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2011年以降のスタンス~日本株(1)

2011年以降のスタンス~日本株(2)

2011年以降のスタンス~新興国株式(1)

■2010年は、ブラジル、インド、中国などの多くの新興国で、インフレ懸念などから利上げが行われ、金融緩和から金融引締めへシフトしました。この金融引締めを材料にして、中国など新興国の一角では株価が派手に下落しました。

他方、日米欧などの先進国では、未曾有の金融緩和・信用緩和が続いています。新興国と先進国で金融政策が著しいコントラストが見られます。

では、金融引締めによる景気や株価への悪影響について、どう考えるべきか。

一般的には、金融引き締め(政策金利上昇等)は株価に悪影響と言われています。

しかし、景気拡大局面の初期の利上げは、利上げによる悪影響を景気拡大による利益上昇が吸収し、金利上昇にもかかわらず、株価が上昇することもよくあります。

他方、景気拡大終盤期、経済が伸びきった時の利上げは、株価下落要因になることが多い。

概ね景気循環と株価のサイクルは一致しますが、この点からすると、景気サイクルにおける「最初の利上げ」は問題なく、「最後の利上げ」は売り材料になります。

例えば、2003~2007年のサイクルにおいては、中国の最初の利上げは2004年、最後の利上げは2007年末でした。2004年(最初の利上げ)は買いが正解であり、2007年(最後の利上げ)は売りが正解でした。

逆に金融緩和(政策金利の下落等)は、一般的には株価に好影響と言われています。

しかし、景気後退局面の初期の利下げにおいては、利下げによる好影響よりも、景気後退による利益減少の方が影響が大きくて、利下げにもかかわらず、株価が下落することは多いです。

他方、景気後退の終盤、経済が縮みきった時の利下げは、株価上昇要因になることが多い印象があります。

景気サイクルにおける「最初の利下げ」は好影響が少なく、「最後の利下げ」は買い材料になります。

以上をまとめると、金融引締めサイクルの初期(前回は2004年~2005年)において、利上げを原因とした株価下落があれば、押し目買いのチャンスであり、金融緩和サイクルの初期(前回は2007年12月~2008年5月)において、利下げを原因とした株価上昇があれば、戻り売りのチャンスとなります。

理想を言えば、“最後の利下げ”(前回は2003年)で買い“最後の利上げ”(前回は2007年)で売るのがベストです。もちろんそれは非常に難しいわけですが。。

今回のサイクルでは、「最後の利下げ」は2008年12月でした。次の「最後の利上げ」はいつか。今後、サイクルの終焉時期(最後の利上げ)について、警戒が必要になってくる時期が訪れるでしょう。

ただ、まだその時期ではない気がしています。

各社のエコノミストの意見では、政策金利が2007~2008年初頭のピークの時期まで上昇するのは、まだ時間がかかると言われています。

また、金融政策の効果が、経済に波及するには時間がかかるため、新興国の利上げが即座に景気に影響してくるわけではありません。

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■むしろ、新興国株式の最大のリスク要因は、リスク・マネーの動向、先進国経済の動向である気がしています。

例えば、中国の輸出先は、米国と欧州で40%弱となります。他の新興国も、依然として先進国経済に負うところは大きいでしょう。

欧州でPIIGS問題がより一層先鋭化したり、米国でソブリンリスクが深刻化するなどで、欧米経済が大炎上した場合は、新興国経済も無傷ではいられないでしょう。EPSの大きな下落要因となります。

また、欧米で不良債権問題が深刻化して、金融危機的状況になり、欧米の金融機関やヘッジファンドなどがリスク性資産を一斉に処分する流れになったり、QE2などを背景に原油などのコモディティ価格が爆騰して、先進国でインフレ率が高まり、不況下の利上げに追い込まれる事態となった場合は、リスク・マネーの大逆流が発生し、新興国の株価に悪影響が出る事態もありうるかもしれません。こちらはPERの大きな下落要因。

株価の変動要因を大雑把に二分すると、企業業績や経済状況などのファンダメンタル(EPS)と、需給(PER)になります。中長期的な株価の推移が、ファンダメンタルから大幅に乖離し続けることはありませんが、短期的には需給が大きな影響を及ぼす場合もあります。

リスクマネーの更なる流入による新興国株価上昇の可能性と、巻き戻しによる株価下落の可能性の両方を孕んでいるのが2011年だと思います。

もし需給が要因で株価が暴騰(暴落)した場合は、千載一遇の売り(買い)チャンスとなります。ただし、短期的な需給の破壊力を甘く見てはいけないでしょう。需給のハリケーンが猛威を振るっているときに、安易に空売りしたり、押し目買いをするのは怪我の素です。

仮に今後、新興国株式が大きく上昇した場合でも、割高感から安易な空売りを行うことは慎みたいですし、大きく下落した場合でも、安易な押し目買いや我慢しきれずに安値で売ってしまうことは避けたいと思います。

株価の上昇が続くと、ペガサス流星のように何処までも飛翔していき、下落が続くと、海皇ポセイドンの如く奈落の底まで沈んでいくと思ってしまうのが人の心です。

しかし、過度な楽観(悲観)は“悪魔の囁き”であるという点を忘れずに、「自分の目には映っていた蜃気楼が雲散霧消し、愕然と肩を落とす」という事態にならないようにしたいと思います。

新興国株式の固有の話ではなく、他のリスクアセットにも当てはまりますが、以下4点を忘れないことを心がけます。

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(1)価格が高騰している局面で、「どこまでも上がる。今買わないと損(持たざるリスク)。今買わないと買う機会がなくなる」と考えて、許容リスクを超えたポジションを持たない→高値掴みになる危険

(2)価格が高騰している局面で、割高感から安易にショートしない。→短期的には理解できない水準まで爆騰することは多々ある。

日本のバブルの日経平均3万円、ITバブル期のNASDAQ3500、REITバブル期の東証REIT指数2000、07年の中国株バブルの上海総合指数4500のときに、仮に「これはバブル」と考えたとしましょう。

それは結果的には大正解となりましたが、実際には、ここから更に30%近く上昇しました。

このタイミングでショートしていたら、おそらくバブル崩壊まで持ちこたえられずに、高値で踏み上げられていた可能性が高い。

バブル的状況での逆張りは、相当な相場巧者でない限りは、リスキーだと思います。

(3)価格が暴落している局面で、割安感からの安易な押し目買いは慎む→短期的には、説明できない水準まで暴落することは多々ある。

(4)価格が暴落している局面で、我慢できずに投売りしてしまうことは避ける→売ったところが底で、急反発してしまう可能性もある。

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結局のところは、リスクアセットへの投資は、リスク許容度の範囲に抑えて、高値での過剰投資や、安値での投売りを慎むというリスクコントロールが、やはり大事になってくると考えられます。

新興国インデックスのボラティリティは約28%程度であり、幅広く分散された投信やETFでも、最悪のケースでは1年間に50%下落する可能性があると認識しておき、それに耐えられる範囲で投資するのが無難でしょう。

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    2011.01.08 Sat l 資産運用の考え方 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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