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■米債券運用会社PIMCOのビル・グロース最高投資責任者が、月例レポート で次のような見解を示しました。

「米英はそれぞれ、債務危機を回避できる状態にあるものの、両国債はポートフォリオ投資としては適切な投資先ではない。

米国債は単に、比較的悪くない選択肢であるだけかもしれない。単にギリシャ国債や英国債を米国債と比較することが、投資リターンを生み出す黄金律ではない。

米英国債よりも魅力的な選択肢がある。

米国は社会保障制度(ソーシャル・セキュリティ)や高齢者向け公的医療保険(メディケア)など、財源の確保されていない給付制度によって債務拡大に直面する。財政赤字や債務残高が拡大すれば、金利上昇、ひいてはインフレにつながるが、こうした傾向はいずれも債券市場には好ましくない。

米国の債務状況については、GDP比10%の財政赤字や膨らむ債務残高に加え、財源の確保できていない給付制度の問題がある。こうした将来の給付義務について、運用担当者はあまりに先の話として軽視しがちである。

しかし、米国の30年債の投資家は、米議会予算局(CBO)が財源の確保できていない将来の社会保障費(主にソーシャル・セキュリティとメディケア)の現在価値を2009年時点で46兆ドルと、現在の米債務残高の4倍と試算していることを知っておくべきだ。

英国債については、英国が将来、債務発行を拡大させれば、インフレ圧力が強まり、ポンドは相対的に価値が低下し、最終的には英国債の実現利益が低下することになる。

債券ポートフォリオは、一部ソブリン・イールドカーブの短期セクター(米国、ブラジル)と、潜在的な債務デフレを乗り切れるイールドカーブの長期セクター(ドイツ、ユーロ圏主要国)に配分すべき。

加えて、債務負担の増加は世界的な実質金利の上昇を後押しするものであるため、デュレーションの長期化ではなく、高格付社債スプレッド・リスクが有利」

一言で言うと、「長期の米英国債への投資は慎重にすべき。長期債ならドイツ」となるかと思います。

ビル・グロース氏が代表のPIMCOは債券の資産運用会社であり、債券の運用で株式に引けを取らない高いリターンをあげてきました。ビル・グロース氏は、「債券王(bond king)」の異名を誇っています。

PIMCOの運用会議の様子が、広瀬さんのブログ で紹介されていました。

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■米ドルについては、大投資家も悲観的な姿勢をとっています。ジム・ロジャース氏は、「米ドル、米国債はいずれ下落する。こんな国の通貨には悲観的にならざるを得ない。長期的なドル安は避けられない。」とコメントし、生活の本拠をシンガポールに移しています。

もちろんビル・グロースやジム・ロジャースの考えが的中するとは限りませんが、やはり米国のことは米国人が一番よく分かっているはずなので、米国人の大投資家の米国債への考えは、一定程度は参考にしようと思います。

米国の債務の持続性については、今度、日本国債と同様に調べてみようと思いました。

米ドルと英ポンドを避けるとすると、どの国の債券や通貨に投資した方がいいかという問題もあります。

第2の基軸通貨として期待されていたのはユーロですが、ギリシャ・ショックで通貨統合の限界や諸問題が見え始め、その行く末には不透明感が漂っていますよね。

経済構造など経済のファンダメンタルが異なる国同士が、各々に独自の中央銀行を持ち、財政政策は独自に決める一方で、金融政策だけを揃えて通貨統合するというユーロの枠組みは、そもそも厳しかったのではないかという懐疑論が再浮上しています。

購買力平価からみると、まだ対米ドル、対円でともに割高でもあります。

ではスイスフランはというと、「有事の際は金かスイスフラン」という言葉通り、購買力平価ではかなり割高な状況となっています。

豪ドルやNZドル、ブラジルレアルなどは高金利・高インフレ通貨であり、過去幾多にわたり、上昇と暴落を繰り返してきました。リスク(ボラティリティ)は高いです。

人民元投資 は、中国本土の銀行に口座開設しない限りは、現時点では割に合わないと思います。ただ、今は切り上げ間近という見解もあり、人民元切り上げを予測し、FXで人民元買いとドル売りを組み合わせた短期トレードで利ざやを稼ごうという人もいるかもしれませんね。私は短期売買はしませんが。

