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昨年以来、JALの企業年金問題がクローズアップされ、企業年金に大きな注目が集まりましたね。

この問題については、どの立場に立つかで見える景色がガラリと変わるかと思います。会社員、企業経営者、投資家の3つの立場から、企業年金について見てみたいと思います。

※ここでの企業年金は、厚生年金基金や確定給付型の企業年金です。確定拠出年金は除きます。

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■会社員の視点

「会社の業績が悪いのならば、企業年金は減らして当然」という意見もありますが、これでは普通の会社員の立場はとても弱くなってしまいます。もちろん、公的資金が注入されているような企業(りそなやJAL)や、半官半民の企業などはまったく別問題です。

退職金や企業年金は、賃金の後払い的な性質があり、支払うこととされている退職金や企業年金を払うことは、企業の責任だとも考えられます。払いたくないなら、企業は最初から企業年金や退職金の制度を設けなければいいので。外資やベンチャー企業は、企業年金や退職金はないところが多いですね。

企業年金制度は、外部に積立を行い、退職金の権利を保全する仕組みとなり、積立金は企業年金の支払いのみに用いられ、会社が流用することは出来ません。

これに対し、退職金制度は、その資金手当は義務づけられていないため、十分に保全されないことがあります。会社が破綻した場合は、返ってこないことも大いにあるでしょう。したがって、企業年金は、退職金より透明性が高い制度です。

確定給付企業年金法では、年金の減額においては、OBや労組との合意や厚生労働省の認可が必要となっています。

企業年金の減額の具体例としては、予定利率の引き下げ(ex:4.5%→1.5%)、受取り年数の長期化(ex:10年→15年)、終身年金の廃止、企業年金の解散などがあります。

確定拠出年金以外での企業年金では、企業が確定的な年金額を保証しており、約束した利率よりも運用成果が悪ければ企業が穴埋めする必要があります。厚生年金基金を代表とする、昔からある企業年金の予定利率は、概ね4.5%~5.5%程度が多かった印象があります。

企業が従業員の福利厚生を考えて、リスクをとって運用してくれて、なんて素晴らしいサムライスピリッツなんだという訳ではありません。企業も慈善事業ではないので、魂胆がありました。

高度成長期からバブル崩壊までの間は、安全資産の国債や定期預金でも6%を超える金利でしたので、昔の企業年金は、予定利率と国債・定期預金との差額を抜いていて、企業が儲けていたわけです。生命保険会社の年金保険なども構図は同じです。

この企業の「ピンハネ」は日本の成長期には上手く機能しましたが、バブル崩壊以降に状況は一変し、4.5%の利回りは夢物語となってしまいました。国内債券だけでは到底無理なため、年金基金は株式や外債投資に乗り出しましたが、国内株式や外債運用は失敗も多く、巨額の穴埋めが必要となる状況へと陥った企業もありました。

しかし、会社員の立場からすると、「1990年までずっと『福利厚生』の美名のもと、予定利率と安全資産の利回りの差の分、会社がピンハネしておいて、それができなくなったら『ハイ、解散』だなんて、そんなジャイアンみたいなこと言わないでよ」となりそうです。

長くなりそうなので、今日はここまでとします。次回は、企業経営者と投資家の視点について述べたいと思います。

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    2010.01.13 Wed l 経済・社会・金融動向 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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