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■株価・為替共に落ち着きを見せ始めており、恐怖指数も低下基調にあります。このまま落ち着きを取り戻すか、それともテクニカルリバウンドにすぎず嵐の前の静けさなのでしょうか。

5月以降は知人から「株や投信を持っているんだけど、どうしたらいいかな?」という質問をよく受けました。

それに対しては、「大局的な景気循環では、景気底打ち・回復局面だと個人的には思う。短期売買目的で買ったのではないのであれば、個人的には売る局面ではない気がする。ただ、株価下落リスクを一時的にヘッジしたいのであれば、先物・オプションやCFDなどでヘッジをかけるのは一つのやり方かもしれない」と答えました。

そう言うと、「先物とかオプションはギャンブルじゃない?」という質問もありました。「先物・オプションはギャンブルか?」について、まとめておこうと思いました。

■まず投資と投機の違いですが、これには様々な考え方があります。例えば、以下のような基準で区分けする意見があります。

(1)元本が保証されているか否か

(2)投資期間が長期か短期か

(3)レバレッジをかけているか否か

(4)主たる市場参加者の目的が投機か否か

(5)ゼロサムゲームかプラスサムゲームか

元本保証されていない株や社債はギャンブルという意見もありますし、短期売買やレバレッジをかけられるものはギャンブルという意見もあります。

個人的には、(5)の「市場構造がセロサムゲームか、それともプラスサムゲームか」で区分するのが腑に落ちます。

プラスサムゲームとは、時間が経過するにつれて、投資した資産金額の期待値が増加することが見込めるものです。例えば、株式や債券や不動産のように、資本を提供して、その生産結果の一部を受け取ることが期待できるものです。

ゼロサムゲームとは、投資した資産金額の期待値が増加することはなく、売り手も買い手も同じ大きさの価格変動リスクを背負っており、両者の損益の合計はゼロとなるものです。

例えば、為替取引や商品先物などが代表例。

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■「為替先物や商品先物は投機であり、投機は悪い行為」と言いたいわけでは全くありません。投機家がいなくて実需による売買のみだと、マーケットに流動性や厚みがなかなか出ず、マーケットを運営することが難しいと一般的には言われています。

投機家がいないと、投資もスムーズに行えません。

また、各種先物市場は、企業ないし生産者のリスクヘッジという重要な機能を提供しており、この点では社会の経済活動に立派に貢献しています。

例えば、第二生命が国債1000億を村野証券に売却したとしましょう。1000億という金額は大きく、村野証券といえども、なかなかマーケットや営業で短期間にさばききるのは難しいかもしれません。

この場合、保有している間に国債価格が下落してしまうと、村野証券は意図せぬ形で損害を被ってしまいます。そこで村野がどうするかというと、債券先物市場でショートポジションを取り、保有している国債の価格変動リスクをヘッジしたりする場合があります。

このとき先物がないと、村野が国債の売買を拒否したり、高い手数料を要求する可能性があり、社会の金融機能が低下する側面がある気がします。

また、輸出企業やコモディティの生産者が、為替やコモディティ価格の下落を予想する場合、利益が出る金額で為替レートやコモディティ価格を予約したりする場合もあります。

先物がないと、利益が不安定となり、安心して生産活動に取り組めず、結果的にマーケットの参入者が減って、競争が減り価格が高止まりし、社会全体の効用が減少するという側面があるかもしれません。

■思うに、先物・オプション(以下、先オプ)がギャンブルのような印象があるのは、投機目的での参加者が多く、大きなレバレッジが効くからかもしれません。

ただ、投機家が多くてギャンブル性が高いからといって、「悪いもの」とは言えません。

先オプの本来の機能は、為替、株価、商品価格などの変動リスクをヘッジすること。

先オプは価格変動リスクをヘッジするために手数料を支払います。これに対して、保険は死亡・医療費・火災・地震・自動車事故などのリスクヘッジのために手数料(保険料)を支払います。

両者の性質は似ており、先オプがギャンブルなら、保険もギャンブルとなってしまいます。保険をギャンブルと考える人はあまりいないでしょう。

要するに、同じような金融テクノロジーをリスクヘッジに使用すれば保険となり、リスクテイクに使用すればギャンブルになるわけです。

余談ですが、「保険は必要最低限度に抑えよう」とよく言われていますが、その理由は、必要限度を超えた過剰な保険は、リスクヘッジの意味がないため、「不幸な出来事が発生したら得をして、発生しなかったら損をする」というギャンブルになってしまうからだと個人的には思います。

■先オプについてまとめると、リスクヘッジ(保険)としてもリスクテイク(ギャンブル)としても利用できますが、リスクヘッジが趣旨であれば、検討に値する金融商品ではないかと思います。

ただ、もちろん、「手数料を払ってヘッジするのが妥当か、ヘッジする必要が生じているのは、そもそもリスク性資産の保有額が過剰なのではないか」というのはあるでしょう。

費用対効果、またそもそものリスク性資産保有額の大きさの是非は再検討してもいいかもしれません。

また、ギャンブルと割り切って利用するのももちろん問題ないでしょう。ネット証券などであれば、宝くじや競馬・競輪、パチンコなどと比べると、業者が抜くスプレッドが小さいため、ギャンブルとしても質は悪くないでしょう。

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    2010.06.17 Thu l 資産運用の考え方 l コメント (1) トラックバック (0) l top
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