーが生じ、為替レートほどには、消費者物価は変動しません。為替レートと消費者物価指数の推移を比べたら明らかです。

もちろん、為替レートの変動が経済に与える影響を軽視しているわけでは全くありません。為替レートの変動程には消費者物価は動きませんが、輸出企業の利益には大きな影響を及ぼします。株式投資においては、為替レートは非常に重要でしょう。

また、円安は日本国内の価格競争力の上昇による実質輸出の増加につながり、また、相対価格の上昇による実質輸入の減少をもたらすと思います。日本国内の雇用にとっては、緩やかな円安の方が望ましいと思われます。

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    2012.02.21 Tue l 為替・外債・FX l コメント (0) トラックバック (0) l top
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