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2015年にも国内企業に義務付けられる方向とされている「国際会計基準」において、金融期間が保有している国債は、時価評価の対象外となるようです。

以下、ロイターから引用

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国際会計基準審議会(IASB)は3日、売買目的以外の日本国債や社債について、時価評価しない償却原価に分類できると説明した。

IASBは国際会計基準(IFRS)における金融商品の区分を見直す公開草案を7月に公表。国債や社債を保有する銀行などの損益への影響が懸念されたが、実質的に影響しないことが確認された。

 

 日本の会計基準で有価証券は、時価評価の「売買目的」と、時価評価しない「満期保有」、「その他」に分類している。邦銀や生保は国債などを「その他」に分類し、償還前に売却するのが一般的となっている。一方、IASBが7月に公表した公開草案では、時価評価による「公正価値」と、時価評価しない「償却原価」での測定の2区分への変更を提示した。

 償還前に売却する可能性のある国債などが常に時価評価する「公正価値」に分類されれば、価格変動が銀行や生保の業績に影響を与えかねず、これが国債保有の手控えを招き発行環境にまで影響を及ぼす可能性もあるとの見方が出ていた。

 こうした懸念に対しIASBは、預金者に対する利払いなどに金利収入を充てる目的で保有する国債や社債は、時価評価しない「償却原価」への分類が可能とし、償還前の売却も禁止しないと説明した。ただ、どの程度の頻度の売買までならば売買目的に該当しないのかなど、判断基準は示していない。

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国際会計基準(国際財務報告基準)(IFRS)とは、国際会計基準審議会(IASB)によって策定され、既にEUで採用されている会計基準です。

米国証券取引委員会が、2014年から米国上場企業にIFRSの適用を義務付けていく方向性を打ち出しており、欧州・米国で適用される基準となる予定。

日本の企業会計基準委員会は、2011年までに日本基準と国際会計基準を共通化することをIASBと合意しています。また、2010年3月期から上場企業に対してIFRSの任意適用を認め、2015年から強制適用というロードマップが提示されているようです。強制適用になるかどうかは2012年に決まるそうです。

日本企業では、住友商事、日産自動車が、早ければ2011年3月期に適用する方向で検討に入ったようです。

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この基準については、著名公認会計士・磯崎さんのブログに面白い分析がありました。

IFRS(国際財務報告基準)は「"隔壁の無い潜水艦"社会」を生み出す

国債が時価評価の対象に区分されることになっていたら、銀行や生保などは、長期金利が上昇するたびに、下落した国債の価格を損失計上することになっていました。

そうなっていたら、銀行・生保が国債を保有しにくくなることが予想され、日本国債の安定消化に影響が及ぶ事態になることもあり得ました。

日本政府にとっては、とてもいい材料のような気がします。実は私が勤務している会社も、この議論の行方によっては、大きな影響を受けていたので、ほっとしました。

個人投資家の立場としては、日本国債に対する大きな懸念事項が消滅しましたので、日本国債への投資姿勢を変える必要はなく、これまで通りでいいかと思います。

国債については解決の方向となりましたが、残る問題は保有株式の取り扱いか。

大手銀行や生保は、多額の株式を保有していますが、この基準によれば、①株価の値動きを全て純損益に反映させるか、②全く反映させないか、のいずれかを選択する必要が出てきます。

仮に①を採用していたら、三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンク合計で、09年3月期は純利益が約3兆円押し下げられていたようです。

また、大手生保4社(日本、第一、明治安田、住友)合計では、約5兆6000億円だったそうです。

では②をとればいいかというと、収入源のひとつである株式配当や株式の売却益を利益に計上できなくなるというデメリットが生じますので、大手銀行や生保は難しい舵取りを迫られそうです。

個人投資家としては、メガバンクや大手生保の株式を保有している方は、その企業が上記の問題にどのような対応を取るか、その影響はどのようになるかを分析してもいいかもしれません。

例えば、その企業が仮に①を選択した場合は、株価次第で決算の純損益が大きく振れるようになるため、それを考慮した上でどうするかを考えるのは有意義かと思います。

インデックス運用の方は、特に対応はいらないでしょう。

まあ、まだまだ先の話ではありますが。。

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    2009.09.05 Sat l 経済・社会・金融動向 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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