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前々回前回と企業年金制度の一般論について述べました。今回は、IFRSの導入が企業年金に与える影響についてまとめたいと思います。

国際会計基準(IFRS)の改定基準が2011年に公表される予定です。

日本では、2012年に上場企業に強制適用するかどうかを決定し、最低3年間の移行期間を経て、2015年にも上場企業に強制適用される可能性があります。

IFRSの包括利益では、企業が保有する株式や不動産などの時価の変動を考慮して、資産から負債を引いた純資産全体の価値がどの程度増減したのかが、利益とみなされます。

IFRSの新基準では、年金の積み立て不足を貸借対照表(IFRSでは財政状態計算書)に計上させる案が有力であり、さらには、積立不足額を純利益にも一括反映する案も検討されているようです。

これらが実現した場合、財務が悪化する企業が続出する可能性があります。

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某大手企業の幹部の方には、純利益への一括計上が必要になった場合は、影響が大きく企業が自前で年金を維持するのは極めて困難になるという意見もあります。

また、企業経営者やコンサルタントなどからは、企業の収益に過度な負担をかけずに、存続可能な制度へと企業年金を根本的に見直すべきとの意見もしばしば聞きます。

いくら本業が好調でも、株価次第で赤字転落となるのを避けるため、企業年金の株式運用が後退したり、株式持合いが解消する流れになる可能性もあるかもしれません。また、多くの企業で巨額の増資が必要になる可能性もあります。そうなれば、株式市場の需給に影響が出るかもしれません。

いよいよ企業年金の負担に多くの企業が耐えられなくなり、日本企業の成長戦略に大きな支障をきたす事態となれば、現在の企業年金関連の法制度の抜本的見直しがある可能性もゼロではないでしょう。

無条件に確定拠出年金に移行してよい制度となったり、予定利率を経営者の判断で引き下げることが可能な制度への法改正が考えられます。経済界の総意はこの方向でしょう。

私は会社員の立場ですので、企業年金が今後も存続してほしいと思います。ただ、企業年金は、日本の経済成長が続き、会社が危機に陥ることはなく、年金基金が独立したファンドとして未来永劫持続するという前提の下で成り立ってきました。今後は、そのような前提は厳しいといわざるを得ないかもしれません。

個人的には、今後は企業年金に関しては以下2点を意識した方が無難かなと思います。

(1)企業年金が将来にわたって100%必ず存続するとは想定せず、企業年金ありきの借金や巨額消費は慎重にする。

(2)就職先や転職先を選ぶ判断基準に、企業年金があるか否かは入れない。

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    2010.01.18 Mon l 経済・社会・金融動向 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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