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■賛否両論が強く大きな議論を呼んだTPP。日本の交渉参加が決まりました。

「交渉結果で日本に不利な結果が出たら離脱したらよい」という意見もありますが、これは国際交渉の常識からは外れているそうであり、日本の外交力を考えると、離脱は難しいかもしれません。

日本のTPP参加の可能性は高い気がします。そして、日本のTPP参加で、日本国内の世代間格差は更に広がると思います。

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■ほとんどの引退した高齢層は、TPPで大きな恩恵を受けます。農産物の関税撤廃により、食料品の価格が下落するのは確実だからです。生活コストの低下で年金の実質価値は更に上昇します。

他方、若年層はどうか。生活コストの低下はメリットです。他方、現行の規制で保護されている農業や医療業界では、交渉結果次第では大きな不利益があるでしょう。

規制業界とは無縁の会社員にも大きな影響が生じる可能性はあります。TPPでは雇用規制も議論の対象になります。アメリカ政府は、2006年の「日米投資イニシアチブ」で、日本に対して、金銭による解雇紛争の解決導入を要求しています。

TPP交渉において、アメリカが、金銭支払いによる解雇をできる共通制度の導入を求める可能性があるでしょう。これは11/12(土)の日本経済新聞でも指摘されていました。

TPPによって、金銭による解雇自由化が進む可能性があります。これは現役層に大きな影響が出ます。TPP熱烈歓迎の経団連や経済産業省は、解雇自由化も狙いの一つだと思います。解雇自由化や農業改革の推進は政治的に極めて難しいことから、外圧を利用して進めようとしているかもしれません。

数年後、「TPPに参加せよ」という記事を書いていた大手新聞の社員が、金銭解雇されるという皮肉があるかもしれません。

また、国内の市場開放により、より広範な競争が進み、より高い生産性が必要となることから、現役層はより厳しい競争に晒されて働くことになるでしょう。
自由貿易は社会全体としては成長につながります。ただ、先進国のビジネススキルと経験に乏しい若年層の就業市場へのアクセスに悪影響が働き、賃金に下方圧力がかかる側面があると思います。


■まとめると、引退高齢層はTPPで生活コストが下がり年金の実質価値が上がることから、大きな恩恵を受けます。

他方、現役層は生活コストの低下は恩恵となりますが、諸々の制度改革により、大きな打撃を受ける人々も出てくるでしょう。労働規制の行方次第では、ほとんどの会社員に大きな影響が出るかもしれません。

消費者の立場オンリーである高齢者層は、TPPによる自由貿易の恩恵を最大限に享受できますが、若年現役層は人によっては厳しい立場になるでしょう。全体的には、日本の世代間格差は更に拡大することでしょう。


■TPP以外の大きな政治テーマとしては、年金改革や消費税増税などがあります。しかし、これらは、引退世代の高齢層に不利益が出ることから、遅々として進みません。復興増税も消費税ではなく、所得税と住民税の増税となりました。年金改革は亀のようなスローペースです。

TPPが賛否両論ありながらもこれ程迅速に進むのは、引退世代の高齢層に不利益がなく、利益が大きい政策だからでしょう。

日経の記事によると、2009年の有権者の平均年齢は52.4歳で、35歳未満の有権者の割合は10.6%、65歳以上は28.1%です。この約3割の有権者を怒らせる政策は、採りようがないのでしょう。

年金改革においては、受給者のデフレ下でのマクロ経済スライド発動(デフレの場合は年金支給額削減)ではなく、年金の支給開始年齢の引き上げの方が先に話が出てきたことから、それは明らかだと思われます。

年金の支給開始年齢を引き上げるであれば、少なくてもデフレ下でのマクロスライド発動も同時に導入すべきだと思います。

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    2011.11.13 Sun l 経済・社会・金融動向 l コメント (2) トラックバック (0) l top
    コメント
    1. TPPで世代間の格差拡大

    この視点では、まったく考えていませんでした。
    なるほどなあ・・・

    私は実質的にリタイアした高齢者層と同じなので、
    メリットを享受できそうですね。(^^)

    年金については、
    まったくおっしゃられるとおりで、
    何時まで経っても、ですね。(ため息)

    ギリシャを見て、なんとも思わないのかな?
    2011.11.18 Fri l まつのすけ. URL l 編集
    3. Re:Re:TPPで世代間の格差拡大

    >まつのすけさん

    まったくその通りなんですが、
    実際に足元は成長している、
    もしくは、このあいだまでは成長していた、
    と言う状況下で、
    自分ならブレーキをかけられたかどうかは???
    せめて2000年代に入ったところで、
    とは思いますけどね。
    2011.11.20 Sun l まつのすけ. URL l 編集
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