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■みずほ信託銀行が、年金基金向けの「長期基本モデル・アセット・ミックス」の中で、山崎元さんと同じような期待リターンの設定をしていました。

The Goal

何より目につくのは、期待リターンについて、国内債券=外国債券、国内株式=外国株式に設定してある点です。余談ですが、国内債券やキャッシュの期待リターンが高めなのは、中長期的なインフレ予想を反映させているためでしょう。

※山崎元さんのコラム→アセットアロケーションを計算する(上)



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■この点については、外国債券の名目利率の高さや、日本と比べた外国の成長率の高さに着目し、外債や外株の方が期待リターンが高いのではないかと考える方が多い気がします。みずほ信託銀行の「国内アセットの期待リターン=海外アセットの期待リターン」の考え方の背景について、個人的な考えを述べたいと思います。

現在の世界経済においては、金融が完全にグローバル化されており、世界中の株や債券やREITに簡単に投資できます。(※新興国には規制が残る国もあります。)

世界中の投資家は、日本の株・債券も、アメリカやドイツの株・債券も、ブラジルや中国の株・債券も、すべて投資対象です。世界中の株や債券の期待リターン・リスクを比較検討し、投資先を決定します。

世界中の投資家は、低成長の日本株のリターンが、高成長の外国の株のリターンより低いと判断した場合、日本株を購入せずに、外国の株を購入します。例えば、日本株のリターンが3%、新興国株のリターンが10%と判断すれば、日本株より新興国株を購入する人が増えます。現在はそのような状況ですね。

この場合、日本株の価格に下落圧力がかかり、外国株の価格に上昇圧力がかかります。日本株の価格がフェアバリュー以下に下落しすぎると、上昇する可能性が高くなるので期待リターンは上がります。外国株が上がり過ぎると、下落する可能性が高くなるので期待リターンが下がります。

そして、概ね日本株の期待リターンと外国株の期待リターンは均衡するという考え方が、前述のみずほ信託銀行の考え方かと思われます。

要するに、株式で言うと、低成長の国の株価は、低成長に相応した価格が形成され、高成長の国の株価は、高成長に相応した価格が形成されます。

「出来杉ロナウドくんは、次のテストの成績は+10%でしょう」、「日本カズくんはどうせ+1%だよね」と市場参加者は予想しています。そして、その予想に基づいて株価は形成されます。+10%の成長が予想される国は、+10%の成長が織り込まれた株価水準になります。

大事なのは、市場参加者の予想以上に成長すること。いくら低成長でも、予想を上回った成長をした場合は、株価は上昇することになり、いくら高成長でも、予想を下回った成長に終わった場合は、株価に悪影響です。

このように、グローバル化された金融市場では、あらゆる国のアセットに対するリターンとリスクが、世界中で比較されて価格が決定されていくことになります。そこでは、当然魅力に欠ける国の株式は積極的に買われずに売り込まれ、高い成長を誇る国の株式は買われ、概ね同じくらいのリターンが見込める水準に均衡するという考え方があります。

したがって、国内株式と海外株式のどちらの期待リターンが高いかははっきりしないとも言えるでしょう。

もちろん、常にその状態が成り立っているわけではありません。市場参加者の認識に誤りがあることは往々にありますので、フェアバリュー以上に割安に放置されてたり、フェアバリュー以上に割高に買われることがあります。

ある時期は日本株が割安だったり、ある時期は米国株だったり、ある時期は新興国株だったり、まちまちです。それを判断し、ある時期は日本株>外国株、ある時期はその逆というように適宜判断し、ダイナミックにポートフォリオを組み替えるやり方もあります。ヘッジファンドの多くはこれでしょう。

他方、この「日本株=外国株」は、それとは逆に、完全に中立な相場観を前提にしている気がします。グローバル化された金融市場では、事前にどの国がいいかを判断することは難しいという立場かもしれません。


■以上、「日本株の期待リターン=外国株の期待リターン」理論の背景について述べました。

私自身はどう考えているかというと、期待リターンを厳密に設定するのはきわめて難しいので、唯一無二の答えはないと思います。ただ、やはりこれまで述べたように、グローバル化された金融市場においては、どの国がいいかを事前に判断するのは難しいため、分散投資がベターではないかと思います。

日本株100%や、新興国100%のようなポートフォリオは、やはり一概の危うさを持っており、日本株、先進国株、新興国株に幅広く分散投資するのが無難ですし、分散効果によるリスク比のリターン向上が見込まれると思います。

もちろん、最も大きな利益を得る可能性があるのは、割安な国の割安な銘柄を購入し、長期保有するウォーレン・バフェット氏のようなスタイルでしょう。

バフェット氏は、2002~2003年ごろ、まだ今ほど中国に世界の目が集まっておらず、中国株もかなり安かった頃に、中国株に大規模な投資をしました。また、2008年9~10月には、「フリーフォール」と呼ばれた暴落の中、「いかなる経済状況となっても、米国経済とゴールドマン・サックスを信頼している」旨のコメントを出し、ゴールドマンサックス、GE、ダウ・ケミカルなどに総額200億ドルを超える金額を投資しました。

彼のこのような、割安な株価だった優良銘柄への投資は大成功に終わりました。しかし、このやり方は誰にでも出来るわけではありませんし、少なくても私には難しいです。ベストではないかもしれないが、ベターな選択肢なのは、やはりインデックスファンドを利用した分散投資かと思います。

長くなりそうなので、今日はここまでとします。次回 は債券の期待リターンについて改めて述べたいと思います。

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    2010.01.19 Tue l 資産運用の考え方 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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