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ミニストップの株主優待

株主優待を廃止する企業がある一方、新設する企業が増えています。個人安定株主の増加や昇格基準の充足、株価の安定維持・資本政策、ロイヤリティ増加・販促などの効果が見込めます。最近目立つのは、株主優待を新設した企業の株価が跳ね上がることです。これにどう向き合うかについて述べます。

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優待継続年数ごとの年率リターンの観点

たけびし(7510)が1月21日の場中に株主優待の新設を発表しました。発表と同時にストップ高にはりつき、翌日に741円で寄り付きました。20日の終値は628円だったので、株主優待の新設で11,300円(+18%)も株価が上昇したと言えます。

たけびしの株主優待の内容は、100株以上だとクオカード1,500円分 or お米券3枚(3年以上クオ2,000円 or お米券4枚)です。1000株以上もあります。

単純化のために買った1年後に株主優待を取得したとすると、11,300円の株価上乗せに対して、年数の経過に伴う通算損益・通算リターン・リターン(年率)がどうなるかを見てみました。下表になります。

年数優待額通算損益通算リターンリターン(年率)
11,500-9,800-86.7%-86.7%
21,500-8,300-73.5%-36.7%
32,000-6,300-55.8%-18.6%
42,000-4,300-38.1%-9.5%
52,000-2,300-20.4%-4.1%
62,000-300-2.7%-0.4%
72,0001,70015.0%2.1%
82,0003,70032.7%4.1%
92,0005,70050.4%5.6%
102,0007,70068.1%6.8%
112,0009,70085.8%7.8%
122,00011,700103.5%8.6%
132,00013,700121.2%9.3%
142,00015,700138.9%9.9%
152,00017,700156.6%10.4%
162,00019,700174.3%10.9%
172,00021,700192.0%11.3%
182,00023,700209.7%11.7%
192,00025,700227.4%12.0%
202,00027,700245.1%12.3%

7年間株主優待が維持されたとするとプラス転換します。10年株主優待が継続した場合は年率6.8%のリターンとなります。


IRRの観点

ファイナンスの指標でIRR(内部収益率)というものがあります。IRR6.8%といった形で表記されます。IRRとは投資プロジェクトの正味現在価値(NPV)がゼロとなる割引率です。

NPV(正味現在価値)とは、投資が将来生み出すキャッシュフローをそのキャッシュフローのリスクの大きさに見合った割引率で現在価値に割戻して、初期投資額を差し引いた純額です。

つまり、厳密性は排除してわかりやすく大雑把に言うと、IRRとは投資案件のリスクの大きさを考慮した上で期待できる利回りのような概念です。

このIRRも7年株主優待が続くとプラス転換します。上表の年率リターンと概ね同じように動くため、具体的数字は省略します。


DCF法の観点

DCF法とは、収益資産の価値を評価する方法の1つであり、投資プロジェクトの価値を算出する場合に用いられます。不動産投資などでよく用いられます。

退屈な計算過程は省略して結論を述べると、毎期キャッシュ・フローが一定であり、積算するキャッシュ・フローの期間を無期限とすると、「理論価格=キャッシュ・フロー÷割引率」となります。

例えば、家賃月20万円(年240万)の不動産を割引率5%で割り引くと、理論価格は4800万円となります。

このDCF法を株主優待新設に適用してみます。上記のたけびしの場合、3年目以降はクオカード2,000円が毎年頂けます。もちろん優待廃止・改悪リスクがあるため、現在価値を見積もる場合は、高い割引率(リスク・プレミアム)が必要になります。

以下の表は、たけびしの優待新設(クオカード2,000円)に対する評価です。左が割引率(リスク・プレミアム)、右が理論価格です。つまり、積算する期間を無期限とすると、右だけ株価が上昇したら、市場は左の割引率(リスク・プレミアム)を織り込んでいると評価できます。

リスク・プレミアム
(割引率)
株主優待新設
での株価上昇
5%40,000
6%33,333
7%28,571
8%25,000
9%22,222
10%20,000
11%18,182
12%16,667
13%15,385
14%14,286
15%13,333
16%12,500
17%11,765
18%11,111

今回のたけびしは株価上昇が+11,300円でしたので、リスク・プレミアムは17.7%です。優待の廃止・改悪リスクや、たけびしの今後の業績・割安性を勘案すると、このリスク・プレミアムは妥当かという観点で検討することになります。個人的にはこれは妥当だと考えました。実際にたけびしを100株を買いました。


オオバの場合

オオバ(9765)も先月に株主優待を新設しました。内容は100株以上500株未満の場合は、おこめ券1枚(500円相当と公表)です。おこめ券は500円で販売されていますが、実際の額面は440円です。オオバの株主優待も実質価値は440円だと思います。

この優待新設で株価は223円→303円と跳ね上がりました。+8,000円(+36%)でした。通算リターンは以下の通りになります。

年数優待額通算損益通算リターンリターン(年率)
1440-7,560-94.5%-94.5%
2440-7,120-89.0%-44.5%
3440-6,680-83.5%-27.8%
4440-6,240-78.0%-19.5%
5440-5,800-72.5%-14.5%
6440-5,360-67.0%-11.2%
7440-4,920-61.5%-8.8%
8440-4,480-56.0%-7.0%
9440-4,040-50.5%-5.6%
10440-3,600-45.0%-4.5%
11440-3,160-39.5%-3.6%
12440-2,720-34.0%-2.8%
13440-2,280-28.5%-2.2%
14440-1,840-23.0%-1.6%
15440-1,400-17.5%-1.2%
16440-960-12.0%-0.8%
17440-520-6.5%-0.4%
18440-80-1.0%-0.1%
194403604.5%0.2%
2044080010.0%0.5%

プラス転換するのになんと19年間もかかり、25年間続いたとしても年率1.5%に過ぎません。リスク・プレミアムを計算すると5.5%です。個人的にはこれは買えません。

ではどのくらいの株価なら買えるかと言うと、253円(優待新設前+30円)だとリスク・プレミアム14.7%、7年目に通算リターンがプラス転換して10年継続したら年率4.7%になります。これくらいなら優待新設に伴う超過金額を払ってもいいと思います。

トレーディングではなく長期保有を前提とするならば、303円に飛びつくのはNGと考えてスルーしました。253円の指値注文が本日ヒットしました。

もちろん株価は業績や投資家の将来見通しに大きく左右されるので、株主優待はあくまでおまけですね。ただ、されど株主優待です。単元5万円以下の数十銘柄で分散ポートフォリオを組むと、リスクをインデックス並みに抑えて配当+優待利回り5%といったポートフォリオも作れます。

株主優待ブログの方で株主優待の新設・変更についてアップしていますが、今後は上記の優待プレミアムの計算についても載せます。

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    2014.02.03 Mon l 資産運用の考え方 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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