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京大でネットを利用したカンニングを行った予備校生が逮捕されましたが、予備校生を礼賛・擁護し、京大をバッシングする見解が目立ちます。

■カンニング予備校生への礼賛

「現代社会における問題解決能力が高い学生であり、 こういう人を合格させるべき」旨の意見をちらほら目にしました。

言うまでもなく、人間社会には規範・モラル・ルールがあり、それを破ってはならないという社会規範が存在します。カンニングは不正であり、それに対して社会的制裁が課されるべき問題だと思います。

カンニング予備校生礼賛論の背景には、「目的達成・問題解決のためには、手段を選ばなくてもよい。モラルを無視して、問題解決する能力が重要だ」という考え方があるのでしょう。

それならば、現代社会において、闇金、オレオレ詐欺、児童ポルノ、生活保護などの社会保障詐欺など、高収益率を誇る事業を幅広く展開しており、且つ収益からびた一文たりとも税金・社会保険料を払っていない暴力団は、極めて問題解決能力が高い集団です。

この礼賛論に基づくと、暴力団は日本最高峰の問題解決能力が高い組織となり、日本企業はぜひとも暴力団を見習わなければならないでしょう。インテリヤクザ・経済ヤクザは、最高に問題解決力に優れたイケメンとなります。

国立大学には多額の税金が投入されています。大学の機能は研究と教育であり、国立大学で学ぶ学生には、多くの税金がかかっています。

多額の税金投入が正当化されるのは、資源がない日本は人材が生命線であり、日本の将来を担う学生を育成するという建前があると思われます。

それが実際に機能しているかという問題はありますが、国立大学に不正を働く人や学力が不足する人が入学するのは、国家的・社会的ロスであり、税金の無駄遣いだと思われます。

また、仮にカンニングが発覚せずに合格していたとしたら、本来合格だった人が不合格だったことになります。さすがにこれは信義則・公正に反するでしょう。

議論に値するのは、今の入試の内容は古いので、新しい方式・ルールを制定すべきという話のみです。

入試は不要という意見もあるそうですが、これは「会社の入社試験は不要」と言っているようなものであり、意味不明の議論です。希望者全員を入学させるキャパシティは一流大学にないわけであり、エリート養成を目指す大学としては、選別が必須です。

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■大学へのバッシング

「監視が甘かった大学に落ち度がある」、「カンニングなら不合格にするだけでいい」、「京大の監督態勢こそ問題があったのではないか」などの抗議が殺到しているそうです。

もちろん、大学側の監視体制が甘かったのは事実です。これまでカンニングを見逃していたとしたら失態であり、不正防止対策は講じる必要があるでしょう。

国立大学は数年前に法人化され、大学職員は形式的には非公務員です。しかし、実質的には親方日の丸の公務員であり、前例踏襲が必殺技のお役所体質である蓋然性は極めて高い。

IT化以前の常識、旧態依然とした“オールド・ノーマル”を引き継いでおり、情報通信機器の進歩の変化には全く適応できていなかったというのが現実でしょう。“ニュー・ノーマル”への対応は必須。

今回カンニングの手法が幅広く報道されたことで、オレオレ詐欺のごとく、相手の対策の合間をぬって進化させたカンニング方法が、今後は次から次に登場する可能性もあるかもしれません。医師試験、弁護士試験、公務員試験なども要注意か。

しかし、「大学の監視が甘いのが悪いので、止むを得ない」というのは暴論でしょう。第一義的に悪いのは不正行為を働く輩であり、大学ではありません。

大学の監視体制を攻めてカンニングを擁護するのは、強盗されたコンビニやレストランやタクシー運転手、万引きされた本屋に対して、「セキュリティが甘いのが悪いので、止むを得ない」と批判するようなものだと思います。

あるいは、強姦された女性に対して、「「警戒心が足りず不用意で隙があるのが悪い」とバッシングするようなものです。

強盗を完璧に防ぐには、コンビニやレストランには、完全武装したセコムの警備員を常駐しておく必要があります。

万引きを完璧に防ぐためには、ありとあらゆる死角を防ぐための警備員配置や、入り口に探知機を設置し、アラームがなるのを覚悟でダッシュで逃走する輩を取り押さえるために、俊敏かつ屈強な人員の配置が必要となります。

しかし、コストを考えると不可能なわけであり、「完璧な対策を講じろ」となると、営業そのものが不可能になってしまうでしょう。ある程度、費用対効果を考えて、性善説にたたざるを得ないと思います。

それと同様に、完璧なカンニング対策を導入するとなると、膨大なコストがかかるでしょう。

この事件をきっかけに、今後、国立大学入試の試験監督員の増加、通信妨害電波機や金属探知機などの設備投資などが必要になるかもしれませんが、それらは全て税金から支払われます。

「監視が甘くて、不正が発生するような体制なのが問題」というのは、過剰なコンプライアンスを強いる発想だと思います。あらゆるリスクを防止するための対策を講じて、リスクヘッジの保険をかけるとなると、膨大なコストがかかってしまいます。

「今回のカンニング予備校生に対する対応は過剰コンプライアンス」という意見がありますが、「完璧な監視体制を作れ」という方が過剰コンプライアンスだと個人的には思います。

■国民として警戒しなればならないのは、こうした事件をきっかけとした「官の肥大化」だと思います。こうした事態を舌なめずりして喜んでいるのは官僚だと思います。

マスコミが騒いだ問題を官僚組織の膨張につなげるのは、官僚の必殺技であり、マスコミと官僚が裏でつるんでいるのではないかと邪推してしまう程です。

こんにゃくゼリー事件、冷凍ギョーザ事件、汚染米事件などが大きく騒がれた結果、なんと消費者庁という省庁まで誕生しました。

設立したのはいいとして、その消費者庁はどういう判断を下しているのかというと、「『訪問販売禁止』というシールを貼っていても、訪問販売するのはOK」という、財団法人訪問販売協会(※架空の組織)への天下りを狙っていると言わんばかりの業者寄りの裁定を下しています。

間違っても、「独立行政法人 大学入試・国家資格試験監督機構」のような組織の設立だけはあってはならないと個人的には考えます。

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    2011.03.09 Wed l ブログ l コメント (2) トラックバック (0) l top
    コメント
    1. 完璧なる正論

    全く持ってうなずくばかりの内容でした。なんとなく今回の騒動で違和感あったのがスッキリしました!
    2011.03.10 Thu l 1. URL l 編集
    2. Re:完璧なる正論

    >1さん

    ありがとうございます!
    2011.03.15 Tue l まつのすけ. URL l 編集
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