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■ファンダメンタル

<株式> ・日経平均

日付日経225PBR予想PER国債
2003/4/287,6081.29109.090.61%
2007/7/2918,2622.0719.531.95%
2009/3/107,0210.8168.081.30%
2010/5/1410,4631.2819.451.31%

決算発表が進むにつれ、予想PERが順調に低下。20倍を切り、ほぼ平時モードに突入しました。株価の下落と増配予想により、予想配当利回りは1.62%に上昇し、長期金利を上回っています。PBRは2003年の大底時とほぼ同じ。

・TOPIX

TOPIXPBR予想PER配当利回りNT倍率TS倍率
936.451.2220.251.87%11.17 0.82

・米国

 NY Dow30S&P500
終値10,620.161,135.68
予想PER(2010年末)13.1414.26
EPS808.2379.64
10年国債利回り3.45%3.45%
リスクプレミアム5%13,1361,294
リスクプレミアム6%11,2991,113
リスクプレミアム7%9,913977

個人的には、S&P500が1000割れした際は、押し目買い予定です。

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■マーケット概況

シカゴ日経平均先物6月限(円建て)の終値は 10300 (大証終値比‐150)。週明けは1~2%の下落からスタートか。

5月に入ってからはギリシャ祭りとなっており、マスメディアやブログやツイッターで大きな議論となっています。

ジム・ロジャース氏は、「ユーロはいずれ消滅 」と大胆なコメントを出しました。

EUとIMFは、総額7500億ユーロの金融支援に踏み切りました。リーマンショック後の米国や1998年の日本に匹敵。

その内訳は、危機的状況のユーロ導入国の債務保証に4400億ユーロ、国際収支が悪化した国への融資枠の増強に600億ユーロ、IMFの追加拠出が2500億ユーロ。

この他に、ECBが市場で攻撃を受けている加盟国の国債の買入れを決定しました。主要国の中銀が国債相場を支えるのを目的に、国債買いに踏み切るのは異例。ECBは、これまで忌み嫌っていた「禁断の果実」まで飲み込み、いかなる手段も辞さない姿勢を見せました。

また、FRBなどがスワップラインを再設定し、欧州の銀行にドル資金の調達手段を提供しました。

救済措置の狙いは、(1)ユーロ圏内の国債スプレッドの安定化、(2)ユーロ圏内の国や銀行に安定した資金調達を提供、でしょうか。

これらの支援策ですが、当面は資金調達が安定化し、流動性の枯渇懸念も後退して、PIIGSなどの国債を売り込むコストが大幅に上昇したことから、当面は機能するような気がします。

■重要なのは今後どうなるかですが、当然これでめでたしめでたしという訳ではないでしょう。

ギリシャ国債は、証券化商品など、評価額やその保有者が不透明な資産と違ってリスクの把握は比較的容易なため、損失限度は把握できるとも考えられます。

(※CDSなどのデリバティブを通じたリスクがどの程度あるかははっきりしないかもしれません。)

問題がギリシャ国債の不良債権化のみであれば、(1)資産査定を厳格に行い、金融機関の不良債権を確定させ、(2)主要金融機関の自己資本が不足する分は、各国で公的資金を注入することで解決するような気もします。

しかし、ギリシャ問題がこれ程クローズアップされるのは、仮にギリシャ国債がデフォルトした場合、他の財政懸念国の国債も暴落し、主要金融機関に莫大な損失が生じて、再び世界的金融危機に陥る懸念があるからでしょう。

重要なのは、他の国にまで飛び火し、多くの国の国債が暴落するという危機の伝染がないか。構造的な財政赤字がギリシャ固有の問題なのか、他国にも伝染しうるものなのか。

この点、日経のデータを元に表を作成しました。

 財政赤字比率財政赤字額
アイルランド14.3%約233億
ギリシャ13.6%約322億
スペイン11.2%約1177億
ポルトガル9.4%約154億
イタリア5.3%約806億
PIIGS合計8.6%約2692億
ユーロ圏6.3%約5656億

