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■欧米系格付け会社フィッチが、財政赤字が深刻化するギリシャ国債の格付けをA-からBBB+に引き下げました。今後の見通しはネガティブであり、更なる格下げの可能性もあります。

ギリシャは、既に公的債務がGDP比135%を超え、今年の財政赤字は12.7%とユーロ圏最大であるそうです。

このニュースを見て、日本は大丈夫?と思いました。

日本の公的債務は、GDP比約170%(ギリシャ+35%)に達しており、昨年の一般会計の財政赤字は30.5%(ギリシャ+17.8%)と先進国最大。単純な数字だけ見ると、ギリシャが可愛く見える財政状態です。

※もちろん単純には比較できないでしょう。※ご参考(磯崎さんのコラム)

日本の長期国債の利率は約1.3%とギリシャ(約5.6%)と比べて大幅に低いです。米国(約3.6%)、イギリス(約3.9%)、イタリア(約4.0%)、ドイツ(約3.2%)と比べても低く、いわば政府の債務負担能力が過剰信任されている状況とも表現できるかもしれません。

その大きな要因は、国債の国内消化ができていることでしょう。日本は貯蓄超過国であるため国内消化が可能です。公的債務がGDPの約1.7倍ですが、個人金融資産がGDPの約3倍であり、これが国債を買い支えています。

日本国債は約94%が国内消化であり、外国人の割合は約6%に過ぎません。これに対してアメリカ国債は約50%が海外勢の購入であり、欧州諸国も日本に比べると、外国人の割合が大きいです。

しかし、高齢化により家計貯蓄率は低下すると予測されており、いずれ経常赤字に転じて、国債消化を海外勢に頼る必要が生じる可能性があります。

その場合、海外投資家は、国内勢より高いリスクプレミアムを要求するでしょう。財政がこのまま悪化し続ければ、長期金利が上昇し、国債の利払い負担が重くなり、更に財政が悪化し、更に金利が上昇するというスパイラルに陥る展開もあるかもしれません。

日本経済の最大のリスクは、国債の国内消化が出来なくなり、対外債務が増加することではないかというイメージがあります(※厳密に調査したわけではなく、実際は違うかもしれません)。

■この点、「日本の家計金融資産は約1400兆あり、国長期債務残高は約800兆 なので、まだまだ余裕がある」という意見もあります。政治家からも、度々このような意見が出ます。

しかし、これって怖くないですか?これって、「国の借金が返せなくなったら、国民の金融資産を取り上げて帳消しにするから大丈夫」と言ってますよね?

堂々と「いざというときは、国民の金融資産で国の借金はチャラにする」という主張がまかり通っている事実は、個人的には重く受け止めてます。

金融資産の封鎖や、インフレ誘導によるハイパーインフレが起こりそうな時、どうするかくらいはシミュレーションしておいた方がいいと思いました。※インフレを人為的に起こし、円の価値を10分の1にすれば、国の借金も実質的に10分の1になります。

この点、ブログ「Bankの秘密基地」 さんに、参考になる記事があります。

以下、Bankの秘密基地から引用。下線、太字は私がつけました。

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日本の歴史を良く見ると債務によって破綻を何回も経験しているのだ。まずは第二次世界大戦直後、敗戦によってというよりも敗戦のドサクサに紛れて企業の戦時債務が棒引きされた。形の上では戦時の債務を国が支払った上で、その収入に対して100%の税をかけた。はっきりいって詐欺ですな。

企業への債務はこうした詐欺的行為で帳消しにしたが、国民から集めた国債はそういうわけにもいかず、今度は預金封鎖という強制手段により購買力を大幅に縮小させた上に、折からのハイパーインフレにより、実質的な債務の棒引きを行った。

