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■野口悠紀雄氏のコラムで、為替レートに大きな影響を及ぼす投機的取引に関する記事がありました。

以下、ダイヤモンド・オンラインのコラムの要約です。カッコ部分、太字、下線は、私の補足です。

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為替取引に「実需原則」の制約がなされており、資本移動に制約があった時代には、経常収支黒字の増減が為替レートを決める主要な要因になると考えてよかった。経常収支の黒字が増大すれば、円に対する需要が増大するから、円高になる。そして、黒字の額だけ海外への貸付や投資が受動的になされる。

つまり、この時代には、主体的・能動的に行なわれるのは経常取引であり、資本取引(少なくとも、直接投資以外の取引)は経常収支の結果として受動的・反射的になされるだけだと考えることができたのである。

現代の世界では、資本取引に対する実需原則が撤廃されているため、金利差や将来のレートに対する期待によって巨額の資本が国際間を移動する。それは、経常収支の結果として反射的、受動的に決まるものではなく、経常収支とは無関係に主体的、能動的に行なわれる取引が大部分を占めるものである。

 しかも、資本取引は、瞬時に巨額の取引が行なわれる。したがって、現在の世界では、経常収支だけでは為替レートの動きは決まらない。むしろ、資本取引が重要な役割を果たすのである。

(1)投機的と解釈できる資金の流れがあり、これが為替変動を増幅する。 (2)その資金は、年によって方向が大きく変わる。経常収支は急に反転するようなことはないが、「その他投資」は大きく変わる。

開放経済における標準的なマクロモデルである「マンデル=フレミング・モデル」は、「経常収支が拡大すると、資本流入が生じ、それが円高をもたらす。したがって輸出が減少し、経常収支黒字拡大にストップがかかる」としている。

つまり、経常収支が外的な要因で決まり、その黒字(赤字)を相殺するだけ資本取引が受動的に赤字(黒字)になり、それが為替レートに影響する」とされている。しかし、現実には、経常収支とは無関係に決まる資本取引があり、それが為替レートに重要な影響を与えている。したがって、マンデル=フレミング・モデルが想定するような自動調整メカニズムは働かない。

金利平価の理論によれば日本の金利が海外より低ければ資金流出が起こって円安になるが、その後の為替レートが円高に動いて、金利差による利益を相殺するはずなのである。

 しかし、円キャリー取引が大規模に発生すると、それが円安を加速してしまうことになる。それが本来は投機的取引である円キャリーに利益をもたらす。

したがって、(理論上は円高になるはずだが、短中期的には)円安が円安を呼ぶという現象が生じる。これは、バブルに他ならない。05年頃以降に生じた円安は、このような意味でバブルであったと考えられるのである。

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■野口さんが言うように、短期的に為替レートに最も大きな影響を及ぼしているのは、投機的取引だと思われます。

貿易などの実需で必要な為替取引は、せいぜい全体の10%程度であり、大部分は投機といわれています。経済物理学の第一人者・高安さんの本によると、数年前は全世界で1日あたり2兆円と言われていましたが、外国為替市場は200兆円の取引がある日もあるそうです。

かつては、為替取引は、原則として輸出入などの実需に基づく場合にのみ認められていました。

この時代には、経常収支が為替レートに大きな影響があると考えられていました。例えば、日本の経常収支黒字が増えれば、決済によって日本円への需要が増えるため、円高になるとされていました。

しかし、現在は、経常収支の変動は、為替レート変動の主要な要因ではありません。それ以上の投機マネーによる為替取引が大量に行なわれるからです。

短中期的には、投機マネーが最も為替レートに強い影響を及ぼします。しかし、投機マネーの動向を見て為替レートを予測するのは不可能です。

国際収支のデータは時間遅れがあり、通貨先物の投機ポジション(Non-Commercial)のデータなどもそれだけでは将来の為替レートがどちらに動くかを予測するのは厳しいです。

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■外為市場においては、資金の移動が瞬時に可能であり、取引には制限がないため、予測はただちに市場価格に反映されます。

もし、確実に予測できることが現実の価格に反映されていないとすれば、巨額の投機マネーによって、裁定取引が生じると思われます。

投資銀行やヘッジファンドは、コンピュータートレーディングで、市場データを基に100分の1秒単位で取引するシステムで多額の利益を上げているといわれています。

現時点で知られていることは、基本的には全て現在の価格に反映されているので、将来の為替レートは、今は不明の情報やそれに基づいて形成される予測によってしか変動しません。また、市場のプレーヤーの「予測」は移ろい変わりやすい。

したがって、一部の天才や情報に優位がある機関投資家を除くと、短中期的に為替レートを予測することは原則としてできないでしょう。

もし可能な人がいたとしても、そういう人は、実際に自分の財布で取引をして巨額の利益を上げられるはずですので、そのような情報は表には流通しません。

しかし、だからといって、市場価格が常に正しい値が形成される訳ではありません。

投機が投機を呼ぶ状況、いわゆるバブルのような状況が発生します。例えば、ここ数年の円レートは、経済理論上は非常に割高(円安)な状況でした。

通貨の相違と為替レートの調整効果を無視して、異なる国への投資利回りを比べると、高金利通貨への投資が魅力的に感じるため、高金利通貨ブームが巻き起こり、投機マネーの流入と共に上昇することが、過去の歴史では繰り返されてきました。

しかし、理論上は高インフレ通貨・高金利通貨は下落するので、長期的には、高金利通貨の利下げなどを契機として投機マネーの巻き戻しが加速し、金利差や購買力平価により、為替レートが大幅に調整することが多いです。

ただ、バブルがいつ崩壊するかを予測するのは非常に難しい。

■結論としては、個人的には以下3点を意識したいと思います。

①短期的な為替変動の予測は(自分には)無理であり、短期売買を繰り返しても、平均的にみて手数料の分だけ損することになるので、短期売買には手を出さない。

②為替レートは常にファンダメンタル上妥当な値となる訳ではないし、株式とは異なり、長期的に見ると資産価値が増える性質があるわけでもないので、いつ外貨投資を行っても上手くいくとは限らない。

③自分が将来使用する通貨ベースで、いかに資産価値を最大化できるかが重要。日本で生活し続けるのであれば、将来必要になるお金は円であり、円ベースでの資産価値の最大化を志向

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    2009.12.10 Thu l 為替・外債・FX l コメント (0) トラックバック (0) l top
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