TOP > 経済・社会・金融動向 > ご覧のページ

郵政改革案が最終決定され、ゆうちょ銀行の預け入れ限度は2000万、かんぽ生命の上限は2500万まで増額されることとなりました。最終的に政府は親会社を通じてゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式を間接的に保有し、拒否権を行使できるようになります。

あまりこういう問題について、云々コメントするのは好きではありません。メディアや学者や評論家は批評が仕事であり社会的役割ですが、そうでない一個人が具体的行動を伴わない批判をすることには意味がないと思いますので。

ただ、この問題はあまりにも「王様の耳はロバの耳!」と叫びたくなりました。不快感を感じる方がいらっしゃるかもしれませんがご容赦ください。戯言としてスルーしてください。

半官・半民の中途半端な金融株式会社が上手くいかないのは、新銀行東京や、米国のファニーメイやフレディマックの例から明らかだと個人的には思います。

新銀行東京には既に巨額の税金がつぎ込まれていますし、米国では両公社に公的資金が1250億ドルも注入されています。

ファニーメイは米国の政府機関を1968年に民営化し、政府の監督を受けながら株式は上場する半官半民企業でした。しかし、幹部が不正経理や過剰なリスクテイクによる利益で巨額報酬を手にして突っ走った挙句、サブプライムローンを拡大させて、実質的に破綻しました。

ファニーメイ前CEOは、「株主と住宅保有者の両方に対し責務を負っており、相反する目標の間で均衡を保てなかった。公的機関の性質をもちながら利益を追求する民間企業という経営モデルが持続的でなかったことに破綻の原因がある」旨の認識を示しています。

スポンサーリンク

日本郵政が仮に経営危機に陥った場合は、「大きすぎて潰せない」状況となると思います。民営化で巨大化・拡大が進み、仮にが失敗することがあれば、それはいずれ財政に跳ね返ってくる(国民が税金で損を負担する)と思います。

各種規制や法制度を日本郵政に都合よくどんどん改正し、民間企業を圧迫し、日本経済の資源配分効率が歪められることも懸念されます。早くも消費税免除の話が出ていることから、この危険性は大きい気がします。

今回の郵政改革では、株式会社である日本郵政が、政府のコントロール下にありながらも、中途半端に民間会社になります。

民間会社が預かった預金をもとに融資や出資などの意思決定を行うと、その背後に官庁・官僚、あるいは政治家の意向が実際にはあったとしても、それを「民間企業の判断によるもの」だとカモフラージュすることができます。

ゆうちょで集めたお金で国債を消化するのはけしからんという意見が多いですが、集めた資金を100%日本国債で運用するのであれば、個人的にはまだいいと思います(その場合でも、金利上昇リスクは怖いです)。

集めた資金をノウハウもないまま融資や国家ファンド、プライベートエクイティ、ヘッジファンドなどに回し、それが焦げ付いた時が怖いです。ゆうちょという“黄金の羽”に群った狩人に、食い物にされる危険性もあります。

公共性のあるビジネスやインフラビジネスに融資するという案もあるそうですが、悪い政治家や官僚の力の源泉は、全てお金を与えるか与えないかを巧妙に決定する権力を持っていることにあると感じます。

政府が拒否権を持つことから、ゆうちょ銀行には政府の影響が強いものとなるでしょう。融資に乗り出す場合、融資先の選定に政治家の影響力が極めて大きくなる気がします。プライベート・エクイティなどの形態をとった場合も同様です。

第2の新銀行東京になる気がするのは、要らぬ心配でしょうか。

“東京都の銀行”、巨大赤字の真相

いよいよ瀬戸際、新銀行東京

「国家ファンドを組成して、ゆうちょ銀行の資金を運用する!」というスキームは一見イケていて、格好良いイメージがありますが、問題が大きい気がします。

プロ中のプロに運用を委託したとしても、「リターンを得るためにはリスクを取らなければならない」という当たり前の経済原則は覆せません。

「日本版国家ファンド」に断固として反対する

ソブリン・ウエルス・ファンドとは何か?

民営化を見直し、政府が日本郵政をコントロール下において、実質国営とするのであれば、「昔のように郵政公社に戻し、必要最小限度の金融インフラや郵便に関するユニバーサルサービスを提供」とするのが筋だと思います

「必要最小限度」という点が重要だと思います。株式会社の形態をとって拡大・成長路線を採るのであれば、政府が持ち株の大部分を放出して完全民営化をするのが筋でしょう。完全民営化か、公社に戻すかのいずれかのスキームが正しいのではないかと思います。

この問題については多くの方が評論していらっしゃいますが、個人的には、以下のエントリに共感しました。

「郵政改革の基本方針」に伴う懸念 - 池尾和人

郵政問題で思うこと=国内資金循環の観点から

亀井案こそ郵政を潰す 時限爆弾のスイッチ入れた郵貯・簡保の限度額拡大

郵貯の限度額引き上げで何が起こるか

日本郵政改革法案を機に銀行株全般が大きく下落したら、とある銘柄を買い増そうと考えていましたが、下落するどころか高騰してボリンジャーバンドを上に突き抜ける結果となりました・・・。相場は難しいです。。

スポンサーリンク

Google+で売買報告や限定投稿を配信しています!


関連記事

    2010.04.07 Wed l 経済・社会・金融動向 l コメント (0) トラックバック (0) l top
    トラックバック
    トラックバック URL
    http://thegoalnext.blog.fc2.com/tb.php/280-d214bc0d
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)