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大震災が発生しましたので、ポートフォリオの状況を確認し、今後の計画を立てています。個人的な今後の見通しについてまとめました。

■日本株式

日経平均は現在9206.74であり、PBR(前期比)1.09、予想PER13.96、予想配当利回り1.95%であり、これは文句がない水準。

「PER=現在の予想利益×投資家の将来的な見通しに対する評価」であり、今後、予想利益は大地震の影響によって下方修正される可能性が高いように思われます。

3月決算があるため、3月末時点の株価は、多くの企業にとって12ヶ月の中で最も重要となります。依然として銀行・保険会社は多額の株式を保有しており、一般事業会社も株式を保有している企業は多い。

政府・日銀としても、3月中の株価の底割れは何としても防ぎたいので、日銀のETF買取や公的年金のリバランス買いなどで、相場を下支えすると考えられ、原発問題の深刻化がなければ、3月いっぱいは堅調な推移が見込まれる気がします。

仮に大震災前の直近のピーク(10,891)近辺まで株価が回復することがあれば、上値は重くなり、諸外国をアウトパフォームするのは難しい気がします。

今のリバウンド局面は、仮に資産配分を変更するのであれば、いい機会と捉えます。

4月以降~秋口にかけては、業績の下方修正などが出てきると思われ、軟調な展開もある気がします。逆に新たな材料なしに株価がだらだらと下がり、PBR1倍(約8500)を割ることがあれば、いい投資機会になるかもしれません。

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■外国株式

大震災を契機とした外国株価のボラティリティの高まりは、時間の経過とともに落ち着いてくるでしょう。

外国株価にとっては、米中の景気、中東・北アフリカ情勢、原油価格、ユーロ問題、米国の財政問題等がそれ以上に重要であり、これらの行く末次第でしょう。

■為替

先週に円高が一気に進んだ理由は、以下2つか。

(1)阪神大震災後に円高になった実績や、国内保険会社などが外貨建て資産を円に転換するという「リパトリエーション」が起きるという思惑で為替レートが振れたこと(実際にはリパトリは起こっていない)

(2)海外勢の円調達が困難になったこと。実際、私が口座を持っている店頭FXでは、ドル/円とユーロ/円のロングのスワップポイントが、-100を超えるという異常事態が発生していました。

(2)はもうしばらくすれば解決に向かうでしょう。(1)については、実際の動きではなくて思惑。為替レートを短期的に動かしているのは、近い将来の見通しに対する市場参加者の思惑から生まれた需給バランスだと思います。

今後は、保険会社の海外資産売却の動きは出る可能性はあります。余剰資金で保険金を賄えるからといって、海外資産を売却しないということはなく、ソルベンシーマージン比率への影響や資産配分等を勘案して、一定のポジション圧縮をかける可能性はります。ただ、それが為替レートを大きく動かすことはない気がします。 また、1995年の円高は、日本の大きな貿易黒字、米政権の為替政策、メキシコ通貨危機などもあり、現在とは状況が異なります。

G7の協調介入で大きく円安に振れました。これについては、「介入規模は各国の判断」(by カナダ財務相)であり、報道によると、FRBとECBが数十億円、カナダが1億円程度の金額だったそうです。ちなみに1995年の超円高時のFRBの介入は数百億円規模でした。

アメリカはドル安が望ましく、ユーロもPIGS問題が深刻化しており、自分のことで精一杯の状態です。今回の海外の協調介入は“象徴的な介入”にとどまり、腰が据わったものではないでしょう。ただ、日銀が堂々と介入できることになったのは確かだと思います。

介入が為替レートに及ぼす影響は、経験則的には、1兆円で一時的に為替レートが約1円動く程度だそうです。その後どう動くかは需給次第であり、介入したらトレンドが変化するわけではありません。これは過去の介入後の為替レートの変化を見れば明らかです。