資産家に対しては財産税を最高90%課したことで国民のほとんどが窮乏化することになった。戦時債務の名目額は変化しなかったものの、インフレにより実質的な価値は戦後10年でなんと300分の1に低下した。やっぱり詐欺ですな。  関東大震災後の昭和恐慌においても銀行モラトリアムという形の強攻策がとられており、3週間の支払猶予令が発せられた。さらに遡れば、明治維新後の混乱も同じようなことが起こっている。武士に対して俸給を国債で支払ったことで国債価格が暴落。多くの旧武士が換金を焦ったことで価値が急落。結果的にインフレを招き、実質的な価値を棒引きする形になる。江戸時代にも同じことが起こっている。寛政の改革(1789年)時に松平定信が棄捐令を発布。当時の金融機関である札差(大名などに多額な債権を保有していた)に対し、6年以前の札差債権を無効として棒引きした。札差は一日にして118万両を失ったと言われており、これによりマネーサプライの激減、デフレが進行した。江戸時代前は徳政令が有名で結局、政府は時に極めて強攻策を取りうることを示している。  結局の所、自分の資産は自分で守るしかないという結論ではあるが、人がまず考えるのは円資産を外貨資産に換えて保有するという手段である。ソ連崩壊前後ではロシアの人はドル資産をより多く保有しようとした。ブラジル、アルゼンチンなどの南米諸国でも同様である。

外国債券や外貨預金であるが、国内で外貨資産を保有したとしても100%の資産防衛にはならない。アルゼンチンでは数度にわたり経済危機が発生し、1990年にいわゆる預金封鎖を実行し、強制的に国債に転換させられた。アルゼンチン国民はペソ預金からドル預金にシフトして資産防衛を図った。

2001年に再度の経済危機が発生。政府はドル預金の引き出しを制限し、月額1000ドル以下の引き出しとした。それでも預金流出が止まらない状況に政府はついにドル預金をペソ定期預金に転換させ、しかも1年間の払い出し禁止。いわゆる預金封鎖を実行した。ようするに国内法に準拠する金融機関であれば通貨がなんであれいつでも財産は没収できるということである。  すなわち、国内法に準拠しない、海外での銀行口座を保有することが資産ヘッジになるわけである。

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引用終了

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過去の日本史を振り返ると、およそ100年に1度は、国家財政の危機による国民の財産没収&国の借金棒引きが行われてきました。最後に財産没収&それで国の借金チャラが行われてから、65年目になろうとしています。2008年は100年に1度と言われる金融危機が起こりましたが、100年に1度の借金踏み倒しは勘弁してほしいところですね。

Bankの秘密基地さんがおっしゃるように、国の財政破綻に対する最大のリスクヘッジ手段は、海外の銀行・ネット証券に外貨建ての資産を保持することでしょう。

現在のロシアの新富裕層(イギリスの名門サッカークラブを買収したアブラモビッチなど)は、ロシアの財政破綻によるハイパーインフレが起こった時、海外の銀行に外貨建ての資産を保有していた人が多いと言われています。

個人的には、以下のような兆候が見え始めたら、要注意と考え、海外の銀行やネット証券の口座開設を検討する予定です。

①日本国債の国内消化が難しくなり、海外勢の保有が増加

②日本の対外債務が激増

③日本の金利が大きく上昇 ④為替レートが大きく円安に振れる

⑤高インフレが進行する

⑥日本政府が円安に介入し始める。

国債の消化状況、インフレ率、金利、為替レートがポイント。対外債務の増加、高インフレ、高金利、大幅円安には注意。

海外の金融機関を利用する際は、その国の信用力、その金融機関の信用力をしっかり検討する必要があるでしょう。預金封鎖や重税の課税などが起こる可能性は、何も日本に限られる話ではなく、海外でも同様です。「日本が危なそうだからオフショアのプライベートバンクに資金を移したら、いつの間にか預金残高に10%の税金を課するという法律が出来ていた」などという事態もあり得るでしょう。

海外の金融機関を利用するのであれば、一定程度その国の法令や諸制度にも精通する必要があるでしょう。

やはり、先進国にあるHSBCやスタンダードチャータードなどの世界的に展開している金融機関か、先進国の大手金融機関が無難か。できれば、ネットバンキングも可能なところがベター。