※単位:ユーロ

確かにギリシャの財政状況は悪いですが、日米英の財政赤字も8~12%程度であることからは、ギリシャの財政状況が突出して悪いわけではない印象があります。

また、昔の中南米などの累積債務国のように、利払いが停滞していたわけでもありません。

ギリシャのCDSスプレッドが極端に拡大し、国債償還の際の再入札ができなかったのが今回の問題ですが、小国をターゲットにした投機取引が原因のCDSスプレッド拡大が背景にあると思われます。

したがって、今後、ギリシャ同様に、多額の財政赤字を抱えた国が、投機や思惑のターゲットになってもおかしくないでしょう。

他方、ギリシャには、財政赤字を偽装粉飾していたという固有性があります。

09年10月にギリシャで政権交代がありましたが、新政権下で旧政権が行ってきた財政赤字の粉飾が明らかになり、財政赤字は約4%から13.6%まで一気に膨らみ、債務不履行の不安からギリシャ国債が暴落したのが、今回の問題の契機でした。

他の国の財政状況は、今のところは以前から認識されていたことであり、ギリシャ・ショックで疑心暗鬼になって過大評価されている可能性もあるかもしれません。

この点、ECBのトリシェ総裁は、危機がギリシャから他国へ飛び火する可能性について、「事実とデータに基づくと、ポルトガル等の状況がギリシャと全く状況が異なることは一目瞭然」とコメントしています。

もちろん、トリシェ氏の発言はポジショントークかもしれませんし、他の国でも粉飾による財政赤字の急上昇があれば、一気に情勢が先鋭化する恐れはゼロではないかもしれません。他の国は大丈夫なんでしょうか・・・。

マーケットは不透明感をとても嫌うため、そのような不透明感(他国への飛び火リスク)が漂っている限りは、株価や為替は不安定な状況が続くかもしれません。

■では、幸いにして他の国ではこれ以上問題が表面化しなかったとして、ギリシャの行方はどうなるでしょうか。

今回の7500億ユーロ+ECBの国債買い入れにより、ギリシャ問題解決までの猶予ができました。欧州緊急支援策の効果は1年半 という声もあります。

一般的には、一国内の金融市場で信用不安が発生した場合、中央銀行が流動性を潤沢に提供して流動性の問題を解決し、その上で国が金融機関に公的資本を注入して、ソルベンシー(支払い能力)の問題を解決するというのが基本的な流れだと思います。

これに対して、国の財政危機の場合、これまでは、IMFが主導する形で財政再建計画が取りまとめられてきました。

昔の中南米などの例からは、IMFが債務リストラ(債権放棄)とコンディショナリティを課したうえで支払い能力を回復させ、流動性を供給するという方策が考えられますが、ギリシャの場合は、債務リストラにユーロ圏各国が反対しているし、他の国の国債が暴落する事態も懸念されています。

ギリシャ政府は為替・金融政策の自由を縛られたまま財政再建を成し遂げる必要がありますが、それが実現できるか。

緊縮財政でギリシャ経済がデフレスパイラルに陥り、国民の不満が爆発して政府が転覆し、ユーロ脱退や国債デフォルトを宣言したりする過激派が政権をとる危険性もあるかもしれません。

最も理想的なシナリオは、(1)各国で協調してギリシャへの債権の一部放棄などを行い、ギリシャも徹底的な緊縮財政を成功させ、(2)PIIGSなどへの飛び火は、流動性の供給などにより全力で防ぎ、(3)各国の金融機関などの損失は、適宜、各国政府が公的資本注入で対応する、という感じでしょうか。

ただ、こんなに上手くいきそうもないから、現在のような状況なのでしょうが。。また、その過程では株式や為替マーケットのボラティリティが高まり、乱高下することもあるでしょう。やっと金融危機を脱したと思ったら、再度、世界各国の銀行で不良債権処理に追われることになり、株価が下落することになる可能性も十分あるでしょう。

ただ、スペインやポルトガルで深刻な問題が表面化しない限りは、絶望的に悲観的にならなくてもいいような気が個人的にはしています。

リーマンショックと違う点は、現在の世界経済の状況が、回復の初期段階にあることだと感じています。

リーマンショックでは、景気拡大が長期化したことを背景に、過大なリスクをとった投資家のポジションが大きく巻き戻されたことで金融市場が世界的に大きく動揺しました。これを「リスクテイクバブル」と表現する識者もいます。

