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■年末が迫ってきました。年末年始は数日間のまとまった休みがとれるので、家計・資産運用などについても、1年間を振り返って来年以降の計画を立てています。

今後の中長期的なスタンスを、各アセットクラスごとにまとめておこうと思いました。まずは日本株について取り上げます。

振り返ってみると、2009年は2003年-Ⅱ(株価下落からの底打ち)、2010年は2004年-Ⅱ(ボックス相場)のような展開でした。

今後の日本株についてのスタンスは、結論から言うと、「新たな悪材料が出なければ、当面はホールド継続、PBR1倍接近で押し目買い検討」です。

日本株は、世界的には国際景気敏感株と位置づけられており、米国10年債の利回りと非常に相関性が高いのが特徴です。

The Goal

※月末の値をチャート化

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その理由としては、日本経済が外需依存型であること、固定経費を短期的にラディカルに削減することが難しく、外需が落ち込むと利益が極端に目減りし、逆に外需が回復すると利益が急回復する性質があることという印象があります。

世界経済はグローバル化しており、特にハイテク企業にとっては、事実上国境は存在しないのと同様です。これが日経平均がTOIPXよりアウトパフォームし、また、NASDAQがNYダウをアウトパフォームしている要因でしょう。新興国経済の好調をダイレクトに享受したハイテク株のパフォーマンスが、ここ2年間は良好でした。

日本の貿易先は、中国が20%強、米国が20%弱、EUが10%強であり、これら3地域で過半数を超えます。また、中国の輸出先は約20%が米国であり、約20%がEUです。EUの輸出先も約20%が米国です。

このように、今回の金融危機で米国の覇権が揺らいでいるイメージがありますが、依然として米国が世界経済に与える影響は大きく、米国の景気が悪いと(金利が低下すると)、日本の景気にも悪影響が及び、日本株も下落基調になるのでしょう。

もちろん、米国の財際赤字の深刻化による「悪い金利上昇」(財政リスクプレミアムの上昇)が発生した際はこの限りではありませんが、原則としては、日本株は米国の長期金利上昇時に、他の国をアウトパフォームする傾向があります。

■また、日本株の売買シェアは約70%が外国人であり、日本株は外国人が買えば上昇し、外国人が売ったら下落します。その外国人投資家にとっては、日本株は国際分散投資の一部分に過ぎないため、日本株は世界経済の変化・海外投資家の動向に非常にセンシティブになりがちです。

世界経済と海外投資家の動向の映し鏡である米国長期金利の動向が、日本株のメイン・ファクターであり、国内要因は重要性が下がります。したがって、日本株投資を考える際は、世界経済の動向が重要だと思います。

国内要因のみで日本株の騰落を予想するのは、一歩間違えると、“スピリチュアルな呪術”になってしまう恐れがある気がします。

9~10月にかけて、国内情勢のみを材料にして、勇猛果敢に9000円近辺で日経平均をショートした向きが見受けられますが、彼らが評価損の山を築いているのを見れば、多くを話す必要はないでしょう。

グローバルな視野を忘れないようにしたいと思います。

■懸念材料には事欠かせません。悲観派からは、次のような言説が出ています。

「米国も時価会計を凍結してバランスシート調整も半ばであり、不良債権問題の再燃が懸念される。金融機関も家計も過剰債務の解消には時間がかかる。

ファニーメイ・フレディマックの資産が大量に不良債権化する懸念やCMBS問題も残っている。

経済活動は縮小しており、政府とFRBの大胆な政策で一時的に景気は回復しているが、持続性はない。住宅販売も過去最低の水準で低迷しており、失業率は高止まりしている。経済活動の長期低迷は不可避であり、政府の負担は増加の一途を辿っており、ソブリンリスクも懸念される。」

他方、楽観的に考えると、米国の不動産価格には底入れの兆しがあるし、家計の住宅資産対可処分所得比は、06年のピーク(233%)から、10年初頭には150%近辺まで下落しており、その後は同水準で推移しています。

住宅バブル発生前の1980~2000年は、同比率は140~160%で推移していたことからすると、住宅価格の調整は大方終了したとも捉えられます。

そもそも論として、日本のバブル期の不動産価格とは、価格上昇率において大きな差がありました。米国は6年間で2.3倍上昇しましたが、日本は3倍の上昇でした。したがって、金融機関の不動産関連の潜在的不良債権の規模にも、同様の格差があると思われます。

また、ここにきて、米国不動産に対する悲観論者達が、マンハッタンの高級住宅を購入したことが報じられました。

2006年の時点で、米国の住宅バブルの崩壊・金融危機を警告したヌリエル・ルービニ教授(NY大学)が、マンハッタンの高級マンション(550万ドル・約4億5000万)を購入したと報じられました。

サブプライム関連商品を猛ショートし、住宅バブルの崩壊で150億ドルを稼いだジョン・ポールソン氏(ヘッジファンドマネージャー)も、高級マンション(285万ドル・約2億3000万)を購入したそうです。

もちろん、彼らの見通しが当たるとは限りませんが、悲観的な見通しが多く「破滅博士」と呼ばれているルービニ氏や、住宅バブルの崩壊で1兆円以上を儲けたポールソン氏が、数億円のマンションを購入したというニュースを聞くと、米国住宅市場の回復の兆しを感じます。

 

雇用については、過去の景気回復局面と比較すると、そのスピードが遅く、失業率は今年一杯は9%台で高止まりすると見込まれていますが、雇用は景気の遅行指数であり、金融緩和が時間をかけて徐々に雇用回復につながっているとも考えられます。

The Goal

2009年の米国の資本ストック(企業が抱えている設備の総量)の増加率は前年比0.5%まで低下しました。

資本ストックの増加率は、大雑把には期待成長率とリンクしており、米国の資本ストック増加率の平均は2.5%程度です。

まさに米国は日本化して長期低迷に入るという予想とリンクしています。リストラに邁進し、設備投資を絞って、雇用も絞りました。これが高い失業率と低い資本ストック増加率に反映しています。

しかし、米国の実質個人消費は、サブプライム住宅バブルに狂っていた時代のピーク(2007年)の水準は、2度と回復しないと言われていましたが、3年足らずでそのピークを既に超えました。

そうした中、雇用を抑制した結果、米国の就業者1名当たりのGDP成長率は、約50年ぶりの高水準まで上昇しました。リストラが行き過ぎているのではないかとも考えられます。

設備投資も、2010年に入って回復してきました。設備投資の回復が進むと、需給ギャップも縮小に転ずるでしょう。今後は雇用回復も期待できるかもしれません。

結論としては、米国経済は緩やかに回復し、失業率も低下に向かい、2012年の利上げが視野に入ってくるのではないかと思います。長期金利も緩やかに上昇し、それが日本株のサポートとなる展開。

最大のリスクとしては、米国のソブリンリスクの高まりでしょう。これが懸念化・深刻化すると、大混乱に陥りかねません。その際は、株式のオールキャッシュ化を検討します。

長くなってきたのでここで区切り、次回に続けます。

(※以上はあくまで個人的なスタンスの備忘録的なまとめであり、特定の売買行動を推奨するわけではありません。)

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    2010.12.27 Mon l 資産運用の考え方 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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