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■日米の追加緩和という大きなイベントがありましたので、数回に渡り、現在の考えをまとめました。まとめると、一部の先進国で未曾有の金融緩和が進んでおり、過去の歴史を振り返ると、これだけ金融緩和が進めば、資産バブルの発生も懸念されるところです。

2000年代前半の日本の量的緩和が、「円キャリートレード」という言葉に象徴される円安バブルを生み出したという言説もありますし、ITバブル崩壊後~2003年頃までの米国の金融政策が、サブプライムに象徴される不動産バブルを生み出したと言われています。

現在は、ゴールド、債券、新興国株式・通貨、コモディティなどに資金が流入しているように見受けられますが、債券については、円債はバブル的状況であり、債券マーケットは、期待リターンは限りなく低く、下落リスク・下落余地が高い水準に着々と接近していると思います。欧米はまだ下落余地がありますが、日本国債は、金利低下余地が限りなく低下しています。

ゴールドやコモディティについては、私は適正価値がまるでわからないため、手を出すのは止めておきます。ゴールドは個人的にはかなりきているような気はするのですが、短中期的にはどこまで上昇するかわかりません。

竹中正治さんが、ゴールドについてエントリーをアップしていました。

ゴールドの高騰、これもバブルだね

先進国株式についてはニュートラルであり、不動産株やREIT、新興国株式には強気。新興国株式については、現在はまだバブル的状況ではないと思います。

■具体的な行動としては、現在、既に新興国株式・国内外REITが想定資産配分を上回っているのですが、リバランスはしばらく見送ることにしました。

ただ、流動性相場が加速して、株高・REIT高が行き過ぎたと判断した場合は、一部売却ないしリバランスを行います。

新興国株式、REITについては、機械的リバランス→バイ&ホールドに移行しました。

※機械的リバランスは、市場変動と逆方向に資産配分比率を変化させるため「逆張り」であり、バイ&ホールドは、市場変動と同じ方向に資産配分比率が変化するため「順張り」的な性質があります。

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■今後は流動性相場の可能性もあり、流動性が何処に行くか(マネーの動向)に注意を払うのが大事だと思います。そうすれば、バブルを避けられます。

特定のアセットクラスの価格が上昇する理由は、大きく分けると3つだと思います。

(1)ファンダメンタル上の理由

株式であれば利益(EPS)上昇、債券であれば潜在成長率・期待インフレ率の低下など

(2)リスク・プレミアムの縮小(投資家の将来期待が楽観的になり、要求利回りが低下)

株式のPERの上昇、REITの分配金利回りの低下、債券の利率低下

(3)リスク・マネーの流入

(※価格が下落する場合は、これらの真逆)

この3つの要因のうち、(2)と(3)は要注意となります。

リスクプレミアムが極端に低下している状況(投資家が過度に楽観的な状況)では、投資家の将来に対する楽観的な見通しが下方修正されると、価格は大きく下落しがち。

株でいうと、収益(EPS)が変わらなくても、PERが低下すると(リスクプレミアムが拡大すると)、株価は下落します。例えばPERが20倍から16倍に低下すると、株価は20%下落します。

リスクプレミアムが縮小しきったところで株式を購入してしまうと、いくら株式を長期投資しても報われない可能性が出てきます。

日本の失われた20年で、日経平均は約4万円から約1万円まで下落しましたが、単純に考えると、その要因はリスクプレミアムの拡大。

バブル期の日経平均のPERは約60倍でした。現在は約16倍です。

同様に2005年の新興市場ブームの際は、PER100倍を超えるのが当たり前でしたが、これも過度に投資家が楽観的になった結果です。その後の低迷はPERの縮小(リスクプレミアムの拡大)で説明がつきます。

ITバブル、2007年の中国株も同様。

2007年のREITバブルでは、日本国債10年が約2%の状況で、REITの利回りも2%台前半でした。基本的にはノーリスクの国債とほぼ同じ利回りというのは、よほどの不動産価格・賃料上昇がなければ、リスク比で割に合いません。

これは明らかなバブルであり、売却する場面でした。このとき買ってしまったら、いくら長期で保有していても報われません。

08年はリスクマネーが原油に流入してバブルになりました。現在の債券はバブル的様相だと思います。

■以上のように、リスクマネーの動向を考えるのは重要です。特定のアセットクラスの価格が上昇していたら、その原因が何なのか、ファンダメンタルの裏づけはあるのか、それとも単にリスクマネーの流入により押しあがっているのかを考えるのは、資産運用において重要。

ファンダメンタルズの裏付けがない価格変動は、危うい「砂上の楼閣」ともいえる。

ではどう判断するのかというと、基本的には、株はPER、REITは利回りを見ればいいでしょう。

今後、例えば新興国株のPERが50倍まで飛んでいったら、世間は強気一色でしょうが、冷静になるべき場面です。新規購入は停止し、売却も検討すべき場面。

また、REIT価格が高騰し、10年国債が1%の状況で利回りが2%になったら、やはり売却した方がいいでしょう。

外国のREITは、日本のREITとは異なり、公開不動産会社のような形態の国もあるため、必ずしもそうとは言えないでしょう。

コモディティはこうした基準がないため難しいですが、ゴールドについては、第2の原油とならないかは頭の片隅に入れて置いたほうがいいかもしれません。

現在もっとも差し迫ったバブルは、債券だと思います。着実にチキンレースの領域に近づいていると感じます。チキンレースに参加する意気込みとスキルがない私は、近づけません。

「定額年金保険、売れすぎて販売休止」だそうですが、この空前絶後の低金利で、債券バブルが警戒されている状況下、長年にわたって予定利率が固定されてしまう定額年金保険の購入は、率直に言うと投資戦略としては微妙だと言わざるを得ません。

今後もデフレ低金利が続くと予想している人が多いのでしょうが、やはり直近のトレンドを重視し過ぎており、近視眼的になっているような気がします。

2006~2007年の好景気・高金利・株高の際は、定額年金ではなく、変額年金保険がブームになっていました。そして、不景気・低金利・株安の現在は、定額年金がブームになっています。

個人的には、これは逆が正解だと考えています。

(※変額年金保険は「手数料の宝石箱」であり、購入に値しません。高手数料の投信よりもはるかに高手数料の金融商品です。)

マーケットの煽動に踊ってバブルに酔うことがないように、クールに債券・新興国・ゴールドのマーケットに向き合い、堅実な資産運用に努めようと思います。

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    2010.10.29 Fri l 資産運用の考え方 l コメント (3) トラックバック (0) l top
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