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■現在、日本財政は約300兆円の債務超過にありますが、社会保障(年金・医療・介護)が抱えている“隠れ債務”を追加すると、約1430兆円の債務超過になると指摘する学者もいます。

また、国の資産には、道路などの社会資本も計上されており、実際に売却するのは不可能な資産も多いです。また、公的年金の積立金のように、将来の債務支払いの財源である資産も多く、それを借金返済に流用してしまうと、年金が支払えなくなるということになります。

こういう状況でも、日本国が破綻しないのは、今のところは、国内の余剰資金で国債を消化できるからでしょう。また、国は税金という形で、国民から強制的にお金を収納する課税権を有しており、日本はまだ増税余地が残されています。

しかし、今後は家計貯蓄が減少していくことが予想されるため、このままいくと、毎年数十兆の国債を消化できるのも、あと10~20年だというエコノミストや学者が多い。遅くても今後10~20年以内には、抜本的な歳出カットか歳入増が求められると思います。

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■日本の2009年度当初予算(一般会計+特別会計)の38%は国債費(借金返済)、33%は社会保障関係費、9%は地方交付税交付金であり、これだけで約80%になります。これらの削減は容易ではありません。社会保障関係費は、今後は少子高齢化により、荘厳華麗な右肩上がりで増加の一途を辿ります。

国立社会保障・人口問題研究所の人口推計(中位)によると、高齢化率のピークは2055年近辺であり、社会保障予算のピークも2055年前後と思われます。2010年に高齢化率は23%であり、2055年は40%になることが予想されています。

大雑把に社会保障予算が高齢化率に比例すると考えると、2055年に社会保障予算は71兆円まで膨らみます。2011年度と比較すると、約31兆円の増加であり、これは消費税約12%分です(1%≒2.5兆円、地方分も国に入ると制度改定した場合)。

すなわち、消費税を12%アップしたら、高齢化のピークにおいても、現行の社会保障の水準を維持できると一応は考えられます。私が以前に大雑把に試算 したところ、12.5%ほど消費税をアップさせれば、プライマリーバランスの均衡が達成でき、債務拡散は防げると思いました。

つまり、消費税を約30%にすれば、高齢化のピークにおいても、現行の社会保障水準を維持したまま、債務拡散を防げると大雑把には考えられます。>ただし、もちろん経済が落ち込んで税収が減る可能性は大いにあります。スウェーデンやデンマークでも消費税25%であり、30%は非常に高い水準。。。不可能ではないかもしれないが、極めて厳しい税率ですね。

ここでは、わかりやすくするために消費税のみで出しましたが、もちろん全て消費税で賄う必要はありません。歳出削減や、消費税以外の増税を組み合わせても勿論OKです。>例えば、「消費税は10~20%に抑えて、社会保障・その他の政府支出を大幅にカット」という選択肢もあるでしょう。

念のために申し添えますが、今すぐに増税・歳出カットしろと主張しているわけでは全くありません。東日本大震災による経済の底割れを回避するために、当面は増税は回避し、国債の市場消化で復興資金は賄った方がいい気がします。ただし、今後10年スパンでは、これは避けては通れない課題だと思います。


■現時点では日本財政は維持可能であり、破綻必至ではないと思います。ただ、「消費税25%アップに相当するような、歳出削減と増税が実現できるか」というと、極めて難しいでしょう。

また、仮に増税で財政が健全化したとしても、過去の日本の政治を見ていると、余裕が生まれた財政を原資に、再度、政府支出が拡大してしまう懸念も残ります。

「不特定多数・一般家庭中心」、「特定少数・産業界中心」という方向性の違いはありますが、日本の大政党はいずれも、政府・与党が大きな裁量を持って積極的に財政支出する志向があるように感じます。

このような政治状況では、「財政悪化→大増税で財政健全化→資金に余裕が生まれたことで、政府支出拡大→財政悪化」という“クライシス・スパイラル”に陥る恐れもあるかもしれません。


■結論としては、まずは議員・公務員が、議員定数削減や人件費抑制を行い、政府支出も徹底的にカットすることが必要でしょう。これがない間は大増税は受け入れられないでしょう。それを実施した上で、国民が増税もしくは社会保障カットを受け入れるしか、財政破綻を防ぐ術はないでしょう。

