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■T&Dフィナンシャル生命が、今年4月にも、毎年分配金を出す終身保険を発売するそうです。銀行などの金融機関で販売する予定のようです。毎年、定期的に分配金を出す終身保険は、保険業界で初だそうです。

公的年金では老後の生活が不安な高齢者に対して、「安全な資産運用ができ、老後の生活費の足しにできる。万が一の場合は保障もある」というセールストークで売るのでしょうね。

高齢層は保険に対する信頼が比較的高いと思われ、また、銀行窓口での終身保険の販売が増えているらしく、毎月分配型の投信が売れている状況からすると、ヒット商品になるかもしれません。利回りは個人向け国債よりも高く設定する予定だそうです。

ただ、終身生命保険や年金保険や養老保険等の貯蓄性保険を利用する際は、以下の点に注意した方がいいと思います。

(1) 予定利率ではなく、実質利率が重要
(2) 保険会社の信用リスク
(3)金利上昇リスク
(4)租税・社会保険料

以下順に述べます。

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(1) 予定利率ではなく、実質利率が重要
保険会社が宣伝する「予定利率」とはあくまで積立金に対する保証利回りにすぎず、実際に契約者が受け取る実質利率はそれより低いです。複数の保険会社の年金保険を調べてみると、概ね実質利率は予定利率マイナス0.5%程度でした。

つまり、予定利率だけを見て判断してはだめで、実質利率を見る必要があります。


(2) 保険会社の信用リスク
保険会社が破綻した場合、終身生命保険や年金保険等の貯蓄性保険は大幅に保険金がカットされます。

「保険契約者保護機構」があるので、生保破綻時にカットされるのは10%だけという誤解をしている方もいらっしゃるようです。機構により保護されるのは、責任準備金の90%です。責任準備金とは、保険会社が将来の保険金支払いのために、法律上積み立てが義務付けられている金額であり、その時点で解約した場合の解約返戻金と同じくらいになるようです。

あくまで各契約のその時点の責任準備金の90%が保護されるのであって、本来もらえるはずだった保険金の90%が保護されるわけではありません。

昨年破綻した大和生命の例では、終身年金保険は最大80%カットされました。また、「早期解約控除」が設けられ、破綻してから一定期間内に解約すると、解約返戻金が大きく減額される場合もあります。

要するに、保険には社債と同じような信用リスクがあります。いくら個人向け国債より利回りが少しよかったとしても、信用リスクと比較してどうかという点を考える必要があるでしょう。

保険が安全と言えたのは、護送船団方式のもとで厳しく監督官庁から統制され、保険会社が破綻することはまず考え難かった時代(1980年代まで)の話です。

貯蓄性がある保険商品を契約する際は、社債を購入する場合と同じように、財務諸表や決算報告書などで、保険会社の財務状況や経営状況を分析した方がいいでしょう。予測される破綻リスクと比較したリスク・プレミアムは妥当かという観点です。


(3)金利上昇リスク
予定利率固定型の年金保険は、本質的には「保険という名がついている社債+定期的に残高を取り崩してお金を支払うサービス」だと思います。終身生命保険は、「保険という名がついている社債+死亡保障」です。

つまり、これらの貯蓄性保険は債券的性質があり、金利上昇に弱いです。債券は金利が上昇すると価格が下落しますが、貯蓄性保険にも同様の性質があります。

個人が保険を時価評価することはないので、含み損を認識することはありませんが、時価評価すると実質的に元本割れしていると評価できるケースが出ることもあり得ます。

要するに、貯蓄性保険の運用期間は長期にわたり、債券でいうデュレーションは長いため、低金利で今後は金利上昇が見込まれる状況での契約は慎重にした方がいいかもしれません。


(4)租税・社会保険料
普通の終身生命保険の場合、死亡保険金は相続財産の一部となるため、相続税がかかります。しかし、相続税を払うのは、「5000万+法定相続人の数×500万」以上の人だけであり、相続税が発生するのは全体の5%程度のみです。ほとんどの人には心配無用でしょう。

また、解約返戻金は一時所得となり、他の所得と合算して所得税の対象となります。解約時の1度のみで済みます。ちなみに、一時所得として所得税の対象となる額は、「(解約時受取金-払込保険料-特別控除50万)×1/2」です。

これに対して、新しい毎年分配型終身保険の場合、おそらく分配金は雑所得になると思います。※まだ商品内容が明らかではないので、実際は異なる可能性もあります。

例えば、公的年金や企業年金も雑所得として課税されますし、雑所得は総合課税なので、他の所得(給与所得や一時所得)と合算して課税されます。他の所得の状況によっては、租税・社会保険料が増加してしまう可能性はありますので、この点で問題は生じないかを検討した方が安全でしょう。


■まとめると、貯蓄性保険の契約時には、以下4点の検討が必要だと思います。

(1)予定利率ではなく、実質利率を見る
(2)保険商品の実質利率は、破綻リスクを勘案すると妥当な水準かをチェック(社債購入と同じように信用リスクをチェック)
(3)金利動向をチェック
(4)租税・社会保険料の問題をチェック

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    2010.03.10 Wed l 保険 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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