日本に近いところでは、ハワイ(アメリカ)やオーストラリア、シンガポール、香港あたりでしょうか。

利用する海外の金融機関は、以下が候補か。橘玲さんの「海外投資を楽しむ会 」が参考になります。

<アメリカ>

バンクオブハワイ、ユニオンバンク 、ファーストレード証券

<オーストラリア>

ANZ銀行、ウエストパック銀行、コモンウェルス銀行、HSBCオーストラリア

<シンガポール>

HSBC、DBS銀行、スタンダードチャータード銀行、フィリップス証券

<香港>

HSBC香港、Boom証券

■もちろん、現時点で、日本国の財政破綻に備えて、大きな手間とコストをかけて海外の金融機関に口座を開いたりする必要は全くありません。時期早尚中の時期早尚であり、他に気を使う必要があることがいくらでもあるでしょう。

ちなみに2007年の交通事故での死亡者数は、5,744人。過去10年の平均値は、8,259人。日本全国では、およそ1時間半に1人のペースで、交通事故で亡くなっている方がいることになります。生の数字を見ると、かなり多い印象。普通の交通事故は報道されないので、ついつい意識が希薄になりがちですが、「最も身近な脅威」は交通事故かもしれません。

国家財政破綻の対策よりも、交通事故の対策の方がはるかに緊急性が高いでしょう。日本国による国民の財産没収は100年に1度ですが、交通事故死は1時間半に1人です。

例えば、国債の50%を海外勢が消化、長期金利が10%、ドル円200円、インフレ率9%のような事態になるまでは、心配は無用でしょう。

海外の金融機関を利用すると、①手続きが面倒、②トラブル時の対応は自力解決が必要(トラブル解決業者に依頼すると、多額の費用がかかる)、③高コストなどの様々なデメリットがあります。また、利用に際しては、英語力がないと厳しいか。

※Bankの秘密基地さんの、「グローバル投資 」というカテゴリの記事が参考になります。

特にプライベートバンクなどは要注意。手数料の雨嵐であり、金融業界版プチボッタクリバーといえるでしょう。利用するのは、あくまで普通の銀行やネット証券で十分。

ただ、海外へ目を向け、海外の金融サービスはどうなっているのか、海外の金融機関を利用する際の手続きはどのようになっているのか等についてネットなどで情報収集したり、英語を勉強したりするのは、有意義ではないかなと思ったりしています。

英語力に自信があり、海外ETFや米国債券、米国株などを購入する方は、ファーストレード証券の利用 を検討してもいいかもしれません。ただ、相続の際の手続きが面倒という話は聞いたことあります。

売買手数料は6.95ドルで日本の証券会社より安く、米国債や社債も日本より低コストで取引可能です。米国の銀行に口座を開設すれば、そこから証券口座への入出金は低コストですが、日本の銀行からの入金は、2500~4000円程度かかってしまうのが難点。

実は私も、日本では取り扱っていない銘柄を購入したくて、一時検討したのですが、諸々の手間を前に尻込みしています。。

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    2009.12.15 Tue l 資産運用の考え方 l コメント (2) トラックバック (0) l top
    コメント
    1. 僕も

    こんにちは。
    僕も国内では買えない銘柄がが買いたくて、
    海外に証券会社の口座を作りたいと考えています。
    が、送金の手数料や手間、英語力不足を
    考えると躊躇します。

    国内CFDでは、数多くの海外銘柄が購入
    出来るようですが、金利が毎日発生するところが
    ほとんどなので、これまた厳しいです。

    2010.05.28 Fri l music465. URL l 編集
    2. Re:僕も

    >music465さん

    国内の証券会社も、もうちょっと銘柄を増やしてほしいですよね。。。

    CFDという手もありますね。購入単位が高めなイメージがあり、その点が解消されると嬉しいです。
    2010.05.28 Fri l まつのすけ. URL l 編集
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