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日本銀行本店 Nippon Ginko

黒田日銀総裁が追加金融緩和の余地を示唆したと報じられています。安倍首相は「黒田東彦総裁は『景気が懸念する状況が出てくればちゅうちょなく対策を打つ』と先般発言しており、頼もしい。日銀が正しい判断をしてくれると思う」と述べました。日銀の追加緩和(QQE2)がもしあるとしたら、内容は何になるか。

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非伝統的金融政策の基本は国債買い入れですが、これ以上の国債買い入れはフィージビリティという点で難があります。

日銀は国債の新規発行量の7割超を買入れています。これは「これ以上買えるかどうか」というギリギリの買入れ額だと言われています。

日銀が追加緩和して国債の買い入れ額を更に増やすと決めても、それで更にマネタリーベースを積み上げられるかは金融機関の応札姿勢に依存します。

佐藤日銀審議委員も述べているように、マネタリー・ベースを積み上げることができるかどうかは、経済・金融情勢や現在や将来の金利水準のほか、金融機関のIR政策上バランス・シート中でどこまで日銀当座預金の増加を許容するかといった非経済的要因等によって変化します。

ここから更に市場にインパクトを与える形で国債買い入れ額を積み増すのは、金融機関が既に巨額の超過準備を保有する中で不確実性があるでしょう。

もちろん狂ったような財政支出拡張&国債増発と組み合わせれば買い入れ額を増やせると思いますが、それは将来的な副作用が恐ろしい手段ですし、消費税増税などをしていることからすると、禁断の果実である完全な財政ファイナンスには手を出さないようです。

となると買い入れ額を増やす候補としてはETFが有力ですが、ETFだと量の面でインパクトがある数字を出せません。したがって、もし追加緩和をするとなると、米国債や米国のMBSが有力候補として浮上すると思います。

米国経済は各種指標が順調に回復しており、QE3縮小はほぼ確実の情勢となっています。非農業部門雇用者数は良い状況と言われる+15~20万人程度で安定しています。

米国の非農業部門雇用者増減

失業率は順調に低下しており、6.5%が見えてきました。
米国の失業率

米国のISM製造業指数は景気の境目を示すと言われている50を安定的に上回っており、最近は再加速しています。
米国のISM製造業指数

QE3縮小で最も懸念されるのは金利上昇です。急激な金利上昇は景気に悪影響です。今年の前半には縮小に前のめりで9月縮小決定はほぼ確実という状況でしたが、金利上昇や財政問題を懸念して先送りにされた程です。

そこで米国の金利急上昇に対してウルトラCです。FRBがQE3を縮小して米国債と米国MBSの買い手が減ることになりますが、そこで日銀登場です。もし米国の金利が大きく上昇することがあれば、日銀が追加緩和でFRBに代わって米国債とMBSの買い手になるというシナリオです。

米国10年債利回り

日本にとっても円安のアナウンス効果がありますので悪い話ではないでしょう。円安でも全く輸出量は増えていない状況であり、日本に生産拠点は戻ってくる動きは見られませんが、円安によって円換算での企業利益は日本全体としては上昇します。

問題は円安を米国が許容するか否かです。小泉政権下での大規模な為替介入が黙認された背景には、米国が戦争や減税で財政赤字が急拡大して米国債の消化に不安を抱いていたからという説もあります。

米国は金利急騰は何としても避けたいでしょうから、もしその方向に一方的に進んだら、日銀の追加緩和で米国債大量購入が現実的になると思います。

GPIFが資産配分を変更して、国内株式・外国株式・外国債券の保有割合を増やすという話も出ています。世間では株式に注目が集まっていますが、外債(その多くは米国債)の保有割合を引き上げることに隠れた真意があるような気もしました。

ベビーファンドを作ってプロを雇って積極運用する点には、米国のMBS大量購入が可能になる側面があります。

投資のインプリケーションとしてはドル高・円安でしょう。行き着くところまで行き着いた先には、トレンドが反転して円高基調に戻るでしょうが、もうしばらくは上に下に振れながら大局的には円安方向に進むと思います。

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    2013.12.12 Thu l 経済・社会・金融動向 l コメント (2) トラックバック (0) l top
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