しかし、今回は過大なリスクテイクはないような気がします(私が知らないだけであり、もしかしたらあるかもしれませんが)。

また、実体経済においても、リーマンショック時は景気に対する楽観的姿勢から在庫が積み上がっており、その後の在庫調整が景気を一段と低迷させましたが、現在は在庫の増加局面が始まったばかりであり、景気に過熱感はみられないような気もします。

このため、ギリシャ問題が一段落すれば、投資家のリスクテイクが再び開始することは十分考えられるでしょう。

■まとめとしては、スペインやポルトガルでも問題が表面化した場合、株価のより一層の下落やユーロや高金利通貨が下落する可能性もありますが、ギリシャ固有の問題に留まった場合は、それ程調整が大きくならないかもしれません。

現時点では不透明な面が多過ぎて、どうなるかはわかりません・・・。

結局のところは、個々人が意思決定し、その結果に対する責任を負わなければなりません(新たな情報が入ったが、何もしないということも、一つの意思決定だと思います)。

以下は個人的な考えを述べたいと思います。あくまで個人的な考えであり、マーケットがどうなるかは全くわかりませんので、特定の投資行動を勧めるわけではまったくありません。

まずユーロについては、現在のレート(115~120円)は、過去の実質為替レートの平均であり、特に高くもなければ安くもない水準です。

また、これまでも何度か述べましたが、ユーロ/円の購買力平価はおよそ100円程度であり、ユーロはこれまで非常に過大評価されていた(割高だった)のが、普通の水準まで落ち着いてきたというレベルだと思います。

The Goal

財団法人 国際通貨研究所 から引用

為替相場は時としてオーバーシュートする傾向があり、今回もユーロ円で90~100円くらいまでの調整はあり得ると思います。もちろん、実質為替レートでは、過去平均くらいまで下落しており、ここで下げ止まる可能性もあります。

ユーロの下落は欧州の輸出企業にとっては恵みの雨ですが、日本の輸出企業にとってはマイナスです。日本の企業の想定為替レートは、120~125円程度が多いようであり、円高の悪影響もあるかもしれません。個別株投資をしている場合は、影響を考えた方がいいかもしれません。

ただ、日経の記事によると、クレディ・スイス証券は1ユーロ110円でも2010年度の経常利益へのマイナス影響は5%以下と試算しているようです。TOPIX全体としては、ユーロ安で日本企業崩壊というわけではないかもしれません。

先週も述べたように、まだ現在は上昇トレンドの一調整局面に留まっていると思います。また、日米のバリュエーションや経済指標は良好であり、先高感も感じます。

ただ、現時点ではソブリンリスクがどこまで拡大するかはわかりません。マーケットは何より不透明感を嫌いますし、日本以外の先進国では、概ね昨年3月以降、1年にわたって一本調子で上昇を続けました。しばらくは調整含みとなるかもしれません。

結論としては、個人的には、保有ユーロ建て資産はユーロ建てMMF数千円とMSCIコクサイ投信の一部であり、おそらく保有資産全体の10%までいってないので、為替ヘッジはかけません。世界経済の回復初期であり、大局的には今後株価が上昇すると思うことから、株価下落ヘッジも行いません。キャッシュはあるので、更に下落するようであれば、徐々に買い増していきます。

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    2010.05.16 Sun l マーケット雑感・運用状況 l コメント (2) トラックバック (0) l top
    コメント
    1. 淡々と

    今回も力作ありがとうございます。

    私も趣旨に賛成です。
    もしかしたら「ゆでがえる」になってしまうかもしれませんが、基本的には当面淡々とユーロを含めたリスクアセットを買い進めていくつもりです。

    去年の今頃でしたか、この先世界はどうなってしまうんだろう?と、凍り付いていたのは大失敗で仕方からねえ・・・
    2010.05.18 Tue l まつのすけ. URL l 編集
    3. こんな時期だからこそ

    こんばんわ。
    ふと思ったんですが、このユーロが急落してる昨今は、敢えて欧州の輸出企業か、または欧州と取引のある輸入業者に投資するのも良いかもしれませんね。
    しかし、一番良いのはしばらく様子見でしょうか。
    2010.05.22 Sat l まつのすけ. URL l 編集
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