今回の介入で短期的な思惑による振れは収まりました。今後、トレンドが円安方向に変化するかどうかは、「為替レートがオーバーシュートであり平均回帰が期待できる状況であり、介入がトレンド転換の契機になり得ること」が重要だと思います。

この点については、実質実効為替レートからは、ニュートラルの水準に近く、まだオーバーシュートとは言い切れない気がします。

The Goal

また、以下3つの理由から円高になりやすい基調であることも確かでしょう。

(1)デフレ基調の通貨は長期的には価値が高くなる(購買力平価)

(2)経常収支が黒字

(3)短期の実質金利は日本が世界的に高い方である

(1)為替市場の歴史は円高の歴史です。これは購買力平価の帰結と言っていいでしょう。このトレンドにはまだ変化がありません。壮大な円高トレンドの中で、一時的に円安になっている時期は、需給が外貨買い・円売りに傾いているときであり、それ以外は基本的には円高トレンドが過去30数年続いてきました。

(2)また、日本は経常黒字の純債権国であり、日本人マネーが外に逃げることは一応はないと考えられます。逃げるとすれば外国マネーですが、そもそも論として、外国マネーが日本にあまり入っていないので、大震災で逃げ出すマネーそのものがそれ程大きくないと思います。

(3)各国の短期実質金利は、以下の通り。

年度政策金利インフレ率実質金利
豪州4.75%3.06%1.69%
日本0.10%-1.12%1.22%
米国0.25%0.52%-0.27%
ドイツ1.00%1.32%-0.32%
カナダ1.00%2.05%-1.05%
NZ2.50%4.05%-1.55%
英国0.50%2.60%-2.10%

※インフレ率は、2010年末の消費者物価指数の予測値

※出典:IMF - World Economic Outlook(2010年10月版)

以上のことから、再度円高基調に進むことも十分考えられるでしょう。

しかし、中長期的には円安要素が出てきています。

(1)今後は経常黒字の縮小が見込まれる

(2)財政悪化はほぼ確実

(3)日銀の金融引締めは遥か彼方に遠ざかり、当面は未曾有の金融緩和が続く

(4)海外諸国の利上げによって、外国の実質金利が上昇する可能性がある

(5)インフレ率上昇の可能性

(1)対外収支については、大震災で日本のエネルギー供給力や生産力が落ち、輸入が以前と比べると増えることが考えられ、貿易黒字が減ることが予想されます。

(2)また、復興のための財政支出が膨らみ、かつ法人税・所得税を中心に税収の落ち込みも予想されるため、国の財政は悪化する傾向になると思います。消費税を増税したとしても、増税と物価の上昇傾向による買い控えのダブルパンチで景気には悪影響が出ると思われ、法人税・所得税の減収は避けられないでしょう。

(3)日銀の利上げは更に遠い未来に遠ざかり、当面は未曾有の金融緩和が続く可能性が高いでしょう。昨年後半の米ドルの推移を見ればわかるように、これは通貨安の要素でしょう。

日銀による国債引き受けを提唱する声が増えている印象がありますが、大規模な国債引き受けが実現したら、市場参加者の思惑が円安方向に強まる気がします。

(4)ユーロと英国では利上げが近いと言われています。米国も経済指標は改善を続けており、このまま推移すれば2012年の利上げが視野に入ってくるでしょう。

先進国で利上げが実施されれば、日本が相対的に実質金利が高くなくなり、日本円に対する買い圧力が弱まるかもしれません。米国・EUの利上げにより、2005~2007年のような状況になる可能性です。

(5)今回の大震災による生産力の低下、エネルギー不足などによって、インフレ率が上昇する可能性があります。諸外国とのインフレ率格差縮小は円安要素。

基本的な円高構造には変化がないが、円安転換の芽が出てきたと思います。仮に日銀の大規模な国債引き受けが実現したら、転換点になるかもしれません。短期的に再度円高方面に推移することがあれば、10年に1度の投資機会になると考えています。

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    2011.03.22 Tue l マーケット雑感・運用状況 l コメント (5) トラックバック (0) l top
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