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日本の10月の消費者物価指数が11月29日に発表されていました。総合は前年比+1.1%となり、ユーロ圏に続いて米国をも上回りました。リーマンショック後に経済が大混乱に陥っていた2008年と2009年の2ヶ月間を除くと、指標が現在の基準になってからは史上初の状況となります。

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米国の10月の消費者物価指数(総合)は前年比1.0%にとどまりました。シェールガス革命によるエネルギー価格の低下や、新興国シフトによる世界的賃金低下などの構造的要因が指摘されています。日本以外の先進国も低インフレ傾向となり、インフレ率と金利の差が縮小している状況です。

日本のインフレ率が米国を上回ったのは、指標が現在の基準になってからは2008年12月(日本+0.4%、米国+0.1%)、2009年5月(日本-1.1%、米国-1.3%)の2回しかありませんでした。これらは米国発の金融危機による異常時期であり、これを除くと初めてです。

生産者物価指数(日本は国内企業物価指数)は、CPI総合に先駆けて既に7月から日本が米国、ユーロ圏の伸びを大幅に上回っています。

日本が手段を選ばずに2%のインフレ目標に向かっていて+1%まで物価が上昇している一方で、米国・ユーロ圏は物価上昇が鈍くなっており、主要先進国のインフレ率は1%に収斂してきました。

米国のCPIで特徴的なのはガソリン価格の下落です。シェールガス革命によって米国では安いガスのウエートが増加しつつあるという構造変化が背景にあります。また世界に先駆けて日本では1990年代半ばをピークに賃金が低下してきましたが、欧米でも同様の動きが出ています。

日本の物価上昇は、電気代+8.2%、ガス代+3.9%、灯油+9.7%、ガソリン+7.1%の寄与が大きく、その他は輸入品や保険料です。コストプッシュによる悪い物価上昇と円安による輸入価格上昇がメインであり、日本から資源国等へ国富が流出している状況です。

円安による輸入価格の上昇は来年春までは継続すると見られており、CPI総合は1.5%程度まで上昇する可能性が指摘されています。

これまでドル円の購買力平価は、米国が相対的高インフレで日本が相対的低インフレだったので、恒常的に円高方向に推移してきました。以下のチャートはクリックで拡大します。

購買力平価(ドル円)
(※出典:公益財団法人国際通貨研究所)

ユーロ円同様にドル円も短中期的に円安方向に振れても、長期的には円高に戻ることが予想できました。したがって、ドル建て債券やドルへの投資は短中期的な為替相場の推移の予想が重要となっていました。

しかし、ここに来てドル円の購買力平価も底打ちしつつあるような形状になってきました。
購買力平価(ドル円)が底打ち

もちろん一過性の減少かもしれませんので、今後に注目です。2014年4月以降は円安効果の一巡や消費税引き上げによる実質所得の減少や駆け込み需要の剥落などによって、日本の物価上昇は頭打ちになるという意見が多いです。

購買力平価が基調的に円安に行く局面になり、依然として日本より米国の方が金利が高かったら、為替リスクを許容できるのであれば米国債投資が望ましい局面となります。

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    2013.12.05 Thu l 経済・社会・金融動向 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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