それが実現できない場合は、「インフレや通貨の切り下げ、低水準・マイナスの実質金利といった手段の組み合わせによって、貯蓄者の富を収奪する形で進むデフォルト」が、10~20年後には現実味を帯びてくる気がします。その兆候が見え始めたら、自分にできる限りの対策を講じます。現時点では、日本国債と円に弱気では全くありません。

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    2011.04.23 Sat l 経済・社会・金融動向 l コメント (7) トラックバック (0) l top
    コメント
    1. こむ

     こんにちわ、ご意見拝見しました。貴重な意見ありがとうございます。
     さて、私見を書きます。消費税率が高くなれば、それだけ比例して税収は増えないでしょう。 むしろ一定以上からは税収は伸び悩むので、単純比例で計算するのはどうかと思います。さらに言えば、高齢化が進めば、それにより消費自体が減るわけです。この二重の効果から上記計算は「最も理想的な場合」の数値だと思います。 生産人口が減るので、生産人口が一定という仮定で、計算を行っているのも少し日本財政に好意的すぎると思います。
     さらに言えば、現在の債券バブルが今後も続くというのも日本に好意的に解釈しているものと感じました。むしろ例外的な事象でしょう。
     誤解のないように書きますと、まつのすけさんのご意見を非難しているのでなく、そのような見地もあるということです。 
     現在国が、国債を発行するのに大議論をせねばならないのは、臨界がそう遠くない状況だからだと思います。これは数値の問題でなく、国家中央の動きから感じる個人的勘です。
    2011.04.23 Sat l komu. URL l 編集
    2. アスベスト

    震災のアスベストが昨日、問題になり始めました
    来週は、アスベスト粉塵マスク 7963 興研 あたりが動きそうに思いますが
    ブログ主さま、いかがでしょうか
    月足底値圏でPBRは1倍割れの0.6倍で下値不安なさそう

    東日本大震災 がれき撤去には防じんマスク 石綿に注意を
    4月22日(金)23時10分配信
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110422-00000039-maip-soci


    アスベスト飛散防止、弁護士らが申し入れ  宮城
    産経新聞 4月22日(金)7時56分配信
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110422-00000020-san-l04
    2011.04.23 Sat l UK. URL l 編集
    3. やっぱり日銀の国債引受け?

    また参考になる記事をありがとうございます。

    ネットでは怪しい説が飛び交って真実がはっきりしませんが、おそらく公務員人件費については、野村総研の調査が最も信頼できそうです。
    http://www.esri.go.jp/jp/archive/hou/hou030/hou21-2.pdf
    これからすれば人件費はもう限界まで下がっているようなので、これ以上下げるのは難しそうです。そしてその他の支出もほとんど固定費で、社会保障の切り下げも困難でしょう。
    すると大増税も受け入れられず、インフレ的デフォルトは避けられないということになりますね。
    しかし政府がいくら叫んだところで、インフレや円安が起きるわけではありません。それを実現する方法となると、結局日銀の国債引き受けをやらざるを得なくなるのではないでしょうか。
    2011.04.23 Sat l マネーの竜. URL l 編集
    4. 30%

    消費税率30%ですかあ・・・
    25%は覚悟して、
    生涯収支シュミレーションがしてあるのですが、
    もう少し厳しく見ないといけないなあ・・・ ><
    2011.04.24 Sun l まつのすけ. URL l 編集
    6. Re:アスベスト

    >UKさん

    材料株が活発化するかもしれませんね。その銘柄についてはよくわかりません(><)。お役に立てずすみません。
    2011.04.24 Sun l まつのすけ. URL l 編集
    7. Re:やっぱり日銀の国債引受け?

    >マネーの竜さん

    最終的にはそれになるかもしれませんね。マイルドなインフレで落ち着けばいいのですが・・・。

    日銀の国債引き受けの前段階として、FRBのような大規模な国債買入れ(日本版QE、包括緩和の拡大)が、今後の状況次第では現実味を帯びるかもしれませんね。

    2011.04.24 Sun l まつのすけ. URL l 編集
    8. Re:30%

    >mushoku2006さん

    25%でいいと思います。さすがに先進国でも未知の領域である30%まで上がることはない気がします。

    現実としては、消費税アップと社会保障カットの組み合わせかなと思います。
    2011.04.24 Sun l まつのすけ. URL l 編集
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