カナダは経済先進国として成熟した資源国であり、財務状況も比較的良いとされています。カナダドルの悪い情報はあまり聞きませんが、それでもやはり豪ドルとの相関性が極めて高く、リスク(ボラティリティ)は高い気がします。原油価格との相関関係が強く、原油価格の下落時は軟調になるかもしれません。

ではやはり円かというと、日本は過大な財政赤字に喘いでおり、日本国債は日本人の無謬の円信奉と国内の資金需要の低迷による貯蓄超過に支えられている気がします。

とまあどの通貨にも不安感が個人的にはあります。長期債も同様です。金価格が昨年高騰したのも、このような世界情勢が背景にあるのかもしれません。

■結局のところ、どの通貨が上昇するか、どの債券が良いかを正確に判断するのは、債券王率いるPIMCOはともかくとして、私には難しいです。

現在は、世界中で、金融が高度化され、完全にグローバル化されており、世界中の債券が投資対象です。(※新興国には規制が残る国もあります。)

世界中の投資家は、世界中の債券の期待リターン・リスクを比較検討し、米国債が豪国債よりリターンが低いと判断すれば、米国債は買わずに、豪国債を購入します。他の国との関係でも同様です。

また、債券に限らず通貨(為替取引)においても、同様です。ドルが強くなると思えばドルを、ユーロならユーロを、豪ドルなら豪ドルを購入します。

このように、現在の金融市場では、あらゆる債券と通貨に対するリスクとリターンが世界中で比較考量され、債券価格や為替レートが決定します。

少しでも期待リターンが高ければ、高い方が買われて価格や為替レートが上昇し、結果として割高性が出てきます。低い方は価格や為替レートが下落し、割安感が出てきます。概ね同じような期待リターンのところに均衡するまで、リターンの低い方が売られ、リターンの高い方が買われます。

つまり、先進国の国債や通貨は、基本的には、世界中で一つの期待リターンがすべての国で要求されることになると思います。

このような観点からは、分散投資をすると、期待リターンを低下させずに(期待リターンは平均となる)、リスクを低下させることが出来るというのが、一つのセオリーであります。

債券の投信は、株式と比較すると期待リターンが低いのに、信託報酬がそれほど安いわけではないのが難点ですので、生債券での運用が理想的だと思います。ただ、投信だと多くの債券に分散投資できるのは、とてもいい点です。債券投信を買う意義はその点にあると思います。

ただ、もちろん、結果としてのリターンは、どの国の債券・通貨も同じわけではありません。どの通貨がよいか、どの債券がよいかを“事前に”正確にわかる神通力を持つ人は、当然よいと予想する通貨や債券にレバレッジをかけて集中投資するのが良いでしょう。

ただ、例えばPIMCOも債券運用においては、多種多様な公社債の多くの年限の債券に分散投資していると思います。分散投資でのリスク低減効果は確実な果実である点は否定できないと思います。

もちろん、日本で生活する限りにおいては、最終的に必要となる通貨は円であるため、気が進まないのに無理にリスクをとって外債・外貨投資を行う必要はないでしょう。

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    2010.04.14 Wed l 為替・外債・FX l コメント (2) トラックバック (0) l top
    コメント
    1. 無題

    私も日米英独を比較するなら、
    独を選びたいですが、ユーロはなあ・・・
    ドイツマルクなら文句なしに買うんですが(^^)
    2010.04.15 Thu l 40歳無職. URL l 編集
    2. Re:無題

    >40歳無職さん

    ドイツマルクだとかなり魅力的ですね(^^)。

    ドイツは比較的財政規律のある日本のようなイメージですね。

    2010.04.16 Fri l まつのすけ. URL l 編集
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