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今年の3月にKKRの新たな基本ポートフォリオが公表されました。

新しい基本ポートフォリオの策定について

附属資料

運用の基本方針

改めてじっくり読みましたら、参考になる記述が随所にありましたので、面白かったところをまとめました。

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・基本ポートフォリオの主な特徴は、実質運用利回りの採用とALMアプローチの導入

※ALMアプローチとは、年金制度が将来にわたり確実に確保されるためには、将来の総収入と将来の年金給付(総支出)の間で整合性が保たれるべきとして、資産サイドと負債サイドを併せて管理し、相対でのリスクの低減を図る運用手法。

・デフレで長期金利が非常に低い状況で、名目値を運用目標として採用した場合、高い期待リターンを持つ株式などのリスク資産を必要以上に保有し、過大なリスクをとってしまう恐れがあったことから、実質運用利回り(※)を運用目標として採用し、適切なウエイトのリスク資産を保有(デフレ下では目標利回りの名目値を下げる)。

※実質利回り=名目利回り-物価上昇率

・年金給付債務を負の債券とみなし、デュレーション(元本と金利を含めた平均残存年限)を15年程度と推計した上で、資産(債券)のデュレーションを負債のデュレーションに合わせて長期化していくものとして、20~30年の超長期債券投資のウエイトを高めることを志向。

・長期金利が低金利水準にある中、早い段階で長期化を行うと金利収入が抑制される恐れがあることから、市場金利が上昇する過程で、長期化を順次進めていくことが望ましい。

・金利上昇期は、資産サイドアプローチでは債券デュレーションを短期化する行動をとる(中短期債投資にシフトする)のが一般的であるので、このアプローチでは正反対の投資行動をとることになる。

債券のデュレーションの長期化は、長期金利変動リスクをとることになるが、見返りに金利(クーポン)収入の嵩上げができることから、株式などのリスク資産のウエイトを抑えることが可能になるというメリットがある。

・長期化の手段は満期到来債券やニューマネーを超長期投資に振り向けることが一般的であることから、デュレーションの長期化には相当時間をかける。

・個別の投資については、負債サイドを考慮したうえで30年間程度のスパンで考慮。基本ポートフォリオの適用期間は5年間程度とするが、その間に、例えばリーマンショックにみられたように、経済・運用環境において大きな変化があった場合は、基本ポートフォリオの変更について可及的速やかに検討すべき

・資産運用に当たって運用目標利回りを定める際は、投資のあり方からすれば、本来、許容リスクの範囲内で最大効用を得られるように定めるべき運用目標利回りをリスクと無関係に決定した場合、運用目標利回りの水準によっては、不足の負担を被る恐れがあり、結果として投資ではなく投機を行ったことと同義になりかねない。

・これまで基本ポートフォリオ(アセットアロケーション、政策アセットミックス)は、資産のリターン分布が正規分布する前提で平均分散法により有効フロンティアを導出し、許容リスクの観点から策定することが一般的だった。

しかし、平成20年度に想定外のファットテールリスクが発生したことから、平均分散法の妥当性が議論され、基本ポートフォリオを短期的に変更する「短期ポートフォリオ」が策定されるケースも出てきている。

短期ポートフォリオは、いくつかの企業年金で実例があり、市場下落に際して、リバランスの回避やリスク資産のウエイト縮小を実施することにより、ダウンサイドリスクを拡大させないことを目的に策定されている。

基本ポートフォリオは、そもそも逆張りの発想が基本にあるが、短期ポートフォリオは順張りの発想である。基本ポートフォリオと短期ポートフォリオとの間の移行をどのタイミングで行うかは、実務上かなり難しい問題。

短期ポートフォリオが必要とされる局面においては、そもそも、当該局面でも新しい基本ポートフォリオが妥当なものか否かを早急に検討すべきであり、不都合があれば、基本ポートフォリオ自体を変更すべき

・新しい基本ポートフォリオについては、 これまで通り平均分散法で策定するが、前提とする係数についてリスク面の評価を厳しいものにして安全性を高めることが望ましい。

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個人レベルでも応用できる考え方が盛り込まれており、いくつかは早速自分の運用にも取り入れようと思いました。

期間20~30年の長期債のウエイトを高め、デュレーションを長期化するという考え方は、とても新鮮でした。若年層で、資産の取り崩しが30~40年以上先のような場合では、例えば、利付国債20年でラダー型ポートフォリオを組むのも一案かもしれません。

確かネット証券では利付国債20年の取り扱いはなかった気がしますので、大手証券で購入することになるでしょう。

個人向け国債(変動)を保有し続けたり、定期預金をロールオーバーするより、パフォーマンスが高くなる可能性があります。

ただ、超長期債は流動性に難があり、店頭取引で売却する際はスプレッドが高くなりがちかもしれませんし、金利上昇時に中途解約が生じた場合は、大きな損失を被る可能性もあるため、満期保有が大前提。

また、今後の金利推移次第では、変動金利型国債や定期預金のロールオーバー、10年債のラダー型ポートよりも、パフォーマンスが悪くなる可能性もあります。

また、現在の空前絶後の低金利状況下で、一気に期間10年超の債券を購入してしまうのは得策ではないでしょう。将来の金利上昇の可能性は十分にあるので、KKRも言っているように、金利上昇とともに少しずつ超長期債を買っていくのがいいと思いました。

毎年1回、利付国債20年を買っていくようなイメージ。

仮に30歳の人が年1回利付国債20年を買っていった場合、20年後の50歳でラダー型ポート(of 20年債)が完成し、そこで購入をストップすると、70歳で完全償還となります。こんなやり方も一案か。

もちろん、前述のように満期保有が前提となるため、取り崩す可能性が限りなく低い「絶対安全資金」で行うのが望ましいでしょう。

また、現在の日本の財政状況に鑑みると、いざという時は外貨シフトできるよう、債券クラスにもある程度の流動性を持たせた方が無難という考え方もあるかもしれません。

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    2010.09.23 Thu l 資産運用の考え方 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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