TOP > 資産運用の考え方 > ご覧のページ

※前回までのエントリー

2011年以降のスタンス~日本株(1)

2011年以降のスタンス~日本株(2)

2011年以降のスタンス~新興国株式(1)

2011年以降のスタンス~新興国株式(2)

2011年以降のスタンス~先進国(1)

■2010年は、ユーロで始まり、QE2とユーロで終わった1年間でした。

ユーロ圏は、「危機の高まり→救援策の考案→小康状態→危機の高まり」というクライシス・スパイラルに陥りつつあります。ユーロは下落し、PIIGS諸国の株価・国債は下落してCDSは上昇しました。

私自身は、このブログに書いてきたように、5月のギリシャショック後も、株式を処分せずに何度かスポット買いを実施し、現在は含み益が大きく拡大しています。

反省点があるとしたら、-10%くらいかなと考えて、最初のスポット買い出動が早かったことです。実際は日本・先進国(円建てMSCI Kokusai)・新興国(円建てMSCI Emerging)いずれも-20%ほど下落しました。

私は買いが早い傾向がありますので、これは戒めます。

株式を処分しなかった理由は、以下の2つです。

(1)各国の利害関係が衝突して極めて政治的に難しい問題だが、解決不可能な問題ではないと思ったこと

(2)ギリシャは経済統計の粉飾、20数%が公務員であること、アングラマネーの経済規模が大きいこと、脱税が横行していることなどの特殊要因があったこと

では今後はどうか。

結局のところは、PIGSショックの解決策は、債務国(PIGS)のモラルハザードと債権国(ドイツ)の反発を防いで、EU域内での所得移転をいかに実現するかだと言われています。

PIGSの過去が作り出した債務をドイツが肩代わりする代わりに、PIGSは将来の債務拡散を予防するために、財政再建(増税・緊縮財政・公務員の賃金カット)をするしかありません。

問題はそこでドイツとPIGSの熾烈なせめぎ合い(条件交渉)があり、スムーズに問題解決が図れないこと。できる限り自分の負担を減らして、相手に負担を押し付けたいのは、どの国も同じです。

ユーロ問題を日本国内に例えると、ドイツが東京・大阪・愛知などの都市部で、PIGSは夕張などの地方でしょう。日本は政治的に統合されていて一つの国なので、都市部の税金を地方救済にまわすことに、大きな反対は出ていません。

他方、ユーロ圏のように政治的に統合されていない状態だと、所得移転は極めて難しい。では政治的に統合(United States of Europe 化)する方向に向かうかというと、誰も主権を自ら手放さないし、多くの人々も望んでいないと思われるので、それも極めて難しい。

スポンサーリンク

■解決策としては、エコノミストからは、例えば以下のような案が出てます。

----------

(1)EFSFの資金規模を大幅に増加させる。2013年以降は、欧州版IMF(ESM)に十分な規模を持たせる。

(2)ドイツの保証をつけた「ユーロ共同債」を発行し、ドイツには1980年代に中南米諸国のブレイディ債の担保を担った米国のような役割を担ってもらう。

(3)PIGSへの救済融資の貸付金利を引き下げ、償還期限を延長する。流動性供給の貸付金利は、ドイツ国債+α程度に抑える。これは、実質的には、債務国に対して、補助金を供給するのと同じ効果がある。

ただし、債務国のモラルハザードを防ぐために、低金利の貸付については、財政再建の改善対策と連動させる。

----------

もっとも、ドイツ国内で支援のコンセンサスが得られるか、PIGS諸国で財政再建が受け入れられるか、また、財政再建が軌道に乗るかなど、困難な問題は山ほどあります。

ただ、ユーロは片道切符であり、もう後戻りは難しいでしょう。ユーロ離脱・旧貨幣導入は、膨大な諸々のコストがかかります。

コスト以外の面でも、仮にドイツがユーロから離脱してマルクを復活させたとしたら、ドイツマルクの暴騰は必然なので、ドイツの輸出企業は大打撃必至です。

東西ドイツ統一以降で最高の経済成長は、流星のように儚く消えてなくなるでしょう。

他方、仮にギリシャがユーロから離脱してドラクマを復活させたとしたら、ドラクマの暴落は必然なので、満月を見て大猿に変身したサイヤ人の肉体のように、あるいは闇金に借りた借金のように、ギリシャの外貨建て対外債務は急膨張必至です。

