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デフレの正体  経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)という本を読みました。
本書の内容を一言で言うと、デフレの正体は生産年齢人口の減少であり、生産性向上や金融政策では良いデフレ脱却は不可能というものでした。マクロ経済学の見解をズバズバ攻撃しており、特にマネタリストやリフレ派の方々は、読むとイライラして精神衛生的によくないかもしれません。

著者の藻谷氏は生産年齢人口減少による内需の減少に対する対策として、(1)高齢層から若年層への所得移転の促進、(2)女性就労の促進と女性経営者の増加、(3)訪日外国人観光客・短期定住客の増加を挙げています。移民の受入れには否定的見解です。

(1)~(3)は内需振興策としては効果があるとも思うのですが、(1)と(2)ははっきり言って実現可能性は低いと思います。

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(1)高齢層から若年層への所得移転の促進について
2009年の有権者の平均年齢は52.4歳で、35歳未満の有権者の割合は10.6%、65歳以上は28.1%です。かつ都市部と地方部には1票の格差があり、直近の参議院選挙では島根県の1票は神奈川県の1票の約5倍の価値がありました。

日本では地方の高齢層が絶大なる政治力を誇っています。神奈川県民5人が集まって、やっと島根県民1人と互角の戦いです。地方の高齢層を怒らせる政策を採る政党は、選挙で勝つのは至難の業となります。

このような状況で、高齢層から若年層に所得移転させるような政策を打ち出すのは、ハードルが高すぎるのが現実。せいぜい生前贈与の税制優遇くらいしかできないでしょう。

ただ、都市部5人と地方1人の1票の価値が同じというのは、どれ程寛容の精神を発揮しても明らかに納得いくものではないため、1票の格差是正は迅速に実施すべきだと思います。 地方の高齢層が日本の運命を握っているという構造はどうなのかなと。


(2)女性就労の促進と女性経営者の増加について
生産年齢人口の専業主婦のうち約40%がパートでも週1日でもいいので働けば、団塊世代の退職による労働人口の減少がカバーできるとされています。また、女性の就労率が高い都道府県ほど、出生率も高いとされています。

確かにそうかもしれません。しかし、重要なのは女性の意思です。ビジネス雑誌・プレジデントの調査などによると、依然として「専業主婦になりたい」という女性が多数派です。

このような状況下、女性の就労を促進しようとするのであれば、働くことによるインセンティブを余程高める必要があります。

しかし、現実は真逆であり、諸制度(配偶者控除、年金保険料の支払い不要など)で専業主婦は非常に優遇されており、働く女性は不利になっています。

働かない方が圧倒的に有利な社会制度を残しておきながら、「日本経済のために働け」というのは、さすがに厳しいものがあります。

平日の昼間に二子玉川や自由が丘に行って、「女性の就労を促進させ、女性の経営者を増やすべきだ!」と熱く街頭演説してみてください。冷た過ぎる視線を浴びるに1万ドラクマをベットします。

「女性の就労促進」を本気で推進するのであれば、専業主婦の諸々の優遇を廃止し、働く女性が不利にならないような社会制度を整えるべきでしょう。これもハードルが高いです。

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    2012.02.14 Tue l 経済・社会・金融動向 l コメント (3) トラックバック (0) l top
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