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■むく介さんより、コメントでご質問を頂きました。その中に「株式はハイパーインフレに対して有効?」旨のご質問がありました。本エントリでお答えしようと思います。

一般論としては、株式はインフレに対して、債券に比べて対応力があると言われています。単純化したケースで、インフレが株価に与える影響を見てみます。次のような会社があると仮定します。

<A株式会社>
----------
売上:100億円
利益: 10億円
発行株式数:200万
一株当り利益:500円
株価:1万円
PER:20倍
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ハイパーインフレが発生し、物価が10倍になったとします。売上や事業構成が変わらず、投資家のA社への評価も変化しなかった(PERが変化しなかった)と仮定すると、A社のデータは、以下のように変化します。

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売上:1000億円
利益: 100億円
発行株式数:200万
一株当り利益:5000円
株価:10万円
PER:20倍
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物価が10倍になったのに伴い、株価も10倍になりました。このように、他の条件が変化しないという仮定の下では、株式はインフレに対応できます。

しかし、現実の経済では、様々な経済状況が変化するので、常にインフレ時には株価が上昇するとは限りません。

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インフレの初期には、物価の値上がりにより利益が伸びやすくなり、金利の上昇が追いつかない場合が多いため、株式投資が、債券投資に比べて有利になりやすいと思われます。

インフレが長期化してくると、中央銀行はインフレ抑制のため政策金利を上昇させることが多いでしょう。金利上昇により、実質金利が高くなった状況では、必ずしも株式投資が有利とは限りません。

また、原油などの価格が上昇したことにより、インフレが発生した場合は、企業の利益に悪影響が及ぶことも多いと思われ、株式にはマイナスとなります。いわゆるスタグフレーションの状態。

2007~2008年の状況を見ると分かりやすいと思います。原油価格の上昇により、物価が上昇し、長期金利も上昇しました。株式も2007年半ばまでは上昇しましたが、その後は下落に転じました。

まとめると、株式が常にインフレに対応できるわけではないが、基本的にはインフレに強い資産だと思います。


■先日も述べましたが、1970年代以降では、ほとんどの期間は、個人向け国債(変動10年)の想定利率、1年定期預金の利率は、インフレ率を上回ってきました。

インフレ率の方が上だった期間は、主には以下の4つの時期です。概ね、10年に1回でした。

①第1次オイルショックの時期(1973~1975年)
②第2次オイルショック直後の2年間(1980~1981年)
③消費税率引き上げに伴うインフレ時期(1997~1998年)
④原油バブルが発生した2007~2008年

この時期の株価の推移を見てみます。月足の終値をチャートにしました。

The Goal

The Goal

過去40年のデータでは、個人向け国債と1年定期預金でインフレヘッジできなかった期間(インフレ期)、株式のパフォーマンスは今ひとつですね。

オイルショックによる物価上昇で経済が混乱したこと、消費税増税により景気が低迷したこと、サブプライムを端とした金融危機があったことによる悪影響が、インフレの影響を上回ったのだと思われます。

このように、株式がインフレに必ず対応できるとは限らず、ケースバイケース。ハイパーインフレが発生した場合においては、経済が混乱し、企業業績への悪影響も懸念されるため、株式のハイパーインフレリスクヘッジ機能は、過度には期待できないかもしれません。

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    2009.12.25 Fri l 資産運用の考え方 l コメント (2) トラックバック (0) l top
    コメント
    1. ありがとうございます。

    >まつのすけさん

    わかりやすいご回答、ありがとうございます。
    株式がインフレに強いとは限らないんですね。

    とは言え、ハイパーインフレなんていつくるかわかりませんし
    考えても対策は難しそうですね。
    2009.12.27 Sun l むく介. URL l 編集
    2. Re:ありがとうございます。

    >むく介さん

    ハイパーインフレ対策は容易な手段はないですよね。私自身は、強いインフレ傾向が出てきたら、外貨建て資産を増やしていこうと思っています。
    2009.12.29 Tue l まつのすけ. URL l 編集
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