ドラクマの暴落によって果てしなく膨張した海外への借金を、ギリシャが返済することは100%不可能なので、デフォルトは確実です。PIGSのユーロ離脱は、デフォルトとセットでしょう。2001年のアルゼンチンと同じ末路になります。

これはPIGSにとって、決して薔薇色の道ではなく、棘の道でしょう。アルゼンチンのように、国際資本市場から締め出されることは確実です。当面は海外からの資金調達は不可能になります。また、大規模訴訟への対応に膨大な時間を費やすことになるかもしれません。

PIGSの政治家や公務員の給料、国民の社会保障は、海外からの資金調達に多くを依存しています。それが不可能になるわけであり、単純に通貨安で輸出競争力を取り戻して薔薇色になるとはいかない気がします。

■紆余曲折を経て、前述のような対策で、ユーロ圏内の所得移転を果たしつつ、モラルハザードを防ぐ仕組みを作り、独仏・PIGS双方が犠牲を払い、解決させる方向に向かうというのが楽観的なシナリオです。

2010年から、ユーロ圏16カ国の大統領や首相で構成される「経済政府」の設立をめぐる動きが活発化してきました。

「経済政府」の任務としては、(1)放漫財政の事前の予防、(2)放漫財政の事後的な是正、(3)経済政策の監督などが構想されています。

具体的には、翌年の加盟国予算をEUが事前にチェックする仕組み、安定成長協定違反の国に対する制裁の強化、各国のマクロ経済指数の不均衡に対する早期警戒システムの導入などが議論されています。

この構想には、フランスが前のめりで積極的ですが、ドイツは強硬な反対・慎重姿勢となっているようです。

この「経済政府」構想が実現すれば、金融政策に加えて、経済・財政政策がEUの元で一応は統制されることとなります。従来、国の聖域である財政政策の領域は、EUが手を出すのはタブーとされていましたが、PIGSショックの勃発により、活発な議論が展開されています。

■ただし、債務再編も、金利引き下げ&償還期間延長も、ユーロ共同債も、経済政府も、政治的には極めて難しい問題ですので、すんなり各国で合意形成が図れるかは難しい。

また、各国で合意がされたとしても、各国民がそれに不満を爆発させ、各国でユーロ離脱や借金踏み倒し(デフォルト)を主張する煽動的な政党が躍進してしまう恐れは残ります。

2011年も欧州問題は尾を引くでしょう。しかも、ユーロ/円は依然として購買力平価(1999年基準) よりもユーロ高であり、ユーロに積極的になれる状況ではありません。

私自身は、以下3点のスタンスです。

----------

(1)今のところは解決策はあるように思われるので、MSCI Kokusai ファンドはそのままとする。ユーロ部分についても、ヘッジはかけない。

(2)ユーロ/円が購買力平価である100円未満まで下落しない限り、ユーロ建て資産は買い増さない。

(3)ユーロ暴落に確信は持てないため、ユーロ売りはしない。ユーロが過度に暴落していって、「逆バブル」的な状況まで下落したら、逆張りのチャンスをにらむ。

----------

以下は、韓国ウォン/米ドルのチャートです。上に行くほど、ウォン安です。

The Goal

98年の通貨危機時のウォン安はまさに「逆バブル」でした。仮にこの時に積極果敢にウォンを仕込むことが出来たとしたら、大きなリターンを上げることができました。

例えば、ユーロ円80円を切るような極端な円高になったとしたら、世間はユーロに悲観一色でしょうが、「人の行く裏に道あり 花の山 」という言葉を忘れないようにしたいと思います。

スポンサーリンク

Google+で売買報告や限定投稿を配信しています!


関連記事

    2011.01.19 Wed l 資産運用の考え方 l コメント (0) トラックバック (0) l top
    コメント
    コメントの投稿











    トラックバック
    トラックバック URL
    http://thegoalnext.blog.fc2.com/tb.php/387-b599ed0e
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)