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前回 は、金融緩和に最もタカ派の日銀が異例の金融緩和に踏み切り、Fedの追加緩和も予測されており、日米欧がかつてない金融緩和に乗り出していることを述べました。

現在の世界経済の状況は、概ね深刻なリセッションからの回復途上にあると思われます。もちろん、国によって濃淡はあり、新興国がいち早く立ち直り、高い成長を続けている状況。

こうした中、日米欧は異例の金融緩和に踏み切っており、過剰流動性が生み出されています。普通であれば、何らかのアセットクラスでバブルが発生する可能性があります。

各国中銀は、何とかしてCPIが緩やかなプラスの健全なマイルド・インフレに持っていこうとしていますが、個人的には何らかの資産インフレが発生する可能性も頭の片隅に入れています。

今のところは、債券、ゴールド、その他コモディティ、新興国株式・通貨といったアセットクラスにマネーが流入しています。

では、各アセットクラスの今後について考えてみたいと思います。

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<債券>

債券市場はバブル的状況となっていると感じます。日本10年債は0.9%、米国10年債は2.4%、ドイツ10年債は2.3%近辺まで金利が低下(価格上昇)しました。

しかし、債券価格には限界があります。金利は原則として0%が下限(※)です。より一層債券が買いあがったとしても、天井は近い。

※理論的にはマイナス金利も考えられ、面白いアイディアと評価する識者もいますが、実務的には困難でしょう。

債券マーケットは、期待リターンは限りなく低く、下落リスク・下落余地が高い水準に着々と接近していると思います。

特に日本国債。欧米はまだ下落余地がありますが、日本国債は、金利低下余地が限りなく低下しています。期待リターンの低さ・価格下落リスクの高さは、まるで07年のサブプライム債券を彷彿とさせます。

日銀が超過準備に対する付利を0.1%に据え置いたので、国債利回りも0.1%以下には下がりにくい。既に2年債は一時0.1%に低下しました。3年債は0.14%、5年債は0.25%であり、中期ゾーンまでは利回りの下げ余地は限定的です。残るは10年債以上。

もちろん、それ以上の期間の債券を中心に更なる金利低下の可能性も否定できません。特に欧米はまだまだ下落余地は残ります。

他方、現在の債券利回りはFedによる追加緩和をかなり織り込んでいると思われますが、追加緩和が市場期待ほどの内容でなかった場合は、“巻き戻し”が生じる可能性もあるかもしれません。

第一の選択肢としては、トレンドが続く限りはついていき、崩れ始めたらすぐに降りる体勢で、このチキンレースに参加することです。一部のヘッジファンドなどは、現在進行形でこのようなレースを突き進んでいるかもしれません。

投信や海外ETFを使えば、個人でも容易にポジションを取れます。

このトレードに参加する場合は、短期の順張りトレードと割り切り、トレンドが崩れ始めたらいち早く手仕舞うことが大事かもしれません。高値で買ってしまって、「いずれ戻るさ」とホールドしてしまうと、2003年の日本国債のようになってしまう可能性もあるでしょう。

もうひとつの選択肢は、債券バブルには付き合わず、今から新規ポジションを取るのは控えること。個人的にはこちらですが、前者だと短期間で大きな利益を上げることもできるかもしれません。

<ゴールド・その他コモディティ>

コモディティ市場は、株式や債券と比べると規模が小さく、多額のリスクマネーの流出入があると、バブル的な高騰と暴落があるのは、記憶が新しいところです。

世界中のリスクマネーが、より一層世界のコモディティ価格の高騰に拍車をかける可能性はあります。

その筆頭がゴールドか。ゴールドは、ドル安と将来の米国のインフレ懸念から上昇が期待されている状況。ニューヨーク金先物相場は、リーマンショック後の暴落以降、著しく上昇し、過去最高値を更新しています。

「ゴールドの適正価格はいくらか」についてはよくわからないのですが、昔800オンスあたりを超えると、実需の買いは鈍るという話を聞いたことがあります。

ジョージ・ソロス氏は、最近ゴールドのバブルに何度か警鐘を鳴らしていますが、その一方で彼自身のファンドはゴールドを大量に保有し続けていました。

「仮にバブルだとしても、バブル崩壊を察知するまではついていく」ということでしょうか。

最近のゴールドは、WTI原油が約150ドルまで上昇した2008年前半のような熱気に包まれています。もちろん、ゴールドが頭打ちとなるのか、それともこのまま上昇していくのかはわかりません。

選択肢は3つ。

(1)長期的に上昇していくと考えて追加購入していき、ホールドする。

(2)手を引く体勢を整えた上で、上昇トレンドに順張りする。

(3)コモディティ相場にはタッチしない。

個人的には、コモディティはファンダメンタル上の適正価格がわからないこと、株式とは異なり、リスク・プレミアムが拡大しなければ(PERが低下しなければ)、経済成長とともに価格上昇が期待できる性質がないことで、コモディティ投資には消極的です。(3)です。

資源国通貨である豪ドル建てMMFを保有しており、それは上昇しているので、それで代替と言い聞かせています。後は、大手商社株はコモディティの代替投資と考えられるか。商社株は9月以降かなり上がっていますね。

ただ、もちろん(1)や(2)が正解の可能性もあるでしょう。

ゴールドの生産コストは、世界平均で1トロイオンスあたり約720ドル(GFMS「Gold Survey 2010」)という記事 がありました。もしこれが正しければ、ゴールドは下値700ドルと考えることができるかもしれません。

そういえば、確かリーマンショック後の暴落でも、700ドル当たりで下げ止まりましたね。

原油については、経済産業省のエネルギー白書 (2009年)によると、ファンダメンタル上の価格は、40~60(ドル/バレル)くらいのようです。
The Goal

いずれにせよ、コモディティ市場は、世界中の莫大な金融資産の規模に比べると小さいため、値動きが激しくなりがちであり、バブル的な高謄が起こった場合は、その後には崩壊が待っているでしょう

■今回のまとめとしては、債券やゴールドは熱気に包まれており、過剰流動性が更に流入すれば、より一層の価格上昇の余地はありますが、バブル的な状況となった場合は、適度なところで降りる選択肢も頭の片隅に入れて置いてもいいかもしれません。

また、Fedの追加緩和が市場期待ほどの内容でなかった場合は、債券とゴールドに“マネーの巻き戻し”が生じる可能性もあるかもしれません。その場合はドルが反発することになるでしょう。

次回は、国内外の株式・REITについて述べたいと思います。

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    2010.10.14 Thu l マーケット雑感・運用状況 l コメント (2) トラックバック (0) l top
    コメント
    1. シフト

    私は昨年の今頃くらいから、債券からジャンク債投信や株に資金を徐々に移しつつあります。
    ここまで債券が騰がれば、リスクの高い商品の方が魅力的だと判断しました。
    どうせ継続保有にしてた場合でも、償還が来年くらいから開始されるので、少し早めただけというのもあります。
    今のところ全然実を結んでませんけどね(T_T)
    2010.10.18 Mon l まつのすけ. URL l 編集
    4. Re:はじめまして

    >まあさん

    インドはブラジルや中国と比べても大分加熱していますよね。

    新興国株式は高騰していますが、バブルやITバブルとは異なり、説明できない水準ではないため、まだまだ上昇余地はある気がします。

    ただ、市場規模が小さいことから、先進国のリスクマネーが流出すると、下落が大きくなる点がネックですよね。
    2010.10.18 Mon l まつのすけ. URL l 編集
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