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前回 は個別株投資の基本的なスタンスについて述べました。本日は投資対象の銘柄をどのように選択するかの視点について述べます。

シンプルに言うと、上場企業の株価の根源的価値は、「事業価値(将来の利益)+財産価値(資産)」だと思います。換言すると、将来予測されるEPSの割引現在価値とBPSが重要。

そして、その企業が持つ事業価値(将来予測される利益)と財産価値と、企業についている株価を比べて、実際の株価が割安か割高であるかを適切に判断するという流れになるでしょう。

換言すると、その企業の価値に対して、ついている株価(PBRやPER)は妥当であるかどうかという視点です。

以下、事業価値と財産価値をチェックする視点について簡潔にコメントします。まずは財産価値について。

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■財産価値

利益があまり出ていない企業でも、株価に比較して多くの財産を有している企業は、投資妙味がある場合があります。

主にB/Sで財産価値を分析することになります。B/Sの資産、負債、純資産について、それぞれコメントします。

<資産>

大別すると、資産には、(1)額面どおりの価値がある資産、(2)額面通りに換金できるか不明の資産、(3)いずれ費用化する必要がある資産の3つがあると思われます。

(1)は現預金などです。(2)は、売掛金、受取手形、棚卸資産、貸付金、有価証券など。(3)は、設備や建物、ソフトウェアなどの固定資産など。

いくらPBRが低くても、資産の中身に上の(2)や(3)が多ければ、投資妙味があるとは言えないケースも出てきます。

バブル崩壊後の2002~2003年ごろの日本の金融危機も、今回の金融危機も、主要金融機関の(2)の資産に問題が生じたことが主な問題の一つでした。

銀行などが保有している有価証券や担保に取っている土地などの価格が暴落したり、企業への貸出金が不良債権化したりして、主要金融機関に債務超過の危険が出ました。

過去に破綻した生保は、本業の不振を資産運用で一発逆転しようとして、ハイリスク・ハイリターンの投機に突き進み、結果的に傷口を広げて爆死したケースが多いと言われています。

特に市場のボラティリティが高い時期は、資産の不良化(資産に爆弾が潜んでいないか)には要注意。

(3)の割合が大きい会社は、将来の費用が大きい会社となります。固定資産は多ければ多い程いいという訳ではありません。土地以外の有形固定資産は、いつの日か費用化しなければならない資産とも表現できます。

売掛金・受取手形の金額が膨らんでいないか、繰延資産が大きくないかも要チェック。キャッシュの裏づけがない利益を計上しようとすると、この勘定科目の金額が膨らむ傾向があると言われています。

また、のれん代が過大でないかのチェックもした方が安全かもしれません。のれん代には換金価値は全くありません。現在はのれん代は何年かに渡り償却することになっており、いわば将来の費用です。

国際会計基準では、買収事業が順調に利益を上げている場合はのれん代を償却せず、いくつかの条件に抵触したら一気にのれん代を減損する方法を取っており、日本の会計処理もこれに統一される方向のようです。

のれん代が過大だと、今後事業がうまくいかなくなったら一気に減損が発生して、費用の増加&資産の毀損が発生する可能性があることになります。

のれん代が大きい企業は、そのリスクが問題ないかチェックした方が安全でしょう。

<負債>

大別すると、負債には、(1)将来的には返済する必要がある借金、(2)将来のリスクへの備えや利益の繰り延べ、の2種類があると思います。

(1)は借入金や社債、買掛金などであり、(2)は各種引当金や前受け収益などです。PBRが高くても、(2)のような負債が多ければ、問題ないケースもあるかもしれません。

規制によって保護されている業界の企業の中には、あまり儲かってるのを目立たせたくないため、費用の前倒し計上・利益の先送り(利益の負債化)を積極的に行っている企業もあると言われています。

そのような企業に投資妙味があるケースもあるでしょう。

<純資産>

純資産のうち、その他有価証券評価差額金や土地評価差額金などの割合が過大でないかをチェックしておくと安全かもしれません。

それらは本業で稼いだお金ではない含み資産です。

この割合が過大な企業の場合、株式市況や不動産市況が変化して、それらの価格が下落して含み益が消えて含み損が拡大すると、債務超過となって一気に窮地になりかねません。

以上、財産価値について述べました。次は事業価値についてですが、かなり長くなりそうなのでここで区切りたいと思います。

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    2010.05.07 Fri l 資産運用の考え方 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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