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■個人的には、為替レートに大きな影響を及ぼしているのは、以下の3つかとと思います。

①需給(投機的トレード)

②金利差

③購買力平価

この中では、短中期的には、需給が最も為替レートに強い影響を及ぼしますが、長期的には、金利差や購買力平価により、為替レートが大幅に調整する可能性があるという認識です。

先週は、購買力平価 について書きましたが、今回は、金利差についてまとめてみたいと思います。

■1990年代末のゼロ金利政策導入以降、日本の金利は諸外国に比べて低い状態が続いており、米ドル、ユーロ、豪ドルなどの高金利通貨の外貨預金、FX、外債投資が人気を集めるようになりました。

しかし、名目金利が高いということは、必ずしも有利というわけではありません。

例えば、以下の3つの状況のうち、最も有利な通貨はどれでしょうか?

①利率0%、インフレ率-1%

②利率3%、インフレ率2%

③利率7%、インフレ率6%

正解は、どれも条件は等しく、有利・不利はありません。

いくら預金金利が5%でも、インフレ率が7%だとしたら、年2%の割合で、資産は目減りしていきます。(名目金利5%、実質金利-2%)

これに対して、例え預金金利が0%でも、インフレ率が-1%なら、実質金利は1%となり、物価の下落に伴い年1%で資産が増えていく効果があります。

すなわち、名目金利ではなく、各通貨の金利からインフレ率を差し引いた実質金利で考えることが重要かと思います。

以下は、各国の政策金利とインフレ率、実質金利の一覧です。

 名目政策金利インフレ率実質金利
南アフリカ7.00%6.9%0.10%
ユーロ圏1.00%0.5%0.50%
イギリス0.50%1.8%-1.30%
アメリカ0~0.25%-0.6%0.6~0.85%
日本0.10%-1.4%1.50%

※インフレ率は、HSBCの予測

名目金利では、ダントツで南アフリカランドが高いですが、なんとインフレ率を調整した後の実質金利では、日本円が最も高くなります。

この点につきましては、山崎元氏のコラムと同意見です。

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仮に「表面上の金利が高い通貨が平均的にはもうかる」というような予測が存在するなら、市場の参加者は金利の高い通貨を一方的に買うはずだ。

 しかし、どんな通貨でも他の通貨に対して高くなりすぎると、将来値下がりが予想されるので、これが金利でカバーできないと思うと、投資家はその通貨を買わなくなる。つまり、金利と為替レートは、いずれかの通貨が一方的に有利にも不利にもならないように、ほどほどのバランスになるように取引されているはずなのだ。

 「結果的には」どの時期の、どの通貨を取るかで運用利回りがいいことも悪いこともあるが、「これからの問題として考える」と、どの通貨での運用がいいのかは全く分からないのが現実だ。つまり、最後に円に換算して考えるとすれば、どの外国通貨に投資しても、期待収益率はおおむね同じで、為替リスクはあるというのが実態なのだ。

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■仮に、日本に住んでいるJさんが、名目金利が円より高いユーロ買い(円を売ってユーロを買う取引)を行おうとすると、反対にユーロを売って円を買う取引に応じる相手が必要となります。

ところが、0.5%で物価が上昇するユーロ圏に住んでいるEさんにとっては、Jさんのユーロ買いに応じるのは、ばかばかしくてできません。

ユーロ圏のインフレ率は0.5%なので、名目金利が0.1%の日本円を保有すれば、実質金利は、-0.4%になってしまうからです。(0.1-0.5)

Eさんが経済的に合理的ならば、この取引は成立しないので、Jさんがユーロ買いを行うには、Eさんが納得するまで、円の売値を引き下げる必要が出てきます。

例えば、1年後の為替予約をする場合は、為替レートが1ユーロ130円だった場合、128.83円(1ユーロ130円を0.9%割り引いたレート)など。

※厳密な正確性は省いて、単純化しています。

つまり、通貨取引では、各通貨の名目金利に差がある場合、金利裁定が行われることになります。

まとめると、名目金利差による有利・不利については、上記のように裁定取引によって解消すると、経済学のピュアな理論では考えられています。

すなわち、名目金利の高い通貨は下落し、名目金利の低い通貨は上昇することになります。

■名目金利の高い通貨の下落は、短中期的には、必ずしも当てはまりません。為替レートの決定には、投機的トレードが大きな影響を及ぼしているためです。

名目金利の格差を材料に投資する多数の投資家により、短中期的には高金利通貨が買われる流れが続くことがあり、円安・外貨高になる時期もあります。

高金利通貨の相場は、高金利外貨への投資資金が膨張して、割高な水準まで上昇(円安・高金利通貨高)する時期と、その後の下落が、歴史上、繰り返されてきました。

しかし、長期的に見ると、高金利通貨は下落し各通貨の名目金利差は、調整される傾向にあります。

※例えば、ドル円の場合、1980~2007年の日米の長期国債(10年)の利回り差は3.3%。米国債は7.5%で、日本国債は4.2%でした。

日米の同期間のインフレ率の平均差は約3%だったので、金利差はインフレ率を反映したもの。

この期間の円高は、年平均で約3%だったので、高金利の米国債を購入したとしても、利回り差3.3%のほとんどは為替損で帳消しになります。

では外貨投資はどうすればよいのかというと、大きくは、以下3つのいずれかの方向になると思います。

①短中期的な高金利通貨の上昇と、下落を読み、キャピタルゲインを得る。(しかし、極めて難しい。)

②長期投資に徹し、高金利通貨のブームが破裂し、円高・高金利通貨安となり、外貨買いにとって割安な水準になった際、外貨(外債)を仕込み、長期間保持する。

③「今後」どの通貨が有利かを、「事前に」予想するのは極めて難しいので、円安・円高どちらにふれてもいいような発想で、一定のポジションについて、外貨建て金融商品を保持する。(アセットアロケーションの割合を決め、一定の外債ポジションを維持するようなやり方)

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為替(1) 購買力平価
為替(3) 投機的取引
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    2009.08.19 Wed l 為替・外債・FX l コメント (0) トラックバック (